第151回名南将棋大会（壱）結果速報

今日は第151回名南将棋大会（壱）を開催しました。
結果は

A級優勝
丹羽拓郎さん 3連続優勝の快挙です。

山村信太郎さん 連続優勝です。

松原求さん


B級優勝
成田広文さん



おめでとうございます。賞金王争いもデッドヒート。丹羽さん山村さんトップ並走です。

20150711今日の一手＜その81＞右玉の勝ちパターン

20150711今日の一手

先月13日の名南将棋大会からOさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉は先手が堅いです。
先手の攻め駒は38飛。57銀や68角はまだ攻撃についていません。（46銀と使えば守備力が低下します。その時は玉の堅さは同程度になるかもしれません。）
後手の攻め駒ははっきりしません。どこから戦うかで変わってきます。65歩と行くことを考えれば、54銀と73桂、33角も参加できるかどうか。

総合してみてもまだ未確定要素が多く互角としか言いようがありません。これからの指し方次第です。

先手玉はしゃがみ矢倉あるいは菊水矢倉と呼ばれます。先手の理想を言えば57銀は79に引き寄せて、飛角桂で攻撃することですが、今からでは問題がありますね。45歩から65歩の対策を考えねばなりません。


× 一番自然な指し方は、35歩同歩46銀です。

これには45歩のカウンター。35銀に65歩です。

薄くなったところを突かれました。65同桂が手筋ですが、同銀で自信がありません。同桂なら攻め足が止まるのですが。
なので44銀同角32飛成が勢い。でも66歩57金67銀です。

これは先手が千日手にできるかどうか。32飛成は大きいですが、まだ後手玉に響きません。


△ 実戦は35歩同歩同飛と少し妥協しました。

45歩37桂に43金と繰り出されます。

以下はこの図。

55歩から56銀も好形ですが、いつでも55金と取られて角が55に出れば37桂に当たります。後手の金銀が前に出てきて、接近戦ではうまく攻めが続きません。実戦は24歩同歩45桂といったのですが、駒損で飛車を追われて形勢が悪化しました。


× 45歩の対策が必要です。今からは46歩と突くしかありません。

ここから4手角を目指すとこういう図。

後手から25桂という打開があります。25同桂に24歩ですね。
45歩と行っても、角と桂馬を交換することになるだけ。桂馬の交換は先手が得ですが、角交換は先手陣に打ち込みの隙が多く、馬を作られることになり不満です。


○ 46歩はいいとして、そのあとは43銀48銀54歩47銀と組み替えます。

53角に35歩から1歩交換できれば、（33金なら34歩同金36銀でどうか）

こういう展開が理想。

57角と上がっておけば66の地点が強化されます。これで45歩と開戦する権利があるので、先手十分でしょう。86歩同歩同飛には87銀から銀冠に組みなおします。


右玉の勝ちパターンとしては、（角換わりの右玉は別に考えます）
①角の利きを生かした45歩から65歩の攻撃。これに86歩同歩85歩という継歩が加わることもあります。
②角交換から馬や成駒を作って左側から入玉する。
③千日手含みで相手の無理攻めを待ち①か②を目指す。
というのが代表的。
12香から11飛で端を破って、というのもありますが、あまり見ません。

角のにらみがないのに、65歩から銀桂交換や位取りを目指すのは負けパターンだと思っています。逆用されてひどいことになりやすいです。
95歩（右玉側の端）から端攻めされるのは負けパターンが多いですが、早逃げで逆転するということもあります。

と思うのですが、愛好家のみなさん、ご意見をください。

定跡外伝２

定跡外伝〈2〉―将棋の裏ワザ伝授します
週刊将棋の連載をまとめた本。2002年出版です。

今ではプロでは急戦定跡とか見なくなりましたが、その分だけ内容が古くなっていません。では使えるかといえば、人によります。いろいろな戦型で定跡のわき道のような手がいっぱい載っています。興味がある人には良い本です。