名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

後手無理矢理矢倉

2015-07-17 | 将棋本 断捨離
後手無理矢理矢倉―矢倉はエジソンに聞け!
田中寅彦先生の本です。1995年出版。

プロでは銀冠に組む変化が一時期好んで指されたのですが、今は見かけなくなりました。
アマチュアでは愛好家もいるのですが、限られます。

定跡化できないところが多く、その分自由度が高いのですが、定跡本としてはこういうのもあるんだ、で終わってしまいます。矢倉愛好家で後手番で困るならこの選択肢はあります。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20150717今日の一手<その87>感触のいい手

2015-07-17 | 今日の一手
20150717今日の一手

11日の名南将棋大会からWさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。












昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の4歩損です。持ち歩が一つだけなのは少し心細いです。
玉の堅さは先手のほうが上。
先手の攻め駒は33成銀77角持ち駒金で3枚。
後手の攻め駒は47馬持ち駒金桂で3枚。

総合すれば互角です。
先手は3枚しか攻め駒がありませんから、もう一枚増やすことを考えます。


× 実戦は42歩でした。これは玉を逃がすので感触の悪い手

52玉に32成銀で攻め駒が増えたようですが、

66歩同角55金75角64桂41歩成74歩86角66歩という進行です。

後手玉は広くなり、先手の77角の利きを止められていて、先手の攻め駒は成駒と金銀で足が遅いです。これでは難局。5~7筋の制空権を取られて後手玉がつかまりません。そのまま押し切られてしまいました。


× ちょっとひねると34歩というのがあります。局面によってはある手です。

55桂と止められるのが大きな手。32成銀同玉33銀41玉42金というのは筋の悪い手

飛車は取れるのですが、金銀を渡すので悪手になるほうの確率が高いです。
42同飛同銀成同玉82飛52銀81飛成61歩91竜32歩(長いですが局面図だけ見てください)

これでは先手の攻めが切れてしまいます。桂香を拾っても後手玉が堅くなりました。


○ あとは素直に32成銀しかありません。

32同玉に11角成が自然。

端の香車を取って角が成るというのは思うより大きな手であることが多いです。対照的に敵陣1段目の飛車で香車を取って成るのはあまり大したことがない手です。でも端にいる飛車が縦に進んで香車を取って成るのは大きな手です。

もちろんここでも33銀41玉42金として飛車を取るのは駄目な手ですね。

これで先手の攻め駒が4枚になりました。
22銀と打ってもらえば、じっと12馬です。

22銀は後手の戦力を減らしただけ。35や34や24に空間があり、あまり役立っていません。

42玉とかわしていきたいのですが

49香が気持ちのいい手。74馬に37歩で銀がいなくなれば25飛と使えます。

27銀打48飛55桂と抵抗しても

43飛成同金同香成同玉44銀と寄せに行きます。

52玉53金55銀で

少し強引でしたが、、63歩から寄せて勝てるでしょう。あとで36銀を補充できますし、11馬も活用します。

49香を避けるために、42玉の前に46馬と引くのが後手の最善。37歩と打っておきます。

37歩では37銀同銀成同桂で25飛を決め手にする順をやりたいのですが、22銀の後が難しくてだめでした。参考までに。33歩とか34香とか45金とか。もう1歩あれば相当なのですが。


37歩に22銀なら12馬とじっとかわしておきます。

42玉なら56金と打ちます。

こういう具合に、いっぺんに決めに行かないで指すのがいいようです。先手玉があまり堅くないので後手の手駒を増やさないこと、できれば先手玉を固めつつ後手玉に迫りたいところです。28飛が使えるようになれば勝ちですが、もう少し我慢しながら指さなくてはいけません。


後手玉が広いので、捕まえるのは容易ではありません。手が広くて読みにくい将棋です。なので今日は感覚的な表現での解説でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする