名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20180727

2018-07-27 | 大山将棋研究
後手番南先生の手を考えます。

第1問


角筋をどう受けますか?
A 92香 B 73角 C 55角

第2問


65銀は恐れないで手を作ります。
A 73桂 B 44金 C 55同角

第3問


この手が利くのが大きいです。
A 87歩 B 54歩 C 75歩

第4問


こういう落ち着いた手を指せるようになりたいです。
A 38銀 B 88歩成 C 82銀

第5問


ここもあわてません。
A 56同銀 B 31金 C 54銀上
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大山将棋研究(959);四間飛車に天守閣美濃右64銀急戦(南芳一)

2018-07-27 | 大山将棋研究
今日の棋譜20180727
昭和63年9月、南芳一先生(当時王将)と第9回日本シリーズです。

大山先生の四間飛車に南先生は天守閣美濃で

64銀の急戦です。この図は75歩同歩64銀とするか、82飛のまま64銀~75歩というのが本来の手順で

角交換になると銀を引かねばなりませんからちょっと失敗なのです。

55銀と出られるから居飛車が悪くもないのですが、局面は膠着してしまいます。

角は打ちあいになり

南先生はずいぶん堅くできました。作戦勝ちです。

大山先生は75歩から動いて76歩は飛車の詰めろ。

8筋を攻めるのはわかりやすいですが

角交換には応じにくいです。45歩に64歩から

55歩、角交換を避けておきます。

ずいぶん玉が薄くなりますが、中央を抑えて8筋だけが楽しみです。

ここに歩を打たれるのが痛いです。87同飛には55金同銀左同角同銀78銀でやられそう。87歩は取れず

83歩成は実現しましたが、角をさばかれました。これでは形勢不利です。

34歩同金55銀と使えて、まだまだではありますが割打ちが入り

しがみつかれて47銀の受けに

また銀をはがされ

裸の王様です。

左翼に逃げ出したいのですが、88歩成が痛くて

左上を目指します。

飛車を取れて

盛り返した感じはありますが、入玉はできそうにないです。

31角から71飛で攻めるのですが戦力不足です。

上から押さえつけられる形になり

馬を作っても催促されます。

後手玉は寄せられず

打たせた角を成られてはどうしようもありません。

35桂が入り、馬を使われて

投了図。

木村美濃VS四枚美濃では堅さが違い過ぎました。作戦負けだと思えば手を出さずに待っている方が良いのですが、左翼から動いても押さえこめませんでした。大山先生らしい粘りも出ましたが、南先生の落ち着きが上回っています。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十五世名人
後手:南芳一王将
後手省略名:南
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 6六歩(67)
6 6二銀(71)
7 6八飛(28)
8 4二玉(51)
9 4八玉(59)
10 3二玉(42)
11 3八玉(48)
12 5二金(61)
13 2八玉(38)
14 1四歩(13)
15 1六歩(17)
16 5四歩(53)
17 3八銀(39)
18 2四歩(23)
19 6七銀(78)
20 2三玉(32)
21 5八金(69)
22 3二銀(31)
23 4六歩(47)
24 5三銀(62)
25 3六歩(37)
26 8五歩(84)
27 7七角(88)
28 7四歩(73)
29 2六歩(27)
30 7二飛(82)
31 7八飛(68)
32 6四銀(53)
33 6五歩(66)
34 7七角成(22)
35 同 桂(89)
36 5五銀(64)
37 4七銀(38)
38 8二飛(72)
39 8八飛(78)
40 4四銀(55)
41 3八金(49)
42 3三銀(44)
43 3七角打
44 5五角打
45 6八金(58)
46 4四歩(43)
47 5六歩(57)
48 7三角(55)
49 6六銀(67)
50 4三金(52)
51 6七金(68)
52 8四飛(82)
53 9六歩(97)
54 9四歩(93)
55 7五歩(76)
56 9二香(91)
57 7四歩(75)
58 同 飛(84)
59 7六歩打
60 9一角(73)
61 8六歩(87)
62 4五歩(44)
63 6四歩(65)
64 4六歩(45)
65 同 角(37)
66 6四角(91)
67 5五歩(56)
68 4四金(43)
69 5六銀(47)
70 4五歩打
71 3七角(46)
72 7一飛(74)
73 5四歩(55)
74 同 金(44)
75 5五歩打
76 4四金(54)
77 6五歩打
78 9一角(64)
79 8五歩(86)
80 3五歩(34)
81 8四歩(85)
82 3六歩(35)
83 4八角(37)
84 8七歩打
85 5八飛(88)
86 5四歩打
87 8三歩成(84)
88 5五角(91)
89 同 銀(56)
90 同 歩(54)
91 3四歩打
92 同 金(44)
93 5五銀(66)
94 4九銀打
95 5九飛(58)
96 5一飛(71)
97 5四歩打
98 3八銀成(49)
99 同 玉(28)
100 4六金打
101 4七銀打
102 同 金(46)
103 同 玉(38)
104 4六銀打
105 同 銀(55)
106 同 歩(45)
107 同 玉(47)
108 4四銀(33)
109 8四角(48)
110 5八歩打
111 4九飛(59)
112 5四飛(51)
113 5六歩打
114 8八歩成(87)
115 5七玉(46)
116 8七と(88)
117 6二角成(84)
118 5九歩成(58)
119 同 飛(49)
120 5五歩打
121 6六玉(57)
122 5二金(41)
123 7二馬(62)
124 7四歩打
125 6四金打
126 同 歩(63)
127 5四馬(72)
128 6三銀打
129 3六馬(54)
130 6五歩(64)
131 同 桂(77)
132 6四歩打
133 3一角打
134 4一金打
135 7一飛打
136 6五歩(64)
137 5七玉(66)
138 4五銀(44)
139 3七馬(36)
140 5六歩(55)
141 同 金(67)
142 5四銀(63)
143 6四角成(31)
144 6三金(52)
145 3一馬(64)
146 同 金(41)
147 同 飛成(71)
148 2二角打
149 4二龍(31)
150 4一歩打
151 5二龍(42)
152 5六銀(45)
153 同 玉(57)
154 7七角成(22)
155 4九飛(59)
156 6六馬(77)
157 4七玉(56)
158 3五桂打
159 3八玉(47)
160 5六馬(66)
161 4七歩打
162 3六歩打
163 同 馬(37)
164 4五金(34)
165 同 馬(36)
166 同 馬(56)
167 投了
まで166手で後手の勝ち

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20180727今日の一手(その729);筋の良い手

2018-07-27 | 今日の一手

20180727今日の一手

3月24日の名南将棋大会から、KさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

この将棋は後手の右四間飛車で

42銀を33~44~55銀左とぶつけたのです。面白い構想でした。
銀交換して7筋を攻められたのが問題図です。

☆ 形勢判断をします。

先手の1歩得です。後手は持ち歩がありません。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒銀1枚。
後手の攻め駒は55角76銀で2枚。

総合すれば先手もちです。

☆ 大局観として

角取りに銀を打たれたのですから、角を逃げたいのですがうまく逃げられるかどうか。
あるいは逃げずに角銀交換を受け入れるかどうか。代償としては、角と銀歩の二枚換えだというか、角がさばけて攻め駒になったと主張するかです。
どれもありそうで悩みますね。できるなら筋の良い手を優先して、比較検討するしかなさそうです。


△ 56歩は22角

の位置が良いかどうかは微妙なところですが、角を引かれます。これはどの変化でも出てきて、どれかに合流しそうです。


× 角を逃げる手を考えてみます。実戦は88角でした。当然87銀成

これで88成銀同飛で飛車をさばく手を期待したのです。催促する手はないので、37桂42金上35歩同歩34歩

玉頭に手を付けました。良さそうな手に見えたのですが、78歩が角取り、77角79歩成

桂取りで焦らされます。56歩22角55歩同銀58飛89と95角82飛

駒損でもさばいたという感じはあるのですが、95角の働きは悪いです。33銀同桂55飛と技をかけに行ったら36桂

損した桂馬をここに使われるのが痛いです。17玉(18玉でも)25桂同桂55角

飛車を取られて駒損は広がります。33銀と打てるのでまだ戦える形ですが、逆転することはありませんでした。
88角は角を取らずに87銀成~78歩で駒損していくのでうまくないようです。


× 95角と逃げたら

94歩84角82飛には73銀

しかありません。73同桂同角成87飛成88歩81竜

先手の駒損で、67銀打48飛66角という順と62銀から馬の捕獲の順の2つの狙いを防ぎきれません。これは後手有利です。


△ 86角だと

87銀成は95角94歩84角82飛73銀同桂同角成

後手の87飛成を消しているのでうまくいきました。

後手は87銀成の効果がなくて65歩

74歩66歩56歩22角73歩成同桂74歩

やはりこの筋で反撃することになります。67歩成73歩成65飛

74銀66飛69飛か、単に69飛かというところでしょう。先に桂を取っているので形勢互角です。


× 角を逃げないで37桂と待ったとしたら65歩

取るわけにもいかず、反撃は74歩しかありません。長いですが77銀成同桂66歩73歩成同桂74歩67歩成73歩成66飛

まで進むところでしょう。68飛を逃げるしかなくて駒損になりそうです。小駒だけの持ち歩なしで4枚の攻め駒というのは攻め足が遅いので後手もちでしょう。

65歩の時に88角87銀不成(あるいは銀成)

と一度逃げておくのが工夫です。74歩66歩73歩成同桂74歩88銀不成73歩成

うまくいったようなのですが、64飛とかわされた時に歩切れで88飛~84飛とできません。64飛に76桂が仕方なく、65飛88飛67歩成84飛58と

58同金69飛成69銀打66角

39角18玉58竜が詰めろになる形です。最初の37桂を別の手にしておけばもう少しましかもしれませんが、76桂と使う感触が悪くてうまくいきません。


○ 何度か出てきますが74歩

というのが反撃の筋です。角を逃げないで突きだすのが一番早いタイミングですね。77銀成同桂65歩同桂

というのは一番歓迎するところでしょう。(65同銀同歩77角成はまだ難しいですが。)

単に65歩ならば

95角66歩84角

82飛には66角、65飛には56銀、64飛には75銀~66銀という調子です。

77銀成同桂72飛なら

重いですが83銀71飛56歩22角82銀打51飛91銀成(あるいは不成か)

歩を渡さないように駒を取りに行きます。角と銀香歩の三枚換えですからゆっくり指せばよくなっていくはず。後手の飛車を封じてあるので何とかなるでしょう。

77銀成同桂を入れずに72飛なら

83銀71飛95角

65歩84角66歩同角という調子です。

× 我慢するのは78銀で

角を取られても傷を作らないという意味です。角と銀歩の二枚換えだというのですが、77銀成同銀65歩

後手は歩を手に入れられるのでまずい感じです。56歩22角65歩同銀63歩同飛72銀

62飛63歩72飛65飛ならばまだ指せるかもしれません。64飛81銀成66歩91成銀67角

桂香を取っても駒損を回復されそうです。
こういうのは角と銀の性能の差が出ていて、91成銀が91馬ならば先手が指せるのですけれど。


△ 我慢ついでは56金と出て

22角に78銀77銀成同銀

これなら65歩はありません。角と銀歩の二枚換えだというわけです。後手が歩を手に入れるまでは難しいのですが、いつまで通用するかよくわかりません。

56金22角に74歩

だと別の展開です。これは先手玉が薄くなったので後手も63金と守りやすくなり、77銀成同桂63金45銀

くらいでしょうか。難しい戦いです。


☆ まとめ

角銀交換を恐れないならば、得した歩の筋を突きだすのが筋の良い手です。これが一番歩得を生かす指し方になります。形勢が良ければ一番先に考えてみましょう。

角の逃げる場所は悩ましいです。どれが正解かは考えないとわからないのですが、
88角は87銀成~78歩があって駄目でした。
95角は94歩84角82飛という筋にはまってダメになることがあります。
86角が正しいとは思いませんでした。

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