第1問

中央の受け方です。
A 54銀 B 44歩 C 44角
第2問

好手の感じがする手です。
A 77歩成 B 54歩 C 92角
第3問

光速の寄せが始まります。
A 56銀打 B 56銀 C 37歩
第4問

詰みを読みましょう。
A 37銀 B 37金 C 16桂
今日の棋譜20180705
昭和63年1月、谷川浩司先生と第46期A級順位戦です。
大山先生の先手三間飛車に谷川先生は75歩の急戦です。75同歩64銀65歩というのも難しいのですが
67銀に76歩同銀、こちらのコースもあります。75歩64銀65歩77角成同桂53銀というのは少し穏やか。
67銀73銀に95角の変化が難しかったはず。詳細は青野先生の本を見てください。細かいところまでは覚えていないです。
その95角を見送って大山先生は47金と上がりました。
7筋を押さえこんだら谷川先生が成功のはずです。
大山先生は右翼から角桂で中央を狙います。
これで45桂狙いですが
25歩に53角成の突撃では
駒損はともかく歩切れで困るのです。1歩あれば53歩~33金だってあるかも。
24金は歩の補充と23に打ちこむ手を見ているのですが、谷川先生の92角は好手のにおいがします。
大山先生は金を逃げるのでは苦しそうで
逃げずに56銀は勝負手です。これに37歩の利かしが微妙なところ。37同銀か37同玉か、利かしでも取るものでしょうけれど
大山先生は手抜いて65銀、角を取りました。38銀34金を取られて二枚換えの上に、65銀も取られるでしょう。これでは大損だと思うのです。
桂を取りましたが割打ちが入り
先手玉は薄いし、駒損が大きそうです。
35桂は攻防で、24金の受けに54歩。まだ難しそうなのですが
谷川先生の56銀、これが光速流です。(この図のあたりの記憶があります。当時週刊将棋で見たのでしょう。)56同金には35金同歩36歩が詰めろになります。
大山先生は41銀と捨てて歩を成りました。これは攻防になっていて、後に81馬の利きを受けに使えるのです。
66角56金35金、これで先手玉が詰めろですが
33桂不成と捨てて35歩。81馬の利きがありますね。
駒をいっぱいもらったので谷川先生は45桂打から36歩、即詰みのコースに入りました。
投了図。
序盤が下手だとされている谷川先生ですが、その研究を避けた大山先生の中央での反撃がうまくいきませんでした。それでも結構難しいのですが、68手目37歩に手を抜くとは思いませんでした。
最後の谷川先生の収束は、光速の寄せと騒がれたものです。いまの藤井聡太先生(若いからもっと騒がれているのですが)みたいな感じでしょう。届かなかったけれど大山先生の反撃、勝負の仕方も感心します。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:谷川浩司王位
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 8五歩(84)
7 7七角(88)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5四歩(53)
17 2八玉(38)
18 5二金(61)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 5八金(69)
22 4二銀(31)
23 5六歩(57)
24 5三銀(42)
25 4六歩(47)
26 4二金(41)
27 3六歩(37)
28 7五歩(74)
29 6七銀(68)
30 7六歩(75)
31 同 銀(67)
32 7二飛(82)
33 6七銀(76)
34 7三銀(62)
35 4七金(58)
36 7四銀(73)
37 9八香(99)
38 7五銀(74)
39 5九角(77)
40 7六歩打
41 2六角(59)
42 6四歩(63)
43 5五歩(56)
44 同 歩(54)
45 3七桂(29)
46 5四銀(53)
47 5六歩打
48 2四歩(23)
49 5五歩(56)
50 同 銀(54)
51 5四歩打
52 2五歩(24)
53 5三角成(26)
54 同 金(52)
55 同 歩成(54)
56 同 金(42)
57 5八飛(78)
58 6三金(53)
59 4五桂(37)
60 5二飛(72)
61 2四金打
62 9二角打
63 6五歩(66)
64 同 角(92)
65 3四金(24)
66 5四飛(52)
67 5六銀(67)
68 3七歩打
69 6五銀(56)
70 3八歩成(37)
71 同 金(49)
72 3四飛(54)
73 7二角打
74 6二金(63)
75 8一角成(72)
76 4九銀打
77 5九飛(58)
78 3八銀成(49)
79 同 玉(28)
80 5八歩打
81 4九飛(59)
82 6五歩(64)
83 3五桂打
84 2四金打
85 5四歩打
86 5六銀(55)
87 4一銀打
88 同 玉(32)
89 5三歩成(54)
90 6六角(22)
91 5六金(47)
92 3七歩打
93 同 玉(38)
94 3五金(24)
95 3三桂(45)
96 同 桂(21)
97 3五歩(36)
98 4五桂打
99 同 歩(46)
100 3六歩打
101 4六玉(37)
102 3七銀打
103 3六玉(46)
104 2四桂打
105 3七玉(36)
106 3五飛(34)
107 2八玉(37)
108 1六桂(24)
109 同 香(19)
110 3九銀打
111 投了
まで110手で後手の勝ち
20180705今日の一手
3月4日の名南将棋大会から、SさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は45桂と持ち駒角銀で3枚。
後手の攻め駒は76角67銀で2枚。62飛も働くかもしれません。
総合すれば互角か後手もちか。
☆ 大局観として
後手が指しやすそうでしたが、67銀と放り込んで強引に攻めてきました。一目は無理だと思います。67の地点は手厚く守っていたところですし、78金当たりになっているだけ、76角を取ることもできますし、受けの手が広いです。
受けるほうが深く読まなくても大丈夫なことが多いですが、悪い手は避けなければいけません。良さそうな手を短く読む感じです。読んだ少し先の局面で悪くなっていないという判断ができれば大丈夫です。
○ 67同歩が一番素直な手です。
67同歩成同金上同角成同金同飛成
でも全部言うことを聞いていると後手有利です。これが後手の注文でした。
67歩成の時に76歩と角を取ると
78と同飛で後手からはたいした手がありません。先手は金と角銀の交換ですから、飛車を成られて追い返すくらいのつもりで受ければよいでしょう。67金は取らないで38飛と逃げておいて
こういう図を目指します。(78と同飛67金38飛37歩同飛57金同銀67飛成68金)
後手は角を取られてはいけないので67歩成ではなく67角成
馬を取るとつぶれるのですが、幸いなことに76角と打てば馬金取りです。37歩の時にどうするかが悩ましいですが、18飛76馬同歩44歩
くらいの進行で、33桂成同桂同歩成同金75銀
先手の銀得になっているので、64歩や66銀を見て手厚く受けておけば有利です。
× 67同金上は
67同歩成76歩57と同銀
これは悪くはないです。先ほどと比べると78金が68歩に替わっているので先手が得ではないのですが。
67同角成でどうか。
76角37歩同飛(とするかは悩ましいけれど)76馬同歩78角
など(28角や88角などもある)、後手は歩切れだけなので駒を取りに行けば玉の堅さが生きます。先手が悪いです。
× 67同金寄は
67同歩成76歩78と
後手の攻め駒が4枚になっています。
× 58銀は
駒を足して受けた手で、78銀成76歩89成銀から
こういう感じの寄せ合いです。(86角37歩同銀99成銀53桂成同金同角成65桂)
後手の攻め駒が多くて受けきれないから、先手が少し悪そうです。
△ 69銀と受けると
一番手堅いですが、78銀成同銀67金69銀・・・という千日手かも。
○ 79金とかわしてみると
87角成くらいしかなく、33歩成54金43と
攻め合いに行けば先手有利です。
× 実戦は88金とかわした(87角成も避けた)のですが68銀成
を取り切れません。48玉67歩成76歩57と同銀58金
駒損になり受けがなくなっていきました。
△か○ 76歩と角を取ると
ここも37歩と打たれた時に悩ましいのですが、18飛78銀成86角
(58銀なら手堅いけれど最初に58銀の変化と同じことになる)角を打って反撃をして、68成銀同飛67金58銀
68金同玉38歩成53桂成同金同角成48と62馬
という激しい寄せ合いになるかもしれません。駒得で攻め駒が豊富だけど先手玉は薄いから難しいです。先手の1手勝ちという気はしますが。
△か○ 先に86角でも同じようなことで
もし52金と受けたら、67歩同角成63歩
63同飛64銀で飛車先を止めれば安心できます。
後手が53桂成を受けずに78成銀76歩
ならば前の変化に合流です。
△ 他には41角
と打って63歩ねらいも考えられます。51金には76歩78銀成85角成
68成銀から攻められたら63歩があります。これは先手十分。
78銀成76歩37歩18飛54金
37歩が悩ましくて、難しい局面です。
☆ まとめ
素直に67歩はつぶれそうに見えるのですが、よく考えると67同角成76角でつぶれません。ならば銀得ということになり先手有利。76角が見えるかどうかでした。
67同金上や67同金寄というのはひねった受け方なので、素直に応じたらつぶれると思うときだけ考えてみます。
駒を打つ方が手堅い原則で、69銀ならつぶれませんが千日手かも。
当たりになっているのは78金だけなので、金をかわす手が有力です。
実戦の88金は頑張りすぎで、68銀成を取り切れませんでした。
79金とかわして87角成を許し、33歩成から寄せ合うというのは気が付いてみればわかりやすかったと思います。
76歩78銀成の後でかもしれませんが、角を打って後手の飛車先を止めようというのも考えてみるのもよいでしょう。
駒得になる受け(相手の戦力が減りますが、駒得の大きさに目がくらむとつぶされます)
金駒を打って千日手含みの受け
軽くかわす受け
反撃含みの受け
いろいろな受けのテクニックがあります。