第1問

ここで放置すると危ないのですが(44銀)こう受けるのが大山調です。
A 64角 B 53角 C 33歩
第2問

塚田先生のミスでした。
A 65同桂 B 65同銀 C 46角
第3問

実利を求めます。
A 46銀 B 36歩 C 57歩
第4問

どう受けますか?
A 27角 B 61歩 C 63歩
第5問

実戦的にはこれしかないでしょう。
A 13玉 B 28角 C 57歩
今日の棋譜20180719
昭和63年7月、塚田泰明先生(当時王座)と第9回日本シリーズです。
大山先生の四間飛車に塚田先生は右46銀急戦です。これが塚田先生の得意戦法で著書もあります。(私も昔もっていたのですが、なくしてしまいました。)
32金には37桂、45歩に備えておいてから
35歩と攻めます。
大山先生はいつもの袖飛車です。これに塚田先生が66角で受けるのは珍しい指し方で
この場合は角を右に引けるので玉頭をしっかり守れます。
大山先生は角を転回して
中央、先手の角頭で動きました。
塚田先生は中央を手厚く構えるのは良いですが
ここは65歩か44銀かというところ。46銀と引いてから
65歩と追ったら角を切られました。46同歩は47銀、本譜46同飛は35銀です。
すぐに取ってもらえるなら飛銀と角銀の交換だけです。でも端を攻めたら36歩は痛くて
94歩92歩に55歩同銀56歩?こんなのを秒読みで食らったらパニックを起こしそうです。46銀右同歩37歩成は66角でしょう。ということで
37歩成55歩46銀。結局は塚田先生の駒損に違いはないです。
割打ちで攻めて
銀角を取り合った図は飛桂VS金の交換で と金を作られていますから塚田先生の駒損、玉は堅いけれど攻め駒3枚です。後手有利。
銀金と打っても寄りがなさそうです。ここで36歩から
王手飛車がかかりました。大山先生は36歩を取ってはいけなかったのですね。こういうのを「塚田攻めれば道理引っ込む」と言われたのです。3つ前の図で36歩なら取る人はいないのでしょうけれど。
幸いなことに飛車を取られても後手玉は詰みにくいです。
39飛を無視して62銀不成、先手玉は79金から追っても詰まないけれど、少し追うほうがわかりやすいか。
36角を取って竜を潜れば詰めろです。
79金を打たせて玉を逃げ出そうとします。
道のりは遠いのですが、先手も持ち駒がないので捕まえにくく
角を打ってけん制すれば
竜は取られてしまうのですが
入玉できます。
まだまだ続きますがここまで。
日本シリーズの30秒将棋ですから互いにおかしな手が出るのは仕方ないでしょう。映像で見ていれば面白いと思います。プロでも間違うのですから、我々がミスをするのも仕方ないことなのだなあと安心します。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:塚田泰明王座
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 2六歩(27)
2 3四歩(33)
3 7六歩(77)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5八金(49)
14 8二玉(72)
15 2五歩(26)
16 3三角(22)
17 3六歩(37)
18 7二銀(71)
19 9六歩(97)
20 9四歩(93)
21 5七銀(48)
22 4三銀(32)
23 4六銀(57)
24 3二金(41)
25 3七桂(29)
26 6四歩(63)
27 1六歩(17)
28 7四歩(73)
29 2六飛(28)
30 6三銀(72)
31 3五歩(36)
32 7二飛(42)
33 3四歩(35)
34 同 銀(43)
35 3六飛(26)
36 4三銀(34)
37 6六角(88)
38 5四歩(53)
39 8八銀(79)
40 6五歩(64)
41 5七角(66)
42 4二角(33)
43 3五銀(46)
44 6四角(42)
45 7七銀(88)
46 5五歩(54)
47 同 歩(56)
48 同 角(64)
49 6八金(69)
50 5二飛(72)
51 5六歩打
52 6四角(55)
53 6六歩(67)
54 7三桂(81)
55 6七金(58)
56 7二金(61)
57 4八角(57)
58 5四銀(43)
59 4六銀(35)
60 3三金(32)
61 6五歩(66)
62 4六角(64)
63 同 飛(36)
64 3五銀打
65 9五歩(96)
66 3六歩打
67 9四歩(95)
68 9二歩打
69 5五歩(56)
70 同 銀(54)
71 5六歩打
72 3七歩成(36)
73 5五歩(56)
74 4六銀(35)
75 6四歩(65)
76 同 銀(63)
77 6一銀打
78 5五飛(52)
79 5六歩打
80 3五飛(55)
81 4六歩(47)
82 4八と(37)
83 7二銀成(61)
84 同 玉(82)
85 5二銀打
86 6三歩打
87 5四金打
88 7一桂打
89 3六歩打
90 同 飛(35)
91 6四金(54)
92 同 歩(63)
93 5四角打
94 6二玉(72)
95 6三銀打
96 5三玉(62)
97 3六角(54)
98 3九飛打
99 5五飛打
100 4二玉(53)
101 6二銀(63)
102 3六飛成(39)
103 5三飛成(55)
104 3二玉(42)
105 5一銀(62)
106 2二玉(32)
107 4二銀(51)
108 3九龍(36)
109 3三銀(42)
110 同 桂(21)
111 7九金打
112 1四歩(13)
113 4三銀成(52)
114 2五桂(33)
115 1五歩(16)
116 1三玉(22)
117 3三成銀(43)
118 2四玉(13)
119 4四龍(53)
120 3四歩打
121 2六歩打
122 6二角打
123 3四成銀(33)
124 同 龍(39)
125 2五歩(26)
126 同 玉(24)
127 1七桂打
128 3六玉(25)
129 3四龍(44)
130 3五金打
131 3二龍(34)
132 4二歩打
133 同 龍(32)
134 5一銀打
135 3三龍(42)
136 3七角打
137 6三歩打
138 同 桂(71)
139 同 龍(33)
140 6五桂(73)
141 6六銀(77)
142 1九角成(37)
143 6四龍(63)
144 4六金(35)
145 3二飛打
146 2七玉(36)
147 4四歩打
148 5七歩打
149 6五龍(64)
150 4四角(62)
151 2五龍(65)
152 1八玉(27)
153 5五銀(66)
154 1七角成(44)
155 4六銀(55)
156 2四香打
157 3六龍(25)
158 4七銀打
159 4五龍(36)
160 5八歩成(57)
161 7七金(68)
162 4四銀打
163 投了
まで162手で後手の勝ち
20180719今日の一手
3月24日の名南将棋大会から、MさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は86飛1枚。6筋で歩がぶつかっているので66銀77桂は使いやすいです。
後手の攻め駒はありません。82飛は使うのでしょうが。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
先手は比較すれば玉が薄いけれど、左翼で位を取り十分な形です。石田流から8筋に回って飛車先を突破しようとしたら、後手に端桂で受けられたという図です。
後手が居飛車穴熊などもっと堅ければよい勝負でしょうが、ここでは先手を持ちたい「感じが」します。
6,7,8,9筋どこから動くのが良いでしょうか。
△か○ 実戦は83歩成
自然な手ではありますが、後手が待ち構えていたところです。85歩82と86歩
飛車の取り合いで、後手の93桂は取られづらくなっている形、87歩成もあるし、先手番ですが形勢は互角です。互角の寄せ合いは攻防を繰り返して長い戦いになりました。
飛車の取り合いは必然ではなく、85歩に76飛とかわして
83飛74歩同歩同飛73歩84歩
74歩83歩成
という取り合いに持ち込むことができます。前の図と比べると と金を使いやすい(後手の86歩~87歩成が1手遅くなっている)という違いがあります。だからこの図のほうが少し優りました。
△か○ 74歩を先にして
74歩同歩83歩成85歩76飛・・・で同じ図に持ち込むこともできます。
○ 95歩と桂頭を攻めて
85歩89飛84飛94歩
(この図は89飛85歩95歩84飛94歩でも同じ図になります。)86歩93歩成98歩同香87歩成
85歩98と86飛81飛92歩
飛車の交換を避けて駒得を狙います。後手は中央方面から反撃を狙うのでしょうが、先手が指しやすいと思います。
あるいは93歩成ではなく85歩として
85同桂86飛
として桂を取りに行くのもあります。94香には95歩、65歩同銀64銀には76銀~85銀という調子です。駒得になるので先手よし。
後手は95歩に同歩としておいて
94歩85歩89飛84飛93歩成86歩
と応じてくるかもしれません。95香~85歩では怪しいので、76桂81飛64歩87歩成63歩成
88と82歩から飛車の取り合いでは63との存在が大きいから先手優勢に近いです。
○ 64歩同銀は
悪い手でもないですが、後手玉が少し薄くなる代わりに銀を攻め駒として使わせた感じです。ここから先手の得になる変化がありまして、83歩成85歩の時に93と
86歩82と87歩成53歩
64歩同銀を入れていないと、64歩の時に77と で面白くない図でした。64歩~63歩成は甘いけれど、ここで77と52歩成は厳しいというわけです。53同銀か同角に65桂と使えます。逃げればもう一度53歩ですね。
△ 37桂など待機して
85歩76飛84飛87歩
1歩損でおとなしく指すのではつまらないようですが、後手の93桂は働きません。64歩同銀62歩(63歩は61歩なので)の狙いはあるのですが、決行するのも怖い、動かなければ互いに手がなくて形勢互角です。
☆ まとめ
単純に83歩成85歩82と86歩
と進めてしまいそうですが、難しい形勢です。これが後手の注文で、後手玉のほうが堅いだろうというわけです。もっとも先手から64歩同銀は入るので堅さは同等で形勢も互角です。
ちょっと工夫は一回76に逃げてからの取り合い
に持ち込む図で少し得をしています。
さらには64歩同銀を入れてから桂飛の順で取ると
もう少し良くなります。
別の手は95歩で、変化は多いのですが先手の桂得くらいになります。飛車交換(取り合い)は条件が良い時だけにして、駒得でゆっくり攻める感じです。
後手からの狙いは乏しい局面でしたから、相手の言いなりではつまらない、少し工夫することができる局面でした。