名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180723

2018-07-23 | 大山将棋研究
先手番大内先生の手を考えます。

第1問


強く反撃します。
A 75歩 B 54歩 C 83角

第2問


こんなところに手がありました。
A 71飛打 B 15歩 C 23桂

第3問


攻め続けます。
A 11飛成 B 43飛成 C 25歩

第4問


これで寄りです。
A 42香 B 54歩 C 56金
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大山将棋研究(955);大野流向い飛車(大内延介)

2018-07-23 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180723
昭和63年8月、大内延介先生と第14期棋王戦です。

これは珍しい

大野流向い飛車になりました。大山先生の兄弟子大野源一先生の得意戦法です。このころは馬を作らせるだけ損だろう位の認識だったと思います。その後で馬付きの居飛車穴熊にすれば堅いから後手有利、いや角交換をねらって先手が指せる、と意見が出されたのですが、今はどうなのでしょう。

雁木のような持久戦の駒組では馬を生かしているとも言えません。

大山先生は53銀~42銀~53銀と92飛~82飛で千日手模様です。今の規定だと千日手になっているので棋譜を修正していますが、65手目から89飛92飛86飛72飛が入っています。総手数125手。

大山先生も千日手のつもりはなかったでしょうが、大内先生から手を変えました。

1歩入ったので大山先生は75歩、84歩同歩86飛と受けさせて

72飛に83角。73飛は84飛でうまくいかないので

71飛82歩76歩81歩成。大内先生は桂得です。

73飛に84飛、これで74歩があります。

75飛に85飛で飛車交換になり

大内先生がうまくやったようですが両取りがあります。

飛馬交換になり

飛車を打ち込んで31銀と受けられました。困ったようでもここで23桂。

(香もありそうですが)桂を捨てて、23同金は43飛成42銀引。

本譜は玉で取って21飛。どちらが良かったのでしょうか。22銀に43飛成同金31銀

というのは飛車を打つしかなくて

香を拾えば先手有利です。

大山先生は84馬から攻め合いに出ましたが、大内先生は金を引いて催促し

角を手に入れたら寄り筋です。

投了図。

千日手の打開から、先に桂を取った分だけ大内先生のほうが少し良いのでしょう。銀を取られて難しいのかと思えましたが、桂捨てがありました。62馬の守備範囲外で攻められたら決まっているのかもしれません。大内怒濤流の豪快な寄せでした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大内延介9段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 5六歩(57)
4 8八角成(22)
5 同 飛(28)
6 5七角打
7 6八銀(79)
8 2四角成(57)
9 4八玉(59)
10 4二玉(51)
11 3八玉(48)
12 3二玉(42)
13 5八金(69)
14 6二銀(71)
15 8六歩(87)
16 5四歩(53)
17 5七銀(68)
18 4二銀(31)
19 4六歩(47)
20 4四歩(43)
21 3六歩(37)
22 4三銀(42)
23 4七金(58)
24 5三銀(62)
25 2八玉(38)
26 7四歩(73)
27 3八銀(39)
28 5二金(61)
29 1六歩(17)
30 1四歩(13)
31 2六歩(27)
32 5一馬(24)
33 2七銀(38)
34 7二飛(82)
35 7八飛(88)
36 6四歩(63)
37 3八金(49)
38 9四歩(93)
39 9六歩(97)
40 2四歩(23)
41 3七桂(29)
42 3三桂(21)
43 8五歩(86)
44 2二玉(32)
45 6六銀(57)
46 3二金(41)
47 7七桂(89)
48 6二馬(51)
49 5八飛(78)
50 6三金(52)
51 5九飛(58)
52 9三香(91)
53 8九飛(59)
54 4二銀(53)
55 8六飛(89)
56 5三銀(42)
57 4八金(47)
58 4二銀(53)
59 4七金(48)
60 5三銀(42)
61 8八飛(86)
62 9二飛(72)
63 8六飛(88)
64 7二飛(92)
65 8八飛(86)
66 9二飛(72)
67 5五歩(56)
68 同 歩(54)
69 同 銀(66)
70 7五歩(74)
71 8四歩(85)
72 同 歩(83)
73 8六飛(88)
74 7二飛(92)
75 8三角打
76 7一飛(72)
77 8二歩打
78 7六歩(75)
79 8一歩成(82)
80 7三飛(71)
81 8四飛(86)
82 7五飛(73)
83 8五飛(84)
84 同 飛(75)
85 同 桂(77)
86 7五飛打
87 9三桂成(85)
88 5五飛(75)
89 5六角成(83)
90 同 飛(55)
91 同 金(47)
92 5五歩打
93 同 金(56)
94 5七角打
95 4一飛打
96 3一銀打
97 2三桂打
98 同 玉(22)
99 2一飛打
100 2二銀(31)
101 4三飛成(41)
102 同 金(32)
103 3一銀打
104 3二飛打
105 2二銀成(31)
106 同 飛(32)
107 1一飛成(21)
108 8四馬(62)
109 3一銀打
110 6二飛(22)
111 2一龍(11)
112 2二桂打
113 5六金(55)
114 3九銀打
115 1七玉(28)
116 4八角成(57)
117 同 金(38)
118 同 馬(84)
119 4一角打
120 1三玉(23)
121 5二歩打
122 投了
まで121手で先手の勝ち


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20180723今日の一手(その727);穴熊に飛車交換できるとき

2018-07-23 | 今日の一手

20180723今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、YさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしと見ます。
玉の堅さは少し後手玉のほうが堅いというか遠いです。
先手の攻め駒は55銀1枚。68飛88角も働いていたのですが、65歩を突きだされたところです。すぐに3枚に戻るでしょう。37桂も攻め駒として働くかもしれません。
後手の攻め駒は62飛1枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
先手は玉の堅さで劣るけれど攻め駒が多い、つまり穴熊を積極的に攻めようとしました。後手が反撃を試みたところが問題図です。
形勢は悪くないので自然な手から考えます。66歩をどれで取るべきか。その前工作をすると効果が上がるかどうか、というのがその次に考えるところです。
先手は端を詰めていないから端攻めがないのですが、後手の35歩同歩の突き捨てを逆用できそうです。後手の穴熊を攻略しやすい形なので、積極的な手から考えていきましょう。


○ 66同飛が一番強い手で

もう一度65歩を打つわけにもいかないでしょう。66同飛同角69飛61飛

ここまでは進みそうです。飛車が向かい合っていて66角を取られるとひどいですが、取られる筋はなさそうです。89飛成44歩33金寄45桂

というのは先手十分、穴熊攻略は簡単です。

後手は45歩と取るくらい。

44歩同銀同金43歩

43同金引は22角成、43同金上は32銀、角を逃げるのでしょうが大きな利かしです。21飛成同玉44角と強攻しても勝ち切れるでしょうし、手堅く58銀、一度41飛成とかもあります。

後手が銀を逃げないで我慢したら

53桂成同金(53同角には54銀打)81飛成

で34桂を狙えます。


△ 66同角だと

45歩に64歩

64同銀55銀66歩

66同飛65歩56飛55銀同角44銀77角55歩86飛

くらいで互角の展開です。


△ 66同銀だと

45歩65銀44銀64歩

で抑え込む感じ。これも互角でしょう。


△ 実戦は65歩で

65同飛66銀64飛65銀84飛

76銀64飛65歩

と進んだのですが、65歩を打たずに飛車交換から44歩で先手有利でした。後手は84飛が成立せず、最初から下に引くところです。
さてここから62飛96歩45歩同桂44銀

じっと46歩と支えておけば互角でしたが、44同角同金53銀と攻めたのが悪手で、45金

飛車を捨てられて、角桂と飛銀の交換でも銀が遊びます。62銀不成55角18玉46歩56金同金同歩99角成

駒損になり、玉の堅さで劣り、攻め駒の数でも劣っているのですから明らかな劣勢です。
飛車交換ならば有利だったのに、飛車を取りに行くと悪いとは皮肉な結果でした。


△ 64歩ならば

64同銀66飛65歩

86飛55銀同角54金

44角同金同歩64角43金31金

くらいでしょうか。駒損でも穴熊が薄くなっているので先手が悪くないです。まあ形勢互角くらい。


△ 63歩から

63同飛に64歩と連打しても同じようなことになるかもしれませんが、64同銀65歩に64銀

と取ることができます(先手の権利)。64同角86飛33金寄

これも形勢互角です。


△ 44歩は

44同銀同銀同金で66飛

ここでも66同飛しかなさそうで、66同角55歩43歩

43同金引71飛69飛36歩

くらいでしょうか。これは後手の銀をさばかせて攻め合っているために、後手の攻撃力が上がっているのです。互角に近いですが苦労する展開でしょう。


△ 69飛はひねった手で

67歩成に44歩33金寄45桂

と攻めようというわけですが、67と も大きいので好んで指すべきではないでしょう。形勢は難しいです。


☆ まとめ

穴熊には飛車交換を挑んでも悪い、というのは先入観でしかないです。この場合は飛車を打ち合っても負担になる駒が少ないですし、攻撃力があるので寄せ合いで勝てそうなのです。
(飛車交換しても自陣に打ち込まれることがないから有利というケースのほうが多いかもしれません。)

飛車交換しないで歩のテクニックを駆使しての攻防は良い勝負です。
実戦のように無理に後手の飛車を取りに行くと悪くなることがあります。飛車を取った後の攻撃力が足りませんでした。

飛車交換したときには玉の堅さで優劣が決まる、と思い込んだらいけません。(それも一つの要素ではありますが。)その後に飛車を打ち込まれて負担になる駒がないか、寄せ合いの速度はどうか、とその先のことを考えてみましょう。

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