名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180725

2018-07-25 | 大山将棋研究
先手番田丸先生の手を考えます。

第1問


攻め筋はいくつかあるのですが、強く攻めすぎると切れてしまいます。
A 43歩 B 77角 C 31角

第2問


平凡な手なのですが、案外にうまくいきました。
A 53金 B 66金 C 43歩

第3問


これが好手です。
A 32銀不成 B 52銀不成 C 65金


最後は後手番大山先生の手を考えます。
第4問


後手玉は詰めろです。逆転を狙うには?
A 94金 B 86歩 C 86桂

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大山将棋研究(957);四間飛車に右四間飛車(田丸昇)

2018-07-25 | 大山将棋研究

今日の棋譜20180725
昭和63年9月、田丸昇先生と第38回NHK杯です。

田丸先生の早い46歩~47銀を見て、大山先生は四間飛車

田丸先生は右四間飛車になりました。

早い仕掛けですね。

大山先生は54歩を突くとかなり受けやすいのです。

田丸先生は角を打ち込んで

馬を作っても攻め切るのは大変です。

45銀には53銀というのがおとなしいのですが、大山先生は角を打って馬を作るほうが好きです。

田丸先生は割打ちがあるので結構手が続きます。

19香を取られますが

飛車をさばいた図では先手もちです。

大山先生は粘りにでました。銀を打ち

自陣飛車を打ちます。

田丸先生は竜を切ってまた割打ちで

大山先生は金を殺すのですが、これが失敗かも。

96馬が働いているので受けが難しくなっています。

大山先生は馬を殺して

玉を逃げ出して粘ります。

結構難しそうですね。

ここで73成銀で受けにくそうに見えます。

田丸先生は端を突き捨てて92金寄でしたが、83金を取られて攻め切れるか?

詰めろがかかりました。部分的には受けなしですが

大山先生は先手玉を攻めつつ上部を開きます。

88玉76角成は後手の勝ちでしょう。77玉は詰めろなので先手の勝ち。

本譜田丸先生は68玉でしたから王手で持ち駒を使わされ

36馬で危ないけれど先手玉は詰みません。

また田丸先生の攻める番で

打ち歩詰めになって(駒を渡して先手玉が詰めろになったので)47歩と手が戻ります。87歩成に

また後手玉を追い回すのですが

詰めろが続きません。

21桂12飛を取りましたがここまで。

攻め将棋の田丸先生らしく、終始攻め続けた将棋でした。大山先生の受けが薄かったというか、強気に66金を取りに行ったのがおかしかったのでしょう。中段玉で粘ってみたらいつの間にか勝ちになりました。早指しのシーソーゲームは面白いです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:田丸昇7段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 4八銀(39)
4 4四歩(43)
5 4六歩(47)
6 3二銀(31)
7 4七銀(48)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 4二飛(82)
11 3六歩(37)
12 6二玉(51)
13 7八玉(68)
14 7二玉(62)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 5六銀(47)
18 7二銀(71)
19 4八飛(28)
20 3三角(22)
21 3七桂(29)
22 5二金(41)
23 2五桂(37)
24 2二角(33)
25 4五歩(46)
26 5四歩(53)
27 4四歩(45)
28 同 角(22)
29 同 角(88)
30 同 銀(43)
31 3一角打
32 3二飛(42)
33 8六角成(31)
34 4三歩打
35 4五銀(56)
36 5五角打
37 4四銀(45)
38 同 歩(43)
39 4一銀打
40 4二飛(32)
41 5二銀成(41)
42 同 飛(42)
43 6六金打
44 1九角成(55)
45 4四飛(48)
46 6四歩(63)
47 4一飛成(44)
48 2四歩(23)
49 4四歩打
50 3二銀打
51 5二龍(41)
52 同 金(61)
53 9六馬(86)
54 6三香打
55 3一飛打
56 4二飛打
57 3二飛成(31)
58 同 飛(42)
59 4一銀打
60 6五歩(64)
61 5六金(66)
62 5五歩(54)
63 6五金(56)
64 同 香(63)
65 5二銀(41)
66 5六歩(55)
67 4三歩成(44)
68 1二飛(32)
69 5六歩(57)
70 8四歩(83)
71 5三と(43)
72 8五金打
73 6二と(53)
74 8三銀(72)
75 6三銀成(52)
76 9四歩(93)
77 7二金打
78 9三玉(82)
79 8五馬(96)
80 同 歩(84)
81 8一金(72)
82 9二香(91)
83 7五桂打
84 7四銀(83)
85 7二と(62)
86 8四玉(93)
87 8二金(81)
88 9五歩(94)
89 8三金打
90 9四玉(84)
91 9六歩(97)
92 同 歩(95)
93 9二金(82)
94 8三銀(74)
95 9五歩打
96 8四玉(94)
97 8三桂成(75)
98 同 玉(84)
99 7五香打
100 7四歩(73)
101 8二金(92)
102 8四玉(83)
103 7三銀打
104 9五玉(84)
105 8三金(82)
106 8六桂打
107 同 歩(87)
108 8七銀打
109 同 玉(78)
110 8六歩(85)
111 7八玉(87)
112 8七歩成(86)
113 同 玉(78)
114 8六歩打
115 7八玉(87)
116 8七角打
117 6八玉(78)
118 4六馬(19)
119 5七銀打
120 6九角成(87)
121 同 玉(68)
122 4九飛打
123 5九桂打
124 3六馬(46)
125 8四銀(73)
126 8五玉(95)
127 7七桂(89)
128 7六玉(85)
129 8五角打
130 7七玉(76)
131 7八歩打
132 8七玉(77)
133 9六角(85)
134 7六玉(87)
135 7七歩(78)
136 同 玉(76)
137 6八銀(57)
138 7六玉(77)
139 4七歩打
140 8七歩成(86)
141 7七歩打
142 8六玉(76)
143 9五銀(84)
144 同 玉(86)
145 8七角(96)
146 9八歩打
147 同 香(99)
148 9七歩打
149 同 香(98)
150 9六歩打
151 同 香(97)
152 8六玉(95)
153 6五角(87)
154 8七歩打
155 8八歩打
156 8九銀打
157 2一角成(65)
158 5四歩打
159 8七歩(88)
160 同 玉(86)
161 9九桂打
162 9八玉(87)
163 1二馬(21)
164 7八金打
165 投了
まで164手で後手の勝ち

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20180725今日の一手(その728);素直に応じて悪い時

2018-07-25 | 今日の一手

20180725今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、FさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが、持ち歩があるので損得なしと見ておきます。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は28飛37桂56銀で3枚。
後手の攻め駒は55金1枚ですが、44銀33角あたりは働きそうです。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として
先手が指しやすそうなのですが、中央の戦いになってしまいました。中央は後手の勢力圏内です。
24歩同歩の突き捨て、37桂と活用できているのはプラス、77角の筋が止まっている、85歩か95歩を突いていないというのがマイナスです。
素直に応じて十分に飛桂もさばけるのならば問題なしなのですが、そうではないのならば77角を使えるようになるまでは我慢が必要でしょう。


× 実戦は素直に55同銀同銀

後手から66銀と46歩があります。57金打でも46歩からさばかれて悪そう。実戦では58飛とけん制したのですが46歩同歩同飛

55銀を動かさずにさばかれて指しにくくなってしまいました。45金には56飛で困っています。
44歩49飛成45金という順をひねり出しましたが44銀59歩67歩同金左45銀同桂同竜53飛成55桂と進んで

後手優勢です。先手の銀冠は堅いけれど67歩とたたけるので案外にもろかったのでした。

反撃の筋としては35歩で

66銀34歩77銀成同桂55角24飛22歩

駒損ですし、さらに37角成があるのでは苦しいです。


○ 65銀とかわすと

65同金同歩というのは角筋が通るので歓迎です。46歩同歩同金35歩

37桂は取られても中央に転戦して形勢互角です。

62飛には67金直として

74銀を狙います。


○ 67銀と引くと

さらに堅くなります。46歩同歩同金35歩

というのは同じ筋で、37金34歩28金33歩成同銀34歩同銀65歩

玉の堅さで優るので、77角を使えるようになれば桂飛と角の取り合いですが悪くはありません。


× 次に考えるのは55銀にひもを付ける手で、58飛は

56金同飛55銀

飛車を引くのならば最初に55同銀同飛58飛と同じことです。と言って55同飛同角45桂同飛56銀

無理に技をかけに行くと25飛26歩同飛55銀29飛成

59飛を狙われて悪いです。(前の変化と比べると、77角55銀がさばけていないですし、後手の飛金銀がさばけているという違いです。)


○ 57金も同じ意味です。

なお67金直では46歩同歩同金の余地がありますし、多分56金でしょうから、57金のほうが簡明です。
56金同銀55銀

45金では66銀、45桂でも56銀で損をします。55同金同角24飛22歩

54歩同歩34飛33歩54飛37角成51飛成

やはり先に駒損するのは避けられないですが、21桂を取れれば有利になります。41金と打たれて竜を引いて・・・というのは駒損でも中央から反撃が利くので形勢互角です。


× 57歩だと

銀を取ってもらえれば得ですが、46歩と突かれるとちょっと困ります。35歩同銀55銀同角56金

頑張って受けてみても47歩成55金37と29飛48飛成

と金を使われると駒得とは言えませんし、寄せ合い負けでしょう。


× 他には45桂

(あるいは45金としても同じで)45同金同銀同銀

駒損で飛角がさばけていません。


☆ まとめ

中央は後手の勢力圏内で、先手の角がさばけていないので先手よしにはなりません。37桂を取られやすいというのもマイナス要素になっていて(45桂とさばく順は見当たりませんでした)、互角にするのが精一杯です。
でも先手玉のほうが堅いのですから仕方のないことではあります。玉が堅いので多少の駒損は受け入れるべきなのでしょう。

一番素直に応じて55同銀同銀の図が思わしくない

と気が付いたら、形勢はやや悪いのではないかと思った方が良いです。早く気が付くほど対応策は見つけやすいもので、ここで考え込むよりも数段優ります。

さて金を取れないとしたら
65銀から複雑に戦うか
67銀と引いて堅さだけを主張してなんとかさばくか
57金で均衡を保つか
の三通りです。混戦が好きか、堅い玉で細い攻めが好きか、玉が薄くなっても気にしないか。どれを選ぶかは棋風次第です。


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