名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180711

2018-07-11 | 大山将棋研究
後手番米長先生の手を考えます。

第1問


無理矢理でも位を取ります。
A 34銀 B 24銀 C 34歩

第2問


駒の繰り替えです。
A 42銀 B 33銀 C 34金

第3問


飛車を切りました。食いつきます。
A 47歩 B 35銀打 C 56金

第4問


じっくり寄せていきます。
A 47歩 B 26金 C 37歩成
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大山将棋研究(943);三間飛車に玉頭位取り(米長邦雄)

2018-07-11 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180711
昭和63年3月、米長邦雄先生と第46期A級順位戦です。

大山先生の三間飛車に米長先生は玉頭位取りです。銀を上がらないうちに歩を突くのは少し早くて

大山先生は反発しました。二人とも意地を張り合っている感じです。

米長先生は24に銀を上がって位を取ります。

大山先生は石田流にして

互いに陣形整備です。

手数はかかりましたが米長先生の玉頭位取りもきれいな形になりました。大山先生は1歩持っているので8筋から動き

米長先生は端桂で受けました。

大山先生は角を使います。

歩の手筋で乱して角をさばきます。

角は64で交換になりました。

桂の配置は先手が良く、飛車の働きは後手が良いです。

米長先生が角を打ち込めば

大山先生も。77角成91角成は後手の得だという気がしますが

角を切って飛車をさばくというのは米長先生らしい手です。

先手玉が薄くなりました。飛車を逃げるのが普通ですが

飛車も切って金を打つのは米長先生らしいです。勢い重視で駒損は気にしていません。

強引に銀を打ちこみ

と金を作ります。

銀を取って攻め駒3枚、ちょっと足りない感じです。ここで55同角成37銀同歩同歩成同馬同と同玉、怖いけれど後手玉も32角成があります。実戦では大山先生は と金のほうを取って

金を追うのですが、先手玉が薄いのです。左翼に逃げ出せればよいのですが

74角に47歩。これをうっかりしたのではないでしょうか。玉を逃げ出せません。

寄せ合いをねらうのですが、米長先生の寄せは厳しくて

金を取り合い、27玉も

簡単に詰んでしまいました。


この二人の対戦は意地の張り合いです。順位戦最終日となれば余計に気合が入るでしょう。自然な手よりは意地を通す手が多く見受けられます。大駒を切って玉頭の厚みを生かすのは米長先生の得意な展開で、無理をしている感じがあるのですが、しっかり寄せきってしまいました。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:米長邦雄9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 1四歩(13)
19 1六歩(17)
20 4二銀(31)
21 5七銀(68)
22 4四歩(43)
23 4六歩(47)
24 3五歩(34)
25 4七金(58)
26 3三銀(42)
27 3六歩(37)
28 同 歩(35)
29 同 金(47)
30 2四銀(33)
31 2六歩(27)
32 3五歩打
33 3七金(36)
34 5三銀(62)
35 2八玉(38)
36 4三金(52)
37 3八銀(39)
38 4二銀(53)
39 7五歩(76)
40 9四歩(93)
41 5九角(77)
42 8四飛(82)
43 7六飛(78)
44 3一角(22)
45 6五歩(66)
46 3三銀(42)
47 7七桂(89)
48 2二玉(32)
49 4八銀(57)
50 3二金(41)
51 4七銀(48)
52 3四銀(33)
53 4八角(59)
54 3三銀(24)
55 8六歩(87)
56 同 歩(85)
57 8五歩打
58 8二飛(84)
59 8六飛(76)
60 9三桂(81)
61 8九飛(86)
62 5三角(31)
63 6六角(48)
64 2四歩(23)
65 5五歩(56)
66 同 歩(54)
67 8四歩(85)
68 8五歩打
69 7四歩(75)
70 同 歩(73)
71 8三歩成(84)
72 同 飛(82)
73 5五角(66)
74 6四歩(63)
75 同 角(55)
76 同 角(53)
77 同 歩(65)
78 4五歩(44)
79 同 歩(46)
80 5三飛(83)
81 5六歩打
82 4六歩打
83 同 金(37)
84 6八角打
85 3六歩打
86 同 歩(35)
87 8二角打
88 4六角成(68)
89 同 銀(47)
90 5六飛(53)
91 6三歩成(64)
92 5五歩打
93 5三と(63)
94 同 金(43)
95 4七銀(38)
96 4六飛(56)
97 同 銀(47)
98 5六金打
99 5五銀(46)
100 4六歩打
101 6五角打
102 3七銀打
103 同 桂(29)
104 同 歩成(36)
105 同 玉(28)
106 4七歩成(46)
107 2八玉(37)
108 3六歩打
109 3八歩打
110 5五金(56)
111 4七角(65)
112 4五金(55)
113 4六歩打
114 3五金(45)
115 7四角(47)
116 4七歩打
117 5一飛打
118 2六金(35)
119 2七歩打
120 3七銀打
121 1八玉(28)
122 4八歩成(47)
123 2六歩(27)
124 4九と(48)
125 2七玉(18)
126 3五桂打
127 3六玉(27)
128 2六銀成(37)
129 投了
まで128手で後手の勝ち

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20180711今日の一手(その721);きれいな攻め方

2018-07-11 | 今日の一手

20180711今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、MさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

金角交換で と金を作られています。損得なしと見ておきます。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は25銀と持ち駒角金桂で4枚。
後手の攻め駒は持ち駒金桂で2枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として

先手のほうが攻撃力で優るけれど、玉の守りは薄いという状態です。幸いにして飛角が守りに働いているので受けなければいけない状態ではありません。後手の攻め駒が少ないので、小駒で追われたら右に逃げる感じです。
方針としては少し自陣に手を入れるか、攻めるかです。
攻めるならば寄せのセオリーが頼りになります。この場合は後手の攻めがまだ遅いので、反動が小さい小さな駒から使うほうを優先して考えたいです。


△ 小さい駒から、つまり歩を使うほうがリスクが小さいわけで23歩成

23同歩で他の変化にすることもできますが、24歩同歩同銀

24同銀同角23歩53角

が一番厳しい寄せ方です。(33銀同桂同角成というのもある。)42合駒を同角右成同金23飛成が詰めろです。


△ 64歩52銀

利かしですが後手玉が堅くなったという意味もあります。先手が歩切れになるので少し損なのかも。


○ 桂馬を使うなら王手が一番厳しい手で23桂

23同歩同歩成ならば桂損でも銀を取れますし、25銀28飛も働きそうです。後手は玉をかわすくらい。42玉に11桂成がそっぽなのですが、79と に65香

85飛にも64香

香の使い道があります。後手玉が42に移動したので6筋の金銀をはがすのもなかなか厳しい手になっています。


△ 53桂は41金を狙っていて

85飛41桂成同玉

ここで73角成か53金か。悪くなってもいないのですが、指し手は難しいです。


○ 45桂は33銀を狙っていて

42銀34銀32金打23歩成同歩同銀成

25銀が移動すると28飛も働いて攻めが切れることが無くなります。

後手が45桂を手抜くと79と33桂成同桂34銀

79と(取れば67桂)~78と はなかなか厳しい攻め方ですが、それでも先手の攻めのほうが速いです。


△か○ 26桂は「控えの桂」の手筋です。

79と34銀78と33銀成同桂34桂

詰めろですが後手は32金打で粘るので先手よしくらい。厳しいのですが後手も攻めの手を2手指しています。


× 実戦は73桂の両取り

「桂馬のふんどし」です。85飛86歩(取れば53角の王手飛車)65飛61桂成67歩成

筋の悪い手の見本みたいな感じです。金を得したけれど、守りの役に立っていない金を持ち駒を使って取っただけ。飛車を使われて明らかに不利になってしまいました。


× 25銀を使うなら、14銀同香23歩成

銀を捨てて竜を作るだけに終わりそうです。


× 34銀同銀

も次の厳しい手がないです。


○ 次は金を使う手です。23金

23同歩同歩成32金打同と同金24桂

十分に攻めが続く形です。

23金に79と は

33金同桂34銀

45桂で33銀をはがすのには劣りますが、これでも先手が十分に指せます。

23金に32金打

が手ごわそうですが、33金同桂(33同金は45桂)34銀

23歩成、33銀成、35桂、上から攻める筋がどれも有効です。


△ 53金52銀

というのは後手の遊んでいた金銀を相手にする感じです。形勢が悪くなったわけでもないけれど少し損をしているでしょう。


× 82金で飛車を取れますが

82同飛同角成79と

先手が悪くなったわけでもないけれど、後手の攻めが確実なので難しいです。(後手としては57金46馬67歩成同銀というのはまだ早い。)


△か○ 53角は王手で厳しい手です。

42金86角成79と

では難しい形勢です。

42金には45桂

53金33桂成同桂34銀

角を犠牲に攻め込んだら、手を稼いでいる感じがします。41金が53に移動している効果もあり、33銀成~45桂という攻め筋ができていますから寄せきれるかも。42玉33銀成同玉23歩成同歩45桂

となれば寄せきれそうです。


△ 86角75桂

というのは難しそうです。


△ 盤上の角を使うほうが筋が良くて、73角成72金95馬

85飛を避けて86馬を狙います。


× 守る手としては89銀67歩成

では後手の攻めが速くなっている感じです。


△か○ 48玉か49玉

早逃げしておくのは悪い手ではなく、79と を取ることができますし、88と69銀というのもあり得ます。85飛86歩65飛57桂

桂を温存しているので飛車を使われる筋も大丈夫です。


☆ まとめ

問題図を中盤のように考えて、桂馬のふんどしがいろいろあるなあ、と思ってしまうと筋が悪いといわれます。82金で飛車を取るというのも筋は悪いです。駒得は味が悪いものなのです。
味が良さそうな駒得は23桂で、1手で11香を取って後手玉を危険なところにおびき出して、取った香を使えました。

ゆっくり指すならば73角成から馬を引いておくか、48玉か49玉の早逃げか。早逃げは少なくとも問題の先送りにはなりますし、ここでは受けやすくなる意味があります。

寄せを考えるならば、何度も出てきますが寄せのセオリーを使います。
いつも通りに厳しい手から考えるでもよいですし、まだ余裕があるから小さな駒から使うを優先してもよいでしょう。

23歩成同歩24歩と攻めるのは自然な攻め方です。
桂を使って寄せに行く45桂が有力ですし、強引な23金も有力です。
これらは33銀を除去して25銀を使おう、そうなれば28飛が攻めに働く、という考え方です。飛車の横利きは守りに働いてはいるのですが、攻めに使えば後手玉を攻略するのが簡単になります。

きれいに勝てる時には遊んでいる駒がなくなるものです。(遊び駒という概念を持ち出すと形勢判断が難しくなる恐れがありますが、駒の能力を使い切ってきれいに勝てたという感覚が理解できます。)

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