名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180707

2018-07-07 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


味の良い手です。
A 67飛 B 75歩 C 46角

第2問


これが急所の一手です。
A 46馬 B 73歩成 C 55銀

第3問


少し読まねばなりません。
A 35同歩 B 24歩 C 15歩

第4問


王手の受け方は?
A 37銀 B 37金直 C 29玉
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大山将棋研究(939);四間飛車に右四間飛車(安恵照剛)

2018-07-07 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180707
昭和63年1月、安恵照剛先生(やすえてるたか)と第52期棋聖戦です。

大山先生の四間飛車に安恵先生は右四間飛車です。

78飛には72飛くらい。これで急戦はなくなって駒組みです。

天守閣美濃から

米長玉で銀冠へ、定番の駒組です。大山先生も銀冠に組んでいるので堅さは同等です。

安恵先生は8筋を伸ばして飛車をまわり

また72飛と戻しての千日手ねらい。大山先生は打開で角交換を挑みます。

先手が45の位を取っているので46角が好位置です。この受け方が悩ましいですが

安恵先生は馬を作られても桂香を守りました。

大山先生は後手の飛車を追って、自分の飛車をさばきに行きます。

88角に飛車を逃げないのもありますが、逃げて歩を取り込むと

桂香を取られて飛車をさばくことになります。46に馬を引くのが好位置で、25歩を狙えます。端攻めもあるので後手の12玉が安全ではありません。

安恵先生は香を取って33香。これは

角筋を止めようという攻防の手でしたが

24歩同銀(34銀は82飛成~42竜をねらわれる)25歩。13銀35歩では抑え込まれそうです。

34桂~26歩は気持ちよいですがここまで。銀桂を助けにくいです。

銀を捨てて64馬、気持ちの良い手に見えますが、次第に駒損していきます。

46桂と跳ねるのもハッとしますが、よく見ればたいしたことはないです。

手堅く35歩から香を取られて

底歩で粘りに行きました。

大山先生は桂を取るのではなく竜と馬を交換して

42角から馬を作りました。

あとは2筋を攻めればよいだけで

投了図。

右四間飛車は飛角銀桂4枚で攻めるので強力な急戦なのですが、本譜は攻めることができませんでした。銀冠VS銀冠とみれば、45の位を取っているのが大きくて、46角あるいは馬から1,2筋を攻めるのが厳しすぎます。互いに同じ囲いにすると、わずかな差が大差になりやすいものです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:安恵照剛7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 6四歩(63)
17 6七銀(78)
18 6三銀(62)
19 3八銀(39)
20 7四歩(73)
21 9六歩(97)
22 9四歩(93)
23 5八金(69)
24 5四銀(63)
25 5六銀(67)
26 6二飛(82)
27 7八飛(68)
28 7二飛(62)
29 4六歩(47)
30 2四歩(23)
31 3六歩(37)
32 2三玉(32)
33 2六歩(27)
34 3二銀(31)
35 3七桂(29)
36 1二玉(23)
37 2七銀(38)
38 2三銀(32)
39 3八金(49)
40 3二金(41)
41 9七香(99)
42 4二金(52)
43 4八金(58)
44 8五歩(84)
45 4五歩(46)
46 8二飛(72)
47 7七角(88)
48 7二飛(82)
49 6五歩(66)
50 7七角成(22)
51 同 飛(78)
52 6五歩(64)
53 4六角打
54 9三香(91)
55 9一角成(46)
56 7一飛(72)
57 8二馬(91)
58 3一飛(71)
59 7五歩(76)
60 8八角打
61 7八飛(77)
62 9九角成(88)
63 7四歩(75)
64 6六歩(65)
65 7五飛(78)
66 8九馬(99)
67 6八歩打
68 8八馬(89)
69 4六馬(82)
70 9七馬(88)
71 8五飛(75)
72 3三香打
73 2五歩(26)
74 3五歩(34)
75 2四歩(25)
76 同 銀(23)
77 2五歩打
78 3四桂打
79 4七馬(46)
80 2六歩打
81 1八銀(27)
82 2五銀(24)
83 同 桂(37)
84 6四馬(97)
85 3七金(38)
86 3六歩(35)
87 同 馬(47)
88 4六桂(34)
89 3五歩打
90 2三金(32)
91 3三桂成(25)
92 同 金(42)
93 8三飛成(85)
94 7一歩打
95 7三歩成(74)
96 同 馬(64)
97 同 龍(83)
98 同 桂(81)
99 4二角打
100 3二飛(31)
101 5三角成(42)
102 5五歩打
103 4七銀(56)
104 6七歩成(66)
105 2四歩打
106 同 金(33)
107 2五歩打
108 3五金(24)
109 2四香打
110 投了
まで109手で先手の勝ち
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20180707今日の一手(その719);少し駒得を求めたい

2018-07-07 | 今日の一手

20180707今日の一手

3月4日の名南将棋大会から、MさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントしません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角1枚。
後手の攻め駒は75飛59角で2枚。

総合すれば後手もちです。

☆ 大局観として

互いに銀冠ですが、42金47金は一長一短としても、53銀77銀の位置の違いがあります。先手としては玉の堅さで劣っているわけで、左翼で互角以上に戦いたいです。77銀が働けば、それは可能でしょう。
ここでは59角の攻撃力と77銀の守備力はどちらが強いでしょうか。どこかで59角は77銀と交換するくらいなので相殺され、先手の駒得になるのではないか、というのが先手の希望です。少し駒得で寄せ合いならばまあまあのはずです。


× 後手のねらいを知るために先に説明しますが、実戦では45歩と突きました。

45同歩同桂同桂66角

というのが狙いでしょう。

でも後手は42金型が幸いしていて、45歩に手を抜きやすいです。88歩

88同飛ならば77角成同桂同飛成48飛73桂

二枚換えで竜を作れば後手の駒得で、取り残されそうな81桂を使えばその駒得が確定します。

88歩を取れないので、実戦では44歩89歩成66角88と

89桂を失っても66角の筋で反撃すれば、という狙いが崩れました。と金を引かれて取ることができません。飛車の取り合いで

先着しても銀まで取られては大きな駒損です。53角成から突撃しましたが馬を引かれて攻めが切れてしまいました。


△ 76歩はおとなしい手で

後手の88歩を防いでいます。65飛にも68歩

かなりおとなしいのですが、77角成を防いでいます。後手も暴れる順を探すでしょうが、先手も馬を作り良い勝負です。

こういう感じです。


○ 79歩も88歩に対応していて

88歩には同銀もありますが、88同飛77角成同桂同飛成78飛

とぶつけてしまえば駒損は取り返せて駒得になるかもしれません。

後手は65飛として

今度は68歩には76歩があります。66歩75飛82角93香91角成73桂92馬

というところで、先手が駒得になりそうだから先手もちでしょうか。


△ 64歩同歩は

良いか悪いかはこの後の指し方次第です。


△ 76銀と使うと

飛車が逃げれば77歩、角切りを消してしまいます。後手から77歩として飛車を取り合う

というのがどちらが良いか。74銀~63銀成~53成銀まで実現すれば先手よしです。


△ 79飛は

角を取りに行った手で、77角成同飛同飛成同桂というのは駒得で77銀がさばけるのですから先手よしでしょう。76歩59飛(66銀68角成ではつまらない)77歩成

66角68と75角59と

51飛が厳しいから先手よしです。

後手は飛車の取り合いではまずそうなので66角に65飛

77角に67飛成か76銀か。先手の駒得ですが飛角の働きが今一つ(攻め駒とも言いにくい)なので形勢互角です。


○ 後は角を打つ手ですが、88歩に対応しなくてはなりません。66角は

77角成同飛同飛成同桂69飛75角

角を切ってもらって飛車交換は歓迎です。

65飛が嫌なのですが67歩

68銀を狙って、後手は飛角を切って攻めることになるのでしょうが、攻め駒は2枚だけなので何とかなりそうです。


○ 65飛を嫌うならば57角で

(変化によっては84角や39角でも同じになるかもしれませんが57のほうが良さそうです。)65飛には66銀

飛車成りがありますから先手有利です。

74飛に75歩84飛59飛

とすれば安全に角を取れるようですが、77角成同飛86飛87歩82飛

88歩や76歩があっては先手よしとも言えません。

どこに引かれても79飛

で角を取りに行く方が良いです。77角成から銀飛と角飛の交換ならば

57角は今一つでも、左桂を逃げ出すことができます。

57角を打たないで79飛と同じように、76歩

のほうが難しいですが、68銀と引けます。68同角成同角88銀

は嫌な感じですが、78飛89銀不成(89銀成や77歩成同桂89銀成には82角がある)79飛

82角を狙えます。77歩成から飛車交換も歓迎です。

先手は79飛の筋のほか66角から45歩を狙いたくはあるのですが、73桂

から65桂を狙われます。79飛にはやはり76歩、(68銀とはできないので)59飛77歩成

75歩84飛77桂86飛48角88飛成74歩

桂の取り合いか、58銀同飛同竜73歩成か、どちらも先手の駒得なので十分に指せるようです。


× 他には48角が受けの手ですが

48同角成同金寄65飛

先手玉が薄くなり駒得も望めないのでは指しにくい感じです。


☆ まとめ

後手からは88歩同飛77角成で強攻するねらいがありました。二枚換えで竜を作られるのではまずいです。

それに対応しつつ、59角と77銀を交換させると先手が良くなります。
後手玉が堅いからと59角から攻めてきたのは、後手が少し無理なのでしょう。
この方針が79飛あるいは57角74飛79飛です。

後手の強攻を防ぎつつ、82角などを狙って駒得にするというのが76歩や79歩です。

大きな駒得を求めるとやけどをしそうなのですが、先手玉のほうが薄いのですから、少し駒得くらいを求めたいです。

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