名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150708今日の一手<その78> 両取り逃げるべからず

2015-07-08 | 今日の一手
20150708今日の一手

13日の名南将棋大会からIさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。













昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
飛車銀交換で先手の駒得ですが、両取りですから取り返されます。よって駒の損得は互角。

玉の堅さは後手が上です。先手玉の薄さが目につきます。
先手の攻め駒は持ち駒飛だけ。
後手の攻め駒は67銀と22角。
まだどちらも攻撃力はありません。

総合すれば後手が有利です。

問題図の前はこれです。

多分78から67金と上がったところ。急戦の定跡では時々76飛から67銀というのが出てくるのですが、その時は居飛車が64銀の形で、両取りにはすぐに65歩からサバけたはず。
この形は65歩が銀取りにならないので、67銀と引くか、75歩と打つかくらいでした。それでも少し居飛車が得している気がします。


× さて、実戦は75金でした。

以下は58銀成から飛車を打ち合ってこういう図。

先手玉が薄いのですが、後手の攻め駒が少ないので案外いい勝負です。

戻って、75金にはすぐに飛車を取らないで76歩が気になります。

88角には58銀成同金78飛

68飛と合わせるしかなく、88飛成同飛66角

98飛39角18玉75角で

これはほぼ後手の勝ちです。

76歩に88角ではだめでしたが、59角は

58銀成同金66角

これは後手が手順に攻め駒を補充できるので楽勝です。
75金は悪手でした。ただ、実戦のように、悪手をとがめないと好手になります。


×75金と逃げられないのですが、であれば72飛とひもをつけておくのが自然。

58銀成同金79飛です。

89桂を取られたら代償がないので97桂と逃げますが、73桂です。

71歩82飛成65桂とされると困りますから、68金と受けて64歩に74歩ですが、65桂と逃げられます。

65同歩77角成同金引39角

あとは18玉に77竜で、28金と打てば詰みはないものの必至がかかります。


74歩と打たないで78銀と我慢します。

59飛成69金56竜74歩も65桂。

これも先手がだめですね。72飛では後手玉に響かないので、22角の筋を生かされて、いいようにやられます。


○ 最善は83飛です。

76銀成なら81飛成。

これは攻め味があるので先手が互角以上かもしれません。

83飛には93桂と逃げるべきです。

(蛇足ですが、82飛としてあると73桂の余地があるので83飛のほうが少し得です。)
逃げてから76銀成91竜77成銀同桂66角。

これでまだ先手が悪いのですが、65桂と使えるし、26香は打てるし、希望が出てきました。

戻って76銀成ではなく58銀成ではどうでしょうか。

58同金79飛91竜89飛成93竜で

これはまあまあです。22角が活躍しないうちに後手玉を攻略したいです。


ということで、この問題は、両取り逃げるべからずそのままの結果でした。両方逃げないとどちらを取るか悩みます。そして、取るためにもう一手必要なので、可能なら手抜きをしてその一手を生かしたいです。

また本譜変化で、一方を逃げたけど(75金)もう一方を直ぐにとらずに(76歩で)困ったということもあるので、後手は両方逃げられたら困るとばかりにすぐに飛車を取らないことです。

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鈴木流四間穴熊

2015-07-08 | 将棋本 断捨離
鈴木流四間穴熊 (振り飛車新世紀)
鈴木大介先生の本です。1998年出版。
対急戦
対銀冠
対居飛穴(ということは相穴熊)
の定跡と実戦解説が5局。
鈴木先生は感覚派なので、定跡の解説も特徴がありますね。特に対急戦の定跡は最近の定跡書と同じ手順が書いてあるのですが、鈴木先生の実戦が元になっているからかもしれません。
でも定跡の解説よりは実戦解説のほうが面白いです。

この本を読んで、当時の私も四間飛車穴熊をやってみたのですが、さっぱり勝てませんでした。その前からですが、穴熊はうまく指せません。
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