名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
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20150703今日の一手<その73> 実戦必至問題

2015-07-03 | 今日の一手
20150703今日の一手

13日の名南将棋大会からWさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。














昨日の一手の回答

☆形勢判断をします。
銀桂と角歩の交換ですが、終盤なので気にしないでいいでしょう。
先手玉は手が付いていなくて、後手玉には52との手がかりがあります。先手が少し堅いです。
先手の攻め駒は52と 持ち駒飛角銀で4枚。場合によっては88角も働きます。
後手の攻め駒は飛銀桂で3枚。少し足りませんが、先手玉の守備駒は金2枚ですから戦力としてはまあまあ。

総合すれば手番のある先手が有利。最終盤ですから何手で詰めろかと考えるわけですが、実は後手玉は王手と詰めろで追いかけることができます。つまり実戦必至問題です。
先手玉は28飛から57桂で詰めろ。2手すきですね。先手番ですから、2手すきでいいのです。実際は1手すき(詰めろ)で寄せることができます。これをサブタイトルとしました。


問題図の前、後手は52とに31玉と逃げたのですが、これが悪手。52同玉でした。

82飛62銀81飛成51銀左となれば

これは形勢不明です。



○ 一番いい手は41銀です。

32銀成から詰みますね。
33金寄は32銀成同金42飛です。

22玉に42と は駒を補充しながらの詰めろですから受けがありません。

33金直には44角という派手な手があります。

32飛からの詰めろなので同金右に42と同玉72飛(62より遠くに)で

41玉42銀32玉33銀成同玉51角で詰みます。


33飛と打つのがしぶといですが、61飛。

22玉32銀成同飛41角と食らいつきます。

31銀打に97角を決めておきます。

64桂に32角成同銀なら42と

この時に86角を消したのが97角の意味です。

途中、32角成に同玉は41飛成22玉32金です。


後手が最善を尽くせば難しい変化ではありますが。どれもきれいに寄っています。
41銀は守りの金に働きかける手で、王手より有効なことも多いです。


△ 実戦は24歩でした。

これも手筋ではありますが、詰めろではないです。先手玉に詰めろがかからないのでこれでもいいのですが。
28飛23歩成同竜と進めたので

後手玉が寄りにくくなり互角に戻りましたが、どうにか先手が勝ちました。

23歩成では41銀です。

これで先ほどとほぼ同じ順に持ち込めます。

28飛では22玉の変化があります。
41銀とかけると

31銀32銀成同銀42金

31銀(桂でも同じ)に同金同玉23歩成

23同銀41飛32玉53角で

これで寄りです。最後22玉なら31角33玉43飛成があります。


○ 41角もあります。

小さい駒から迫るのが自然な寄せなので、これに気が付く人は41銀としそうな気がしますが。
変化としては41銀と大体同じです。違いは先ほどの44角が成立しないこと。最後の51角がなくて詰みません。
ですから、33金直には61飛。

51桂に42と同金51飛成で寄りです。まだ手数がかかりますが。

前の41銀の変化、44角が見えなければこの61飛で寄せます。

もう一つ、33金寄に32角成は86角で粘られる手があるので

32角成の前に97角を入れるのを忘れずに。


× ダメなのは41飛の王手。

22玉と逃がしてしまい、24歩28飛79角35桂38銀ですか、形勢不明です。


× 61飛の王手のほうがましですが

22玉41角31銀打

これは攻めあぐねています。32飛と打つ変化がないからです。
41角で41銀は31金で駄目です。24歩が利きません。


寄せを考える順番は
①玉に迫る
②玉に近い駒に迫る

使う駒を考える順番は
①盤上の駒
②持ち駒の小さい物から(あるいは数の多い物から)
③戦力不足なら大駒を使って駒を補充しながらゆっくり

がセオリーです。
問題図では、直接王手は22玉と逃がすだけで継続手がありませんでしたから、32金にアタックする手を考えます。
24歩は筋はいいのですが、32金にアタックするのにもう一手かかります。なので32銀を選択するのです。
コメント
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