名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190220

2019-02-20 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


これで後手よしです。
A 68銀 B 45桂 C 68歩成

第2問


あわてず攻めます。
A 57桂成 B 28銀 C 28歩

第3問


先手玉を上に引っ張り出した意味は?
A 34歩 B 44馬 C 32飛

第4問


実戦ならば相当焦りそうです。
A 49銀 B 68銀 C 94銀

第5問


返し技が(どれも)ありそうです。
A 56歩 B 53同馬 C 15馬

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1167);相振り飛車(升田幸三)

2019-02-20 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190220
昭和39年11月、升田幸三先生と第3期十段戦第3局です。

大山先生の三間飛車ですが、態度を決めるのが早いですね。

升田先生は6筋の位を取り

中飛車に。大山先生の相振り飛車は珍しく、最強の兄弟子相手だと変わった戦型もあります。

大山先生が3筋の歩を切れば(後に居飛車をもって3筋の歩交換は構わないという指し方をするので、これも珍しい感じを受けます)、升田先生は右銀を48へ。玉の囲い合いにはならなさそうです。

右銀は57へ。44銀と備えられると46銀~55歩なんて指し方は選びにくいでしょう。

6筋の継ぎ歩攻めでした。

6筋での小競り合いで

升田先生は1歩損しているので、右銀を繰り出して

1歩取りかえします。65を押さえて

銀交換、68金と締まっておきます。ここでは玉の安定度から後手もちでしょう。

大山先生は角をぶつけました。

升田先生は角交換から45角

馬を作ります。大山先生の34角は思い切った手で

飛桂交換ですが、67歩を打てるから攻めは続くと主張します。

68銀だけでは寄せきれないので左桂を跳ねました。升田先生は駒得です。45桂だけ受けておけば悪くはなかったでしょう。

75馬は受けの手ですが、45桂を許すのでは大損です。

31飛から寄せ合い勝ちを読んだのかもしれませんが、馬を追われて

桂馬のお代わり攻めがあり、形勢を損ねました。

大山先生は少し駒損ですから、ゆっくり攻めていきます。37桂に

同桂成同玉45桂28玉は良いとして、銀を打って二枚換えは正しいのかなあ?

99香を拾って、駒損はほぼ消えました。玉の堅さだけ有利です。29飛と55馬がねらいで

38銀には55馬から決めに行きます。

香を捨てて飛車を打ち

上から押し返して

26銀も37銀で寄り筋ですね。

29桂の受けには、やはりゆっくり28歩があって(升田先生としては28玉と逃げたら少し違うのかも)優勢を保ちます。

升田先生は銀金を打って粘ります。

玉を上にかわして

一息つきました。

でも28と は地味に痛いです。香を打って反撃を始めます。

金を目標に駒を配置していき

ちょっと盛り返しました。

84馬の守備力が強いですが、攻めの形になっていきます。

大山先生は銀を打って催促、崩れませんね。

端玉で74桂を避け、85銀や65桂をねらいます。

升田先生は85銀の先受けで馬を引いたのですが、65桂をうっかりしたのかも(72香成があるので)。

一段落してみると駒損が響いています。

またも金を追い

75香と交換になり

金を打って

攻めていってどうか。

馬取りで手が続きそうですが

大山先生はあっさり馬と金を交換して52香。攻防になります。

升田先生はやむなく竜を捨て桂を使いますが、望みは入玉くらいです。

大山先生は飛車を打ち込み、角を打たれても

馬を消せば寄せが見えます。

上に逃がさなければよく

しっかり守って

ここまで。

升田先生がずっと思わしくない形勢なのですが、手は続くので188手の熱戦になりました。手将棋だと互いにミスしやすいのですが、45手目45桂を許したところが不可解です。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/11/19
手合割:平手  
先手:升田幸三9段
後手:大山十段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3五歩(34)
5 5六歩(57)
6 3二飛(82)
7 7八銀(79)
8 4二銀(31)
9 6七銀(78)
10 6二玉(51)
11 6五歩(66)
12 7二玉(62)
13 9六歩(97)
14 5四歩(53)
15 6六銀(67)
16 5三銀(42)
17 5八飛(28)
18 3六歩(35)
19 同 歩(37)
20 同 飛(32)
21 4八銀(39)
22 1四歩(13)
23 5七銀(48)
24 4四銀(53)
25 6四歩(65)
26 同 歩(63)
27 6五歩打
28 5三銀(44)
29 6四歩(65)
30 同 銀(53)
31 9七角(88)
32 3一角(22)
33 4六銀(57)
34 8二玉(72)
35 4五銀(46)
36 3五飛(36)
37 5四銀(45)
38 5二金(41)
39 6五歩打
40 5三銀(64)
41 同 銀成(54)
42 同 金(52)
43 6八金(69)
44 5二歩打
45 5五歩(56)
46 6三金(53)
47 3一角成(97)
48 同 飛(35)
49 4五角打
50 7二銀(71)
51 2三角成(45)
52 3四角打
53 2二馬(23)
54 8九角成(34)
55 3一馬(22)
56 6七歩打
57 5七金(68)
58 3三桂(21)
59 7五馬(31)
60 4五桂(33)
61 3一飛打
62 7四金(63)
63 8六馬(75)
64 5七桂成(45)
65 同 銀(66)
66 4五桂打
67 4八玉(59)
68 2八歩打
69 3七桂(29)
70 同 桂成(45)
71 同 玉(48)
72 4五桂打
73 2八玉(37)
74 3七銀打
75 同 飛成(31)
76 同 桂成(45)
77 同 玉(28)
78 9九馬(89)
79 3八銀打
80 5五馬(99)
81 4六銀(57)
82 3六歩打
83 同 玉(37)
84 3二香打
85 3五歩打
86 同 香(32)
87 同 玉(36)
88 3二飛打
89 3四歩打
90 4四馬(55)
91 3六玉(35)
92 3四飛(32)
93 3五歩打
94 4五金打
95 3七玉(36)
96 3六歩打
97 4八玉(37)
98 4六金(45)
99 同 歩(47)
100 3五飛(34)
101 2九桂打
102 2八歩打
103 4五銀打
104 6六馬(44)
105 5七金打
106 8四馬(66)
107 4七玉(48)
108 2九歩成(28)
109 3六銀(45)
110 3二飛(35)
111 3三歩打
112 同 飛(32)
113 3五歩打
114 6八歩成(67)
115 同 飛(58)
116 2八と(29)
117 7五香打
118 6七歩打
119 5八飛(68)
120 6五金(74)
121 7七桂打
122 5五桂打
123 3七玉(47)
124 3八と(28)
125 同 金(49)
126 6四金(65)
127 6五歩打
128 5四金(64)
129 6六桂打
130 5三金(54)
131 8五桂(77)
132 2三飛(33)
133 5六歩打
134 9四銀打
135 7三桂成(85)
136 同 桂(81)
137 5五歩(56)
138 9二玉(82)
139 7七馬(86)
140 6五桂(73)
141 6七馬(77)
142 2五桂打
143 4七玉(37)
144 5七桂成(65)
145 同 飛(58)
146 2一飛(23)
147 5四歩(55)
148 6四金(53)
149 6五歩打
150 同 金(64)
151 7七桂打
152 6四金(65)
153 6五歩打
154 7五金(64)
155 同 歩(76)
156 同 馬(84)
157 7四金打
158 4二馬(75)
159 6四歩(65)
160 7三歩打
161 6三金(74)
162 6二歩打
163 5三歩成(54)
164 同 歩(52)
165 同 金(63)
166 同 馬(42)
167 同 飛成(57)
168 5二香打
169 6五桂(77)
170 5三香(52)
171 同 桂成(65)
172 6九飛打
173 5八角打
174 6七飛成(69)
175 同 角(58)
176 6八角打
177 5七歩打
178 5五金打
179 7四桂打
180 同 歩(73)
181 同 桂(66)
182 7三銀打
183 2五銀(36)
184 5六歩打
185 同 角(67)
186 同 金(55)
187 同 玉(47)
188 7四銀(73)
189 投了
まで188手で後手の勝ち






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20190220今日の一手(その833);良い手の感触

2019-02-20 | 今日の一手

20190220今日の一手

11月25日の名南将棋大会から、UさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
後手が馬を作っている分だけ駒得です。
玉の堅さは同等です。
先手の攻め駒は88飛は良いとして、72角は働きが悪く、66銀は桂を取ることで働きそう、2枚くらいとしておきます。
後手の攻め駒は86馬65桂で2枚です。
総合すれば互角か後手もちです。

☆ 大局観として
後手に馬を作られただけ損ですから、何か戦果を上げたいところです。飛車が向かい合って間に後手の馬があるのですから(ピンの状態)、先手のチャンスです。
66銀64銀の働きが同等だとして、89桂65桂の働きに差があります。左桂をさばきたいところです。


× まず86飛と切って

86同飛に97角が見えるかもしれません。(私はずっと気が付きませんでしたが。)89飛成64角29飛

17玉19飛成18銀打29竜右

25桂打~18竜左同銀26銀という詰めろで、28に埋める駒がないから必至です。この二枚飛車の攻めが厳しいのです。


× 実戦は65銀、桂を取りました。

後手としては87歩48飛65飛

とするのがわかりやすい応手でした。

実戦では65同銀77桂打

87歩48飛82飛63角成76銀

両取りを2枚とも逃げられては劣勢です。

77桂打ちではなく77桂と跳ねて

82飛に86飛

86同飛65桂89飛成39銀

こうなれば駒得を主張できました。(飛2枚の後手のほうがわかりやすいかもしれませんが。)


○ 97桂として

82飛83歩72飛86飛


あるいは97桂に84飛と逃げて85歩82飛86飛72飛

角馬を取り合うのは互角です。

先手としては82飛に馬を作る方を選ぶべきかも。(最初に後手が82飛と逃げているとこの図の85歩がありません。)64銀が不自由で、86馬の動きに制限がある分だけ先手が指しやすいです。

後手は97桂に87歩を打つ変化を選べます。

85桂88歩成と取り合って、61角成が良い手です。

飛打ちから43馬をねらい、42金引とかわせば35歩から攻められます。玉の囲いが同等なので、こういうわずかな差が大差になりやすいです。


△ 77桂もあって

87歩85桂は前にやった変化と同じで先手よし。77同桂成が普通の応手で、77同銀87馬89飛88歩79飛

先手は駒を取られないのですが、飛銀の働きが悪いので後手もちです。


○ 63角成は

72角を打った継続手で、64馬や74馬をねらっています。87歩48飛84飛85歩

馬では取れないので74馬と使えます。

87馬は

97桂83飛を利かせてから87飛

87同飛成64馬77桂成

飛と角銀の交換に成功しています。これで有利かと言えば結構難しくて、54歩同歩41角

というのが寄せの手筋ですが(42金引同馬同金31銀同玉23角成という攻め筋)、89竜32角成同銀31銀13玉

29飛が厳しいので39金打では後手玉を寄せている感じがしません。成桂を寄せられそうです。

77桂成を同銀

あっさり取ってしまい、77同竜41角79竜39桂

このほうがすっきりしています。(66銀が桂に替わって守りに使えた。)後手は銀を持ったので53銀か42銀と埋めて長い戦いですが、少し駒得です。


× 後は45歩くらいです。

87歩44歩42金引48飛

76馬63馬67馬

65銀同銀とするしかなく、駒損で97桂の働きがないので先手不利です。


☆ まとめ
左桂が使えていないので、どこかで77桂と使うのが理想です。それがうまくいかないのならば97桂として取られにくいようにしておきます。すぐに指すか、変化の中で指すかという違いがあっても、振り飛車党ならば自然に指が向かわないといけません。ここでは後手にだけ右桂を使われているのでなおさらです。
また88飛と85飛の働きの差は念頭に置くとして、86馬と72角の働きの差、66銀と64銀の働きの差が気になります。簡単に言えば、攻め駒となるべき飛角銀桂の働きの差です。玉の囲いが同じなので、これら攻め駒の働きが勝敗を分けます。
対等の交換にするか(さばき合い)、相手の攻め駒を取るか、遊ばせるか遊んでしまうか、そういう読みの力です。
読みが不得意ならばこういう戦型は避けたいのですが、やむを得ない場合は感触の悪い手を指さないことです。どれが良さそうな手で、どれが悪そうな手というのは棋譜を並べると身についてきます。

実戦の65銀はいかにも感触が悪く、その後の77桂打も跳ねる手から考えるべきです。
単に77桂はないか、だめなら97桂はどうか、63角成~64馬は気持ちが良さそうだ、という選び方です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする