名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180729

2018-07-29 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


攻め駒をさばきたいのですがどれからでしょうか。
A 85飛 B 65歩 C 75歩

第2問


金取りです。
A 66角 B 67金 C 13桂不成

第3問


強気で攻めます。
A 45歩 B 44同飛 C 64角

第4問


駒損でも後手玉を寄せれば勝ちです。
A 22と B 64香 C 64桂

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大山将棋研究(961);三間飛車に65歩急戦(泉正樹)

2018-07-29 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180729
昭和63年10月、泉正樹先生と第30期王位戦です。

大山先生の先手三間飛車に攻め将棋の泉先生は急戦です。大山先生の57銀は大野流三間飛車(兄弟子の大野源一先生の得意戦法)にはなるのですが

左金を上がって守るのでは軽くさばく大野流とは言えないでしょう。

金で守って銀を守りにつけるというのが大山先生らしい指し方です。泉先生は急戦がうまくいかないとみて角筋を止めますが

37銀に45歩とまた角筋を通すのは攻め将棋だからです。

右桂を跳ねて無理矢理仕掛けました。

また角筋を通して

88歩を打てば手は続きます。

大山先生は桂を交換し、角も交換し

泉先生は と金を捨てて馬を作ります。

大山先生は端を攻めました。14香には13歩22玉11角同玉43飛成で決まります。

香金と香桂の取り合いでも成桂を取られるから

大山先生の金損ですが、と金は作れました。

駒損でも45同歩同飛44歩15飛となれば十分でしょう。

55馬にも44歩同銀45歩。強気ですね。

飛銀交換になり飛車損ですが、48香の筋で寄せを見ます。

泉先生は馬を引いて頑張りました。

でも飛車を持つと後手玉を寄せるのは簡単です。64桂が退路封鎖なので

泉先生は馬を切って粘るのですが

大山先生は飛車を切って寄せていきます。

と金ができて

左右挟撃になればもう一息。

投了図です。

駒得が重要なときとそうではないときがあります。大きな駒損でも端を破れば勝てると見た大山先生の大局観が光りました。自玉がしっかりしていて攻め駒が4枚あれば大さばきが利きます。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:泉正樹5段
後手省略名:泉
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八銀(79)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 8五歩(84)
13 7七角(88)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 7四歩(73)
19 2八玉(38)
20 4二銀(31)
21 3八銀(39)
22 5三銀(42)
23 5七銀(68)
24 4二金(41)
25 3六歩(37)
26 6四歩(63)
27 6七金(58)
28 1四歩(13)
29 1六歩(17)
30 9四歩(93)
31 4六銀(57)
32 4四歩(43)
33 3七銀(46)
34 4五歩(44)
35 4六歩(47)
36 同 歩(45)
37 同 銀(37)
38 4三金(52)
39 4八飛(78)
40 4四歩打
41 2六歩(27)
42 7三桂(81)
43 3七銀(46)
44 6五歩(64)
45 同 歩(66)
46 同 桂(73)
47 6八角(77)
48 8六歩(85)
49 同 歩(87)
50 4五歩(44)
51 6六歩打
52 8八歩打
53 7七桂(89)
54 同 桂成(65)
55 同 角(68)
56 8九歩成(88)
57 4五飛(48)
58 8八と(89)
59 6五歩(66)
60 7七角成(22)
61 同 金(67)
62 8七と(88)
63 同 金(77)
64 7八角打
65 7七金(87)
66 5六角成(78)
67 4六飛(45)
68 8九馬(56)
69 1五歩(16)
70 同 歩(14)
71 1二歩打
72 同 香(11)
73 1三歩打
74 同 香(12)
75 2五桂打
76 9九馬(89)
77 1三桂(25)
78 7七馬(99)
79 2一桂成(13)
80 同 玉(32)
81 1四歩打
82 3二玉(21)
83 1三歩成(14)
84 4四歩打
85 4五歩打
86 5五馬(77)
87 4四歩(45)
88 同 銀(53)
89 4五歩打
90 同 銀(44)
91 同 飛(46)
92 同 馬(55)
93 6四角打
94 5五馬(45)
95 8二角成(64)
96 同 馬(55)
97 1二飛打
98 4一玉(32)
99 6四桂打
100 同 馬(82)
101 同 歩(65)
102 2一金打
103 4二飛成(12)
104 同 金(43)
105 4七香打
106 4三歩打
107 6一角打
108 5二香打
109 7二角成(61)
110 5一銀(62)
111 6三歩成(64)
112 6九飛打
113 2二銀打
114 3二金(21)
115 7三馬(72)
116 6二歩打
117 2三と(13)
118 7七角打
119 4四歩打
120 同 歩(43)
121 3三金打
122 同 金(42)
123 同 銀成(22)
124 同 金(32)
125 同 と(23)
126 4二金打
127 4三金打
128 投了
まで127手で先手の勝ち

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20180729今日の一手(その730);自然な手の意味

2018-07-29 | 今日の一手

20180729今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、SさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の3歩得です。後手に持ち歩がないのでカウントします。(3歩得は1歩得と同じように見ますが。)
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は54銀57角で2枚。
後手の攻め駒は44角1枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
3つの要素すべてで先手が少しずつ上回っています。
後手としては55角か37歩成で歩切れを解消できるので、先手の駒得というのは消えそうです。
銀がぶつかっていますが、これは互いに取ってほしいというところでしょうか。63銀成同金は後手が少し得、54銀同桂は先手の得です。
36歩と突きだされたところですが、玉の小びんは怖いです。36同歩55角、あるいは放置して37歩成を同銀か同金で取るべきか。桂や玉でも取れるのです。悩ましいところで突きだされたといえるでしょう。

基本的には先手有利ですから自然な手を考えたいです。でもどれが自然かというのは難しく思える局面です。
相手の駒を取る手、自分の取らせないようにする手、自分の駒の働きを良くする手、相手の駒の働きを封じる手、という四種類が自然な手です。


○ 36同歩が一番素直な手で、実戦もこれでした。55角

をどう応じるかが難しいのですが、37銀54銀同桂同飛

おとなしく指したら桂損になりました。これでも先手玉が堅いので形勢互角くらいですが、終盤で先手Kさんの勇み足で後手Aさんの制するところとなりました。

考えにくいのですが55角には46角

が正しいようです。これは飛車の素抜き筋が関係しています。46同桂55飛38桂成同玉

64角打のラインを避けて、43銀成同金51飛狙いです。後手が受けにくい形なので先手有利です。(34桂で38銀をはがされたというのはばからしいように思えるところですが。)


○ 68角は飛車を使えるようにした自然な手です。

37歩成同金65歩同銀55飛

飛車をさばかれたら、55同飛同角56銀82角55歩

と抑えておいて35歩ねらいか、

自陣飛車を打って(56飛82角35歩)

1手早く桂を取りに行くか。後手の36歩を避けつつ味の良い駒得を狙えます。どちらも先手有利です。

あるいは65歩の時に銀を取って

66歩62成銀同角

と踏み込めば駒得にはなるのですが、66同歩67銀というのが嫌味で、ちょっと選びにくい順です。


○ 79角と引いておいて

先ほどの37歩成同金65歩63銀成66歩62成銀同角とすると、66歩

と取り返して67銀が怖くないという違いがあります。

嫌なのは37歩成同金に76歩

からの と金つくりで、35歩77歩成34歩同銀36桂

22角63銀成同金73歩成67と56飛

と金で66桂を取られても大丈夫なように進めていれば先手有利ではあります。

歩を成り捨てて謝っても

35歩をねらえるので悪いことはないです。


△ 63銀成は

後手の銀(守りにも攻めにも入れにくい駒)を先手の攻め駒と交換したのですから少し損なのです。自然な手ではありません。でも63同金に54桂は自然な攻めの手で(66桂が攻め駒になった)、37歩成同銀54金

金と交換してもらえて、54同歩56銀75角54飛

先手が少し駒得になったけれど、後手の62金63銀をさばかれたと見るべきか、後手玉の薄さが目立つと見るべきか。先手が指しやすいのですが、少しつまらないのかなあという気がします。


△ 45銀と引くと守りが堅くなったようで

角取りですし、良い手のように見えるのです。37歩成同桂55飛

37同桂と取るのは銀にひもを付けているからです。ずいぶん働いた感じがするのですが、56歩45飛同桂65歩

(後手から36桂があるので)37歩66歩33桂成同桂66角24桂39玉

これならば駒得が大きくて51飛もあるので先手有利。だけど後手の攻め駒も多いしなあ、という感じです。(この図に自信ありと感じられる方ならば正解です。)

あるいは56歩ではなく35歩として

56歩68角45飛同桂55角

37銀36歩56飛37歩成同金44銀55飛同歩34歩

踏み込んでみても先手有利なのですが、先手陣がバラバラなので怖いところではないでしょうか。


△ 78飛と使ってみると

飛車を攻めに使う自然な手ではあります。37歩成同銀56歩79角55角45銀

65歩56銀37角成同金56飛73歩成

二枚換えにされても反撃がありますから悪くはありません。


× 46歩はおとなしい手で

守りを重視しました。でも55角(46桂や角を狙う)63銀成同金47金

37歩成同桂56歩68角65歩

高美濃にはなったけれど、駒損になりそうなのでは後手よしか。


× 何か待っていると、例えば39玉(とか59飛とか)

37歩成同銀56歩79角55角45銀65歩

駒損を避けにくいです。


☆ まとめ

どれが自然に思えたでしょうか。形勢が良ければ自然な手が一番です。

36同歩は55角に46角以下を読めたのならば正解です。(考えにくいと思うのですが。)

55角を許さない68角か79角は、その先を考えやすいと思います。自分の飛車の働きを良くして、後手の角の働きを抑えています。(それでも使ってくるのでしょうが。)

63銀成は相手の駒をさばかせるので不自然な手です。
取るよりも銀を引きたいのですが、すると後手の飛車が働いてくる(45銀と刺し違えられる)というのが難点です。もともと54銀は攻め駒として使えていたので、今動かす必要はないからということなのです。

あとは78飛をどう見るかですが、急所を外れているような、後手の歩切れを突いているような、悪い手でもないけれど最善ではないような気がします。



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