名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180721

2018-07-21 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


これがねらいの構想です。
A 37角 B 76歩 C 77桂

第2問


この我慢は思いつきません。
A 84と B 75銀 C 46角

第3問


受けられたら受けます。
A 47金 B 38金 C 39金

第4問


受け続けてやっと攻める手が一手指せました。
A 81飛 B 85角 C 25歩

第5問


やっと有利になったようです。
A 22歩 B 23歩 C 25歩
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大山将棋研究(953);三間飛車に右64銀急戦(塚田泰明)

2018-07-21 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180721
昭和63年7月、塚田泰明先生(当時王座)と第47期A級順位戦です。

大山先生の先手三間飛車ですが、塚田先生は急戦を狙います。

57銀を見て53銀~64銀、右64銀急戦になりました。

大山先生は67金で備えています。少し駒組みをしてからの仕掛けになりました。

塚田先生は当然7筋を攻めていくわけですが

大山先生はこの角を指したかったのですね。

銀を追いかえせます。

銀の繰り替えを許さず75歩で

対棒銀みたいになりました。塚田先生は65歩を突けないので攻めにくいと思うのですが、8筋に歩を垂らして

成り捨てて75銀とさばきます。

78歩も受けにくそうで、まずまずの展開でしょう。

大山先生は76銀を打って8筋突破を狙います。

桂損で、89同飛は45桂があるので85飛。これでは少しつらいか。

と金を使われて、46角は一回休みのような手で(後の45桂を避けた)我慢が続きます。

やっと8筋を破れます。

竜を作った後はじっと銀を引いておくものなんですね。

塚田先生は金を打って食いつきます。

一枚はがして45金、確実ですが金で角を取るだけでは厳しくはありません。

84桂には飛車を切って

角を取って66角、自然な流れのようですが少し単調です。桂で受けて形勢は互角。46角を取る前に44桂(37銀36桂同銀同金)をねらうのはあり得ました。

大山先生は47金から38銀と守ります。

ずいぶん攻められていますが、67歩から

角を取って

銀角を打たれ、金角を埋め、

ずいぶん薄くされましたが、後手も大駒がなくなりました。

25歩は攻防の手です。これに対して

塚田先生の38銀18玉は良いとして、44銀はどういう意味でしょう。間合いをはかったとしか言えないのですが、もう少しなにかありそうな気がします。

大山先生は33銀と守られる前に24歩同歩22歩。22同玉には23歩同玉31飛か。後手に受け駒がないからうるさいです。

塚田先生はここに桂を打ちたくて44銀と待っていたのではないかと気が付きました。これが詰めろなら良かったのですが

詰まなくて負けです。

ずっと形勢不明なのですが、塚田先生に工夫の余地がありそう、良くなる順を逃しているのではないかなあという気がします。最後のところも不思議な手順で、真意はよくわかりません。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:塚田泰明王座
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 4二玉(51)
9 6八銀(79)
10 3二玉(42)
11 4八玉(59)
12 6二銀(71)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 7四歩(73)
17 5六歩(57)
18 5四歩(53)
19 2八玉(38)
20 1四歩(13)
21 1六歩(17)
22 4二銀(31)
23 3八銀(39)
24 9四歩(93)
25 5七銀(68)
26 5三銀(62)
27 3六歩(37)
28 6四銀(53)
29 6七金(58)
30 5三銀(42)
31 2六歩(27)
32 4二金(41)
33 9六歩(97)
34 7五歩(74)
35 5九角(77)
36 7二飛(82)
37 7五歩(76)
38 同 銀(64)
39 3七角(59)
40 6四歩(63)
41 7六歩打
42 8四銀(75)
43 9七香(99)
44 7三銀(84)
45 7五歩(76)
46 8四銀(73)
47 7六金(67)
48 8六歩(85)
49 同 歩(87)
50 8七歩打
51 8五歩(86)
52 8八歩成(87)
53 同 飛(78)
54 7五銀(84)
55 同 金(76)
56 同 飛(72)
57 7七歩打
58 7八歩打
59 7六銀打
60 7四飛(75)
61 8四歩(85)
62 7九歩成(78)
63 8三歩成(84)
64 8九と(79)
65 8五飛(88)
66 7九と(89)
67 4六角(37)
68 7八と(79)
69 7五銀(76)
70 7一飛(74)
71 7六歩(77)
72 7七と(78)
73 7二と(83)
74 同 飛(71)
75 8一飛成(85)
76 7一歩打
77 4八銀(57)
78 6七と(77)
79 9一龍(81)
80 5八金打
81 5九香打
82 4九金(58)
83 同 銀(38)
84 4五金打
85 8四桂打
86 7五飛(72)
87 同 歩(76)
88 4六金(45)
89 同 歩(47)
90 6六角(22)
91 7一龍(91)
92 4一桂打
93 4七金打
94 6八と(67)
95 3八銀(49)
96 5九と(68)
97 同 銀(48)
98 3九銀打
99 2七玉(28)
100 5七香打
101 6七歩打
102 5九香成(57)
103 6六歩(67)
104 4九銀打
105 3七金打
106 5八角打
107 1七角打
108 3八銀(49)
109 同 金(37)
110 4七角成(58)
111 同 金(38)
112 4九成香(59)
113 3七銀打
114 4八金打
115 同 銀(37)
116 同 成香(49)
117 3七金(47)
118 4七銀打
119 2五歩(26)
120 3八銀打
121 1八玉(27)
122 4四銀(53)
123 2四歩(25)
124 同 歩(23)
125 2二歩打
126 2九銀(38)
127 同 玉(18)
128 2五桂打
129 2一歩成(22)
130 1七桂(25)
131 1八玉(29)
132 2九角打
133 1七玉(18)
134 投了
まで133手で先手の勝ち





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20180721今日の一手(その726);受けの感覚

2018-07-21 | 今日の一手

20180721今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、TさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

歩歩と角の交換で馬を作っています。持ち歩があるので歩をカウントせず、先手の大きな駒得です。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は21馬と持ち駒角銀桂で3枚。
後手の攻め駒は56飛と持ち駒銀銀桂香で5枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として

少し前の香車の田楽刺し

が37と から清算されて、29桂56香VS47と55角の交換になったというのが駒得ではあるけれど危険でした。香を打たずに48銀とか38銀打とか、ちょっと損なようでも先手玉を守っておくほうが優りました。

さて問題図では先手が優っているのは大きな駒得だけです。終盤になるほど駒得の評価は下がりますから、かなり形勢が接近したといえるでしょう。

後手のねらいは57飛成、36銀、45桂、35香など、どの王手も厳しそうです。28玉から右に逃げていくのでしょうが、であれば一番怖いのでは(27に利きのある)36銀ということになります。


△ 攻めるとしたら44歩

32銀と使ってもらえば少し脅威は減りますが、馬取りの処置も難しいです。後手は受けるほかに36銀28玉27銀成同玉57飛成

先手の歩切れを突いて銀を捨てて迫る順もあります。36玉とかわすと35銀45玉44銀34玉32金

馬を切って24桂も少し足らなさそうです。

何か合駒をするしかなく

37銀合いに、24香26桂35桂

38玉47竜29玉37竜

詰めろです。43歩成51玉38金26竜28歩

と受ければ先手有利のようですが、ここまで間違えずに逃げるのも大変です。(ほかに正解の逃げ方受け方があるかもしれませんが。)


○ 63角は攻防の手で

角の利きがあるので36銀などを防いでいます。25桂47玉52香

では後手の香打ちが攻防で返されるので危ないです。

28玉と逃げて

57飛成には58飛

とぶつけるのが攻防になります。

後手は飛車を成れず、52金右81角成から36銀29桂37銀打18玉

と攻めることはできますが息切れしているようです。

25桂以外には44香

38金52金右81角成57飛成28玉49銀、攻めとしては続くのですが54桂

で反撃すれば先手の寄せのほうが厳しいです。


△ 83角は両取りで

これも攻防の感じはします。57飛成28玉36銀38金37銀打

18玉38銀成同銀24香28銀35桂39桂

なんとか受かっているようですがきわどいです。62金と手を戻されてややよしくらい。


× 58飛には57銀

飛車交換してもらえば攻防にも見えますが、これはやぶ蛇です。


△ 実戦は47玉で

いろいろ後手の攻め筋があるので、それをかわしつつ玉の顔面で受けました。55歩48銀46銀38玉45桂

ここで54銀か54角ならば有利だったのですが、57歩は悪手。35香37桂57飛成

受けなしです。

後手としては55歩は次善手で、45銀

のほうが厳しいです。
48銀35桂38玉36銀39桂24香28銀

27桂成から清算して最後の27銀不成をかわせば

何とか逃げられるのでどうにか受かっているのですが、冷や汗ものです。


× 駒を打ったほうが手堅い原則で48銀打

としてみると、36銀28玉24香38金35桂

39銀が邪魔で39桂と打てません。これは受けを失敗しています。

38金を38銀に変えても27香成

から詰んでいます。


△ 48銀と受けると

36銀28玉24香38銀35桂39桂

今度は受かった感じですが、27香成同桂同桂成同銀同銀成同玉35桂

詰まされます。

玉は38に逃げておいて

こう受ければ清算を47玉とかわして受けるという前の図に合流します。


△ 48金は

36銀28玉24香38銀35桂16銀47銀打39桂

48銀成は同飛が逆先なのでなんとか受かっている感じです。


× 46銀は

全部の攻め筋を受けた感じはしますが、後手57銀には47歩くらいしかなくて46銀成同歩57飛成

46銀は歩に代わってしまいます。合駒は35桂で取られるので、28玉36銀38銀37銀打18玉24香

これは防戦困難です。


○ 銀を打つならば47銀

飛車当たりのほうが強い受けです。58飛成には58金46銀28玉47竜同金同銀成63角

飛車を取ったから有利というわけにはいかないのですが、後手玉は飛車も守りに利いていましたから反撃がより強力になります。先手玉はゼット、36桂も防いでしまえばかなり安全です。

後手としては竜を切れないので25桂

28玉37銀くらいまで決めて51竜

と引くくらいです。ならば38歩から駒得を目指してゆっくり指します。


○ 38銀打というのも良い受け方で

36銀28玉24香37歩

こちらの攻め筋を先に受けているというわけです。先に受けるほうが手堅い原則でした。

57飛成のほうは

28玉44香58飛

という反撃を狙います。


× 38銀では少し薄くて

それでも36銀以下の2筋攻めは受けてしまえば

何とかなります。先に受けている効果が出るのです。

57飛成のほうは

47歩46銀28玉47銀成


47歩を打つと取られて危ないですし、打たないで28玉には36桂がありましたから、まずい受け方でした。


× 38金だと

36銀の方には対応していますが、35香が厳しくて、47玉45銀

左にかわすこともできません。


× 38歩は

早逃げ出来るならば良い形ですが、36銀28玉24香

38銀と守れないのでつぶされます。


○ 28玉の早逃げは

36銀38銀35桂39桂24香18銀

数で受かります。

57飛成は58飛

の反撃が利きます。


☆ まとめ

受けるならば先に受けたほうが手堅い駒を打つ方が手堅いという原則があります。原則にとどまるのは例外があるからですが、銀を打つ場所を間違えると受からなくなるかもしれません。

36銀から27の地点を攻められる方が厳しいようで、であれば38銀打、47銀を考えます。飛車取りに打つ方がより強い受けだけれど、47銀には玉のひもがついているだけなので注意(読んで裏付ける)が必要です。

これ以外に攻防の63角、早逃げの28玉が良い手でした。これらは気が付けば良さそうな手だなあと感じます。

感覚で良さそうな受け、だめそうな受け、というのが分かったでしょうか。この問題図は変化が多いので読んで確認するのは大変だと思います。外れた方はもう一度問題図を見てあれこれ考えてみましょう。

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