後手番高橋先生の手を考えます。
第1問
これが指したい手なのです。
A 55歩 B 73桂 C 64歩
第2問
戦いの前に。
A 86歩 B 65桂 C 56歩
第3問
これで十分だと読みました。
A 35歩 B 69角 C 56銀
第4問
これが速い寄せの筋です。
A 67角 B 56角 C 48金
今日の棋譜20180718
昭和63年7月、高橋道雄先生(当時十段)と第38期王将戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/a8/18ebfde1fc21e7012703bbbe8389545c.png)
大山先生の先手三間飛車に高橋先生は天守閣美濃です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/21/0746aec9da1f179022b91028a3c7ca81.png)
44歩と止めて高美濃、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/04/90b5e990cb17f8ac9066b7f656146253.png)
引き角棒銀のパターンのようですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/27/a6bcf0862bcfdadb68b1582399c144d8.png)
53銀~42銀として45歩の位を取らせないで四枚美濃に組もうとしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/78/daf9e1fe3669a23c8406b620e9bfb8df.png)
ここまで組めれば、後手番の序盤としては成功です。大山先生は中央から動きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/68/aa59c49e82a39995554653da4999c26e.png)
高橋先生は7筋の歩を交換し
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e5/c67a918f8c6d99703a3a47717f21b068.png)
78飛に74歩。これではうまくいった感じはしません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/14/92e9aa2d645d19789b3cbc16ee40f952.png)
76歩31角なら最初から73桂としたのと同じです。ならば76歩には84角か?先手から見ると7筋の歩を切っているので76歩は打ちたくはないですね。54歩か56銀で良くなるかどうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/cc/a5d50864c5b39a46bc415cee392f27ee.png)
56銀83飛に54歩同金とすると65金や65桂があるから、37桂と待ちました。桂を跳ねずに76歩は打ってみるものかなあという気がします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/46/85d51fae2372c822d212b4d971386254.png)
55歩同銀というのはうれしいようでも、86歩。86同歩65桂66角86飛というのが怖いけれど、飛車交換から45歩で勝負する、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/ff/c5521117133b21f7f1a0a506f8c88826.png)
と思ったら86同角。大山先生らしい変化ですが、飛車で取られて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/df/891e5ab404ac0fabf11ea9a4edf1cf6a.png)
銀が死にました。こうなると後手玉が堅くて、明らかに不利です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/12/3b55b21b009dee1b13e80d8a556e723e.png)
73桂は取ったけれど中央から食いつかれます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/f4/8ed73354f4ba4fd5341eea24ae7edd7f.png)
我慢して指すのですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/a5/d1b5fdbc897c7a06128e13e5240a1ff3.png)
歩を伸ばされると58歩を打てないし、79角もあります。中央は受けが無くなっていて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/bc/1019563bc1b918ba4ad96ff8fddd1b9d.png)
玉頭から反撃です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/21/102e360eac26e469f18a549ae6fb26e3.png)
ここに銀を打つのは何のねらいだろうかと思えば
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/f1/ce1186908708de1f56f495d943e1f77f.png)
端でした。高橋先生としては12歩でも良いですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/11/1c0cae9080df57c2bb3577a0a56ef2f1.png)
上部を抑えて49角成で寄りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/fc/ba208c856253f6b511781785d6557f63.png)
大山先生は24銀と捨てて銀を打ち
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/8c/1d6f832a1544eb1c71c3cb886c3cd86c.png)
金を取りましたが25歩で困っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/27/3746d2d3035207bbb619b83f55dc0db8.png)
高橋先生は角を切って即詰みコース、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/49/7382bbe35a96e1462bf64feb9f22da4b.png)
投了図です。
組みあがったところではこの天守閣美濃~四枚美濃の初期に見られるような居飛車理想の展開です。大山先生が引き角棒銀を意識してしまって、67銀型を選んだために88飛が必要になった、ゆえに作戦負けになりやすい形になってしまったのではないでしょうか。
完全な四枚美濃を防ぐために45歩の位を取っておきたい、居飛車はそれを回避するために44歩を先にすることがあるのですが、この形に組むまえに動かれて作戦負けのほうが多いものなのですが。
振り飛車先手番なので中央での小競り合いで改良できるかもしれませんが、玉の堅さが違うので勝ちにくいです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:高橋道雄十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 2四歩(23)
19 5六歩(57)
20 2三玉(32)
21 2八玉(38)
22 3二銀(31)
23 3八銀(39)
24 5四歩(53)
25 4六歩(47)
26 7四歩(73)
27 3六歩(37)
28 4四歩(43)
29 4七金(58)
30 4三金(52)
31 2六歩(27)
32 3一角(22)
33 8八飛(78)
34 5三銀(62)
35 6七銀(68)
36 9四歩(93)
37 9六歩(97)
38 4二銀(53)
39 6五歩(66)
40 3三銀(42)
41 5五歩(56)
42 7五歩(74)
43 同 歩(76)
44 同 角(31)
45 7八飛(88)
46 7四歩打
47 8八飛(78)
48 7三桂(81)
49 5六銀(67)
50 8三飛(82)
51 3七桂(29)
52 5五歩(54)
53 同 銀(56)
54 8六歩(85)
55 同 角(77)
56 同 飛(83)
57 同 歩(87)
58 5四歩打
59 7二飛打
60 5五歩(54)
61 7三飛成(72)
62 5六銀打
63 4八金(47)
64 5七銀成(56)
65 7四龍(73)
66 6六角(75)
67 7七歩打
68 4八成銀(57)
69 同 金(49)
70 5六歩(55)
71 4九金(48)
72 5七歩成(56)
73 2五歩(26)
74 同 歩(24)
75 同 桂(37)
76 2四銀(33)
77 2六銀打
78 6七角打
79 1五歩(16)
80 4七と(57)
81 1四歩(15)
82 2五銀(24)
83 同 銀(26)
84 2六金打
85 2四銀(25)
86 同 玉(23)
87 1五銀打
88 3三玉(24)
89 2六銀(15)
90 2五歩打
91 7二龍(74)
92 4九角成(67)
93 同 銀(38)
94 2七銀打
95 同 玉(28)
96 2六歩(25)
97 同 玉(27)
98 3七銀打
99 投了
まで98手で後手の勝ち
昭和63年7月、高橋道雄先生(当時十段)と第38期王将戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/a8/18ebfde1fc21e7012703bbbe8389545c.png)
大山先生の先手三間飛車に高橋先生は天守閣美濃です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/21/0746aec9da1f179022b91028a3c7ca81.png)
44歩と止めて高美濃、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4f/04/90b5e990cb17f8ac9066b7f656146253.png)
引き角棒銀のパターンのようですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/27/a6bcf0862bcfdadb68b1582399c144d8.png)
53銀~42銀として45歩の位を取らせないで四枚美濃に組もうとしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/78/daf9e1fe3669a23c8406b620e9bfb8df.png)
ここまで組めれば、後手番の序盤としては成功です。大山先生は中央から動きました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/68/aa59c49e82a39995554653da4999c26e.png)
高橋先生は7筋の歩を交換し
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e5/c67a918f8c6d99703a3a47717f21b068.png)
78飛に74歩。これではうまくいった感じはしません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/14/92e9aa2d645d19789b3cbc16ee40f952.png)
76歩31角なら最初から73桂としたのと同じです。ならば76歩には84角か?先手から見ると7筋の歩を切っているので76歩は打ちたくはないですね。54歩か56銀で良くなるかどうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/cc/a5d50864c5b39a46bc415cee392f27ee.png)
56銀83飛に54歩同金とすると65金や65桂があるから、37桂と待ちました。桂を跳ねずに76歩は打ってみるものかなあという気がします。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/46/85d51fae2372c822d212b4d971386254.png)
55歩同銀というのはうれしいようでも、86歩。86同歩65桂66角86飛というのが怖いけれど、飛車交換から45歩で勝負する、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/ff/c5521117133b21f7f1a0a506f8c88826.png)
と思ったら86同角。大山先生らしい変化ですが、飛車で取られて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/df/891e5ab404ac0fabf11ea9a4edf1cf6a.png)
銀が死にました。こうなると後手玉が堅くて、明らかに不利です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/12/3b55b21b009dee1b13e80d8a556e723e.png)
73桂は取ったけれど中央から食いつかれます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/f4/8ed73354f4ba4fd5341eea24ae7edd7f.png)
我慢して指すのですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/a5/d1b5fdbc897c7a06128e13e5240a1ff3.png)
歩を伸ばされると58歩を打てないし、79角もあります。中央は受けが無くなっていて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/bc/1019563bc1b918ba4ad96ff8fddd1b9d.png)
玉頭から反撃です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/21/102e360eac26e469f18a549ae6fb26e3.png)
ここに銀を打つのは何のねらいだろうかと思えば
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/f1/ce1186908708de1f56f495d943e1f77f.png)
端でした。高橋先生としては12歩でも良いですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/11/1c0cae9080df57c2bb3577a0a56ef2f1.png)
上部を抑えて49角成で寄りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/fc/ba208c856253f6b511781785d6557f63.png)
大山先生は24銀と捨てて銀を打ち
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/8c/1d6f832a1544eb1c71c3cb886c3cd86c.png)
金を取りましたが25歩で困っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/27/3746d2d3035207bbb619b83f55dc0db8.png)
高橋先生は角を切って即詰みコース、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/49/7382bbe35a96e1462bf64feb9f22da4b.png)
投了図です。
組みあがったところではこの天守閣美濃~四枚美濃の初期に見られるような居飛車理想の展開です。大山先生が引き角棒銀を意識してしまって、67銀型を選んだために88飛が必要になった、ゆえに作戦負けになりやすい形になってしまったのではないでしょうか。
完全な四枚美濃を防ぐために45歩の位を取っておきたい、居飛車はそれを回避するために44歩を先にすることがあるのですが、この形に組むまえに動かれて作戦負けのほうが多いものなのですが。
振り飛車先手番なので中央での小競り合いで改良できるかもしれませんが、玉の堅さが違うので勝ちにくいです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:高橋道雄十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 1四歩(13)
17 1六歩(17)
18 2四歩(23)
19 5六歩(57)
20 2三玉(32)
21 2八玉(38)
22 3二銀(31)
23 3八銀(39)
24 5四歩(53)
25 4六歩(47)
26 7四歩(73)
27 3六歩(37)
28 4四歩(43)
29 4七金(58)
30 4三金(52)
31 2六歩(27)
32 3一角(22)
33 8八飛(78)
34 5三銀(62)
35 6七銀(68)
36 9四歩(93)
37 9六歩(97)
38 4二銀(53)
39 6五歩(66)
40 3三銀(42)
41 5五歩(56)
42 7五歩(74)
43 同 歩(76)
44 同 角(31)
45 7八飛(88)
46 7四歩打
47 8八飛(78)
48 7三桂(81)
49 5六銀(67)
50 8三飛(82)
51 3七桂(29)
52 5五歩(54)
53 同 銀(56)
54 8六歩(85)
55 同 角(77)
56 同 飛(83)
57 同 歩(87)
58 5四歩打
59 7二飛打
60 5五歩(54)
61 7三飛成(72)
62 5六銀打
63 4八金(47)
64 5七銀成(56)
65 7四龍(73)
66 6六角(75)
67 7七歩打
68 4八成銀(57)
69 同 金(49)
70 5六歩(55)
71 4九金(48)
72 5七歩成(56)
73 2五歩(26)
74 同 歩(24)
75 同 桂(37)
76 2四銀(33)
77 2六銀打
78 6七角打
79 1五歩(16)
80 4七と(57)
81 1四歩(15)
82 2五銀(24)
83 同 銀(26)
84 2六金打
85 2四銀(25)
86 同 玉(23)
87 1五銀打
88 3三玉(24)
89 2六銀(15)
90 2五歩打
91 7二龍(74)
92 4九角成(67)
93 同 銀(38)
94 2七銀打
95 同 玉(28)
96 2六歩(25)
97 同 玉(27)
98 3七銀打
99 投了
まで98手で後手の勝ち