名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190222

2019-02-22 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手を考えます。

第1問


65歩同銀と捨てて、動き出します。
A 45歩 B 35歩 C 42角

第2問


中央をねらわれました。受けずにさばき合いを選びます。
A 33桂 B 48歩 C 24飛

第3問


後手玉が詰みか読んでみましょう。
A 62桂 B 85桂 C 69飛成

第4問


これで後手勝ちになるのです。
A 72金打 B 82銀 C 42角
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大山将棋研究(1169);向い飛車に急戦(下平幸男)

2019-02-22 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190222
昭和39年12月、下平幸男先生と東京新聞杯です。下平先生は大山先生と同年代(一つ下)なんですね。

大山先生の向い飛車ですが、26歩の形です。

振り飛車から急戦はないけれど、居飛車はどうやって攻めたものか。下平先生は桂を跳ねて急戦を目指すのですが

32飛とされると47金も仕方なく

66銀~55歩同歩同銀をねらいました。大山先生は65歩と反発して

角交換を挑み、3筋からさばこうとします。

下平先生は77桂で角交換を避けましたが、大山先生は角を上がり

石田流のような軽い形です。後手からの攻めもなさそうなので、私が先手ならば75歩から位取りにしそうです。

下平先生は5筋から攻めます。

24飛~26飛から侵入されますが、右桂を成れて

馬を作ればまあまあでしょう。

85桂は強い手ですが、85同桂99角成58金というのも馬を殺せるのでないことはないです。66金77桂成同玉85桂86玉は少し怖いです。下平先生は55飛と切って

少し駒得です。33桂も取ってしまい

駒得なので59桂と受けて悪くはないはず。

55馬として69金を取らせたのは後手玉に詰みありと見たのでしょう。先手玉は詰めろです。

ところが詰みません。57角が攻防で、84銀73馬ならば詰めろ逃れの詰めろです。でも後手から85桂を打たれると詰めろ逃れで馬を取られて失敗。下平先生は57角を打てるから勝ちそうだと読んでいたのかもしれませんね。

失敗に気が付いて、85桂同桂86玉というのは怪しい指し方です。

後手玉は詰めろ、もちろん馬を取られても詰みます。

81金に64角も詰めろ。

73金同角成に、大山先生は42角の王手。歩合いは利かない(53歩同角を入れましたが)、75歩は76金から詰むようです。

53歩同角75金に同角と切って

75同歩76金。85玉ならば詰まないけれど84銀で馬を消されて望みなし。

76金を取れば詰みでした。

長い終盤になりそうなところを、下平先生が詰みありと見たのか、詰めろ逃れの詰めろで勝ちと見たのか、踏み込んだら負けになっていました。残念。
この頃の大山先生の振り飛車は軽いさばきが多いので、少しわかりやすいです。居飛車の急戦定跡が整備されていくにつれ、不思議な序盤が増えていったのでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/12/10
手合割:平手  
先手:下平幸男7段
後手:大山名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 5四歩(53)
9 5六歩(57)
10 4三銀(32)
11 6八玉(59)
12 3三角(22)
13 7八玉(68)
14 2二飛(82)
15 3六歩(37)
16 6二玉(51)
17 9六歩(97)
18 9四歩(93)
19 6八銀(79)
20 7二銀(71)
21 4六歩(47)
22 7一玉(62)
23 5七銀(48)
24 8二玉(71)
25 3七桂(29)
26 5二金(41)
27 2九飛(28)
28 3二飛(22)
29 4七金(58)
30 6四歩(63)
31 6六銀(57)
32 6五歩(64)
33 同 銀(66)
34 3五歩(34)
35 同 歩(36)
36 4五歩(44)
37 7七桂(89)
38 4四角(33)
39 4五桂(37)
40 3五飛(32)
41 3六歩打
42 3四飛(35)
43 5五歩(56)
44 同 角(44)
45 5九飛(29)
46 2四飛(34)
47 9七角(88)
48 2六飛(24)
49 5三桂成(45)
50 2八飛成(26)
51 5二成桂(53)
52 同 銀(43)
53 3一角成(97)
54 3三桂(21)
55 3二馬(31)
56 8五桂打
57 5五飛(59)
58 7七桂成(85)
59 同 玉(78)
60 5五歩(54)
61 3三馬(32)
62 6四歩打
63 同 銀(65)
64 4九飛打
65 5五馬(33)
66 6九飛成(49)
67 7三銀成(64)
68 同 桂(81)
69 7四桂打
70 9二玉(82)
71 8二金打
72 9三玉(92)
73 8五桂打
74 同 桂(73)
75 8六玉(77)
76 7三歩打
77 7二金(82)
78 同 金(61)
79 7三馬(55)
80 8一金打
81 6四角打
82 7三金(72)
83 同 角成(64)
84 4二角打
85 5三歩打
86 同 角(42)
87 7五金打
88 同 角(53)
89 同 歩(76)
90 7六金打
91 同 玉(86)
92 7八龍(69)
93 6六玉(76)
94 6五銀打
95 投了
まで94手で後手の勝ち


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20190222今日の一手(その834);駒を取らせて手を稼ぐ

2019-02-22 | 今日の一手

20190222今日の一手

11月25日の名南将棋大会から、SさんとYさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角桂歩3と銀香の交換です。歩切れが痛いので先手の明らかな駒損です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は54銀と持ち駒銀香で3枚。
後手の攻め駒は持ち駒角桂桂で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
後手の穴熊に対して強攻した問題図ですが、駒損が大きいか玉の堅さが大きいかという評価の重みは棋風によって変わるでしょう。
先手の攻め駒が4枚だったら、あるいは攻め駒3枚でも持ち歩があれば有利なのですが、駒を取る=攻め駒を増やす という手は見つかりません。
駒損で持久戦ではだめですから、攻めの継続を考えねばなりません。幸いなのは後手の持ち駒は守りに向かないので、すごくあわてて攻めなくてもよいということです。とはいえ55銀は取られそうですから、逃げるか取らせるか捨てるかという三択を最初に考えるところでしょう。


× 66銀と引くと46桂

駒損が広がり先手玉が薄くなるのでは望み薄です。逃げる場合ではないようです。


× 銀を捨てて48飛は

55歩45飛54銀

15飛とできない(15同角同香16桂)ので失敗です。


× 1歩手に入れて14歩というのが見えますね。15香は

1歩手に入るし、15同角ならば19香を打てます。うまくいったようですが16桂39玉を決められてから15角とされます。例えば62銀と攻めたとして36桂

詰めろがあるので敗勢です。

15角の時に17銀と受けるのでは

駒を損して受けていることになります。55歩16銀33角14歩12歩

桂を取り返しても継続の攻めが難しいです。


× 18香打ちならば

後手から16桂を食らわないのですが、22玉15香55歩13香成33玉

端を破っても後手玉に逃げ出されると捕まえ切れません。


× 実戦は14香で

21桂54銀同銀43銀

と攻めました。46桂の両取りがあり、勢いで54飛同金同銀成

そんなに悪く見えないかもしれません。でも38桂成同金65角

穴熊的な手段で強攻されて

食いつかれた図は敗勢です。


△ それ以外に端を攻める手は14銀で22玉

普通は小さい駒(香、あれば歩)を14に打つのです。だめなようでも香を持っているので43歩成同金44香同金同銀

ならば戦えそうです。14銀22玉の利かしが得かどうか。(利かしを入れないのは後で書きます。)


△ 実戦の順は14香21桂を利かせてから54銀でしたが、単に54銀と捨てると

54同銀に14歩を打つことができます。

22玉13歩成同玉43桂62角57香

55歩同香同銀同飛22玉

駒損はかなり解消されました。角銀交換くらいです。ここから51銀71角62銀打36桂

駒を取りに行くと後手からも王手飛車の筋で反撃があります。飛車の取り合いで進行して(36同歩46角37桂55角73銀成)、形勢互角くらいです。

あるいは45飛から

35桂同飛同歩45桂24銀53桂成同飛14歩

こんな進行かもしれません。これも互角くらいです。


△ 64銀と捨てると

64同銀に14歩22玉13歩成同玉43銀

46桂34銀成58桂成同金左33歩25桂

22玉43歩成34歩14桂31玉に33桂成(33香もある)13銀44歩

小駒だけですが上から押さえている形なので攻めは切れなさそうです。でも後手から55角が攻防になる(詰めろで43金同歩成33角上をねらう)ので後手が勝ちみたいなのですが、実戦的には先手が勝ってしまうのかもしれません。


○ 単に43銀だと

銀を捨てるというか取らせることになります。55歩34銀成46桂

14歩58桂成同金左25桂26香

急いで13歩成は46角から取られそうです。少しゆっくり上から攻めれば先手もちです。13歩成や43歩成が残っています。


○ 43香は露骨ですが

後手は合駒を打つと51角の利きが止まってしまいます。31金に42銀同金同香成同角43金

かなり筋の悪い攻め方ですが、後手は受けにくいです。反撃を考えるしかなく、24角53金57桂39金69桂成

63金同飛54銀62飛63銀成

飛を成るか取り合いにできる(飛車をさばいた)のが大きくて、寄せ合いは先手有利です。


× 前に少し書きましたが、43歩成と捨てて

43同金44香同金同銀

というやり取りは少し駒得で、取られそうな銀を逃げています。66角43銀不成57桂

後手にも反撃があり、57同飛同角成32銀打16桂

16同香17香同桂16歩19香14香

後手から詰めろが続いて、先手の寄せ合い負けです。


☆ まとめ
銀を逃げるか取らせるか捨てる(刺し違える)かという選択では、取らせるのが良かったようです。相手に駒を取らせている間に手を稼ぐことができました。おとり作戦ですね。43銀55歩34銀成ならば1歩手に入れて43歩成が残ります。

寄せのセオリーで4筋を攻めようと思えば、43歩成(同金44香、書きませんでしたが43同金44銀打は少し損です)、43香、43銀の順番で考えていくものなのですが、この場合は44歩は貴重な攻めの拠点です。どこかで43歩成とする手を含みにしないと、相手に安心されてしまうのです。
43香でも手が続くとは思えませんでしたが、急いで攻めると5筋の銀飛を使えました。


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