名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190218

2019-02-18 | 大山将棋研究
後手番升田先生の手を考えます。

第1問


「ななめ棒金」で攻められていますが。
A 33金 B 34歩 C 55歩

第2問


これでさばけるのです。
A 25飛 B 34同銀 C 33桂

第3問


角取りはどうしますか?
A 75同角 B 26飛 C 45桂

第4問


どう攻めましょうか。
A 57歩 B 49銀 C 38歩成

第5問


桂取りをどうしますか?
A 55角 B 57銀 C 57桂成
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大山将棋研究(1165);中飛車に57金戦法(升田幸三)

2019-02-18 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190218
昭和39年11月、升田幸三先生と第3期十段戦第2局です。

升田先生の中飛車です。

升田先生は端歩を受けないことがあります。穴熊にするのではなくて、早く囲って攻めようという意味です。

金美濃に囲って、大山先生は57金戦法(金立ち戦法)です。升田先生は32金は普通の手(後の定跡書には載っている)ですが、32飛と応じる将棋しか並べたことがありません。

大山先生は66歩と止めたのですが、35歩と攻めるのが普通です。45歩の反発に同金と取れるから、46金と出る(46銀では銀ばさみで失敗)ものなんですがね。

もう少し囲ってから攻めるのかと思えば、ここで仕掛けました。

55歩を突かれて、ちょっと嫌な感じです。

金取りを飛車で受けて、何事もなければ良いのですが。

升田先生は34歩から33桂、25飛をねらっています。

大山先生は17桂で受けるのですが、これでは失敗です。

37歩を取れず(37同飛には45桂)

39歩と謝ります。

升田先生の53金打は手堅いですが、いつもならば攻め筋を探す(あるいは54金で済ませる)ところでしょう。このほうがポカが出にくいです。

大山先生は左桂を跳ねてから

銀を打って65歩のねらいです。

升田先生は角を逃げなかったので駒損ですが、左桂を使えて

57歩を打てれば悪くありません。

竜を作れば、やはり升田先生が有利です。大山先生は底歩で粘り

6筋を攻めるのですが、飛車を殺されました。

6筋を攻めても66歩が欠かせず

たいして厳しくはない攻めです。

升田先生は飛、桂と取り

竜を使って66桂が入り、寄せの体制です。

58桂成ではなく57歩のほうが格好の良い寄せ方ですが

大山先生は55角から桂を取って粘ります。

升田先生があわてなければ逆転はなく

ゆっくり寄せていきました。

75角左に66角を取り

飛車を成ってじっくり攻めます。

大山先生は6筋から反撃して

金をはがし角を使うのですが

46歩に55角を打たれたのは痛かったです。駒を打って46角では勝ち目がなく

77桂の受けには57に桂を成られて

65銀は角を切られて二枚換え。

升田先生は攻め駒が増えたので竜を逃げる必要はありません。桂打ちが詰めろで


66角打には75の角を取り

ここまで。

大山先生の仕掛けがまずく、升田先生が中盤でリードしました。いつもと違う手堅い指し方ができれば逆転しません。完勝でした。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/11/9
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4三銀(32)
9 6八玉(59)
10 5四歩(53)
11 7八玉(68)
12 5二飛(82)
13 5六歩(57)
14 6二玉(51)
15 9六歩(97)
16 7二玉(62)
17 9五歩(96)
18 6二銀(71)
19 6八銀(79)
20 8二玉(72)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 3六歩(37)
24 7二金(61)
25 5七金(58)
26 3二金(41)
27 4六金(57)
28 6四歩(63)
29 5七銀(48)
30 6三銀(62)
31 6六歩(67)
32 7四歩(73)
33 1六歩(17)
34 5一角(33)
35 3五歩(36)
36 同 歩(34)
37 同 金(46)
38 5五歩(54)
39 同 歩(56)
40 同 飛(52)
41 3八飛(28)
42 3四歩打
43 同 金(35)
44 3三桂(21)
45 4三金(34)
46 同 金(32)
47 1七桂(29)
48 3七歩打
49 5八飛(38)
50 8四角(51)
51 5六銀(57)
52 3五飛(55)
53 3九歩打
54 7五歩(74)
55 6七銀(56)
56 5三金打
57 7五歩(76)
58 同 飛(35)
59 7六歩打
60 3五飛(75)
61 7七桂(89)
62 3六飛(35)
63 7五銀打
64 4五桂(33)
65 8四銀(75)
66 同 歩(83)
67 9七角(88)
68 3八歩成(37)
69 同 歩(39)
70 5七歩打
71 5九飛(58)
72 3八飛成(36)
73 3九歩打
74 3六龍(38)
75 6五歩(66)
76 4八銀打
77 6四歩(65)
78 同 銀(63)
79 6六歩打
80 6三歩打
81 6五桂(77)
82 5九銀成(48)
83 同 金(69)
84 5八歩成(57)
85 同 銀(67)
86 6五銀(64)
87 同 歩(66)
88 7六龍(36)
89 7七銀打
90 6六桂打
91 6九玉(78)
92 5七歩打
93 5五角打
94 7三歩打
95 6六角(55)
96 5八歩成(57)
97 同 金(59)
98 6五龍(76)
99 7八玉(69)
100 2八飛打
101 5九歩打
102 5六歩打
103 6九桂打
104 5七銀打
105 6七銀打
106 6四歩(63)
107 7五角(97)
108 6六銀成(57)
109 同 角(75)
110 2九飛成(28)
111 7六銀(77)
112 5四龍(65)
113 5五銀打
114 6三龍(54)
115 6五歩打
116 同 歩(64)
117 6四歩打
118 同 金(53)
119 同 銀(55)
120 同 龍(63)
121 7五角(66)
122 5四龍(64)
123 4六歩(47)
124 5五角打
125 7七桂(69)
126 5七桂成(45)
127 6五銀(76)
128 7七角成(55)
129 同 銀(68)
130 6五龍(54)
131 7六銀(77)
132 8五桂打
133 6六角打
134 7五龍(65)
135 同 銀(76)
136 5八成桂(57)
137 同 歩(59)
138 3九龍(29)
139 投了
まで138手で後手の勝ち



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20190218今日の一手(その832);寄せ合いがうまくいかない時

2019-02-18 | 今日の一手

20190218今日の一手

10月6日の名南将棋大会から、MさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
角銀香歩3と飛金の交換で竜馬の作り合いです。持ち歩はあるのですが、少し先手の駒損です。ただし終盤なので重視しません。
玉の堅さは同程度。先手は戦場から一路遠い利点があります。やや堅いと見るべきかもしれません。
先手の攻め駒は81竜と持ち駒飛金桂で4枚。
後手の攻め駒は67馬93角と持ち駒銀銀桂香で6枚。4枚以上は同等と見ます。
総合すれば互角です。

何手で詰めろがかかるかを数えると、後手玉は41竜同玉53金で詰めろ、2手すきです。先手玉は49馬で詰めろ、2手すきです。先手番なので先手有利です。

☆ 大局観として
寄せ合いの速度計算ができたら、有利ならばそのまま寄せ合いに出ればよいはずです。
ただし相手に攻防の手段を与えてはいけません。攻防の手段というのは、自陣と敵陣に利きのあるように駒を打つのが代表的です。それ以外に持ち駒を入手して速度が逆転することがあります。この場合で言えば、駒をいっぱい渡して詰めろをかけたら先手玉を詰まされた、ということです。
また、後手玉に王手や詰めろをかけたのに、しっかり受けられて3手すきになってしまった、というのもあり得ます。逆に先手の場合で言えばしっかり受けて2手すきを4手すきにするのは良い手段になります。


× 寄せのセオリーで考えていけばよく、まずは一番厳しいのは王手です。24桂や44桂は有効ではないでしょう。22金は

同玉41竜49馬

後手玉は詰めろになっていなくて、先手玉は詰めろなので寄せの速度が逆転しています。


△ 72飛の王手は

42香53桂52金

53桂に49馬とか31金とか(どちらも攻防の手段が生じて先手の勝ちか)も難しい変化ですが、ここまで利かしを入れたとして、後手に香を1枚使わせても攻め駒はまだまだ多いです。

あるいは72飛に52銀打

かもしれません。53歩49馬41竜

33玉31竜32金25桂(これが攻防の手)24玉49銀31金

これは形勢不明です。


× 41竜同玉53金

これならば後手玉は詰めろです。42銀の受けに、例えば43金同銀53銀で詰めろを継続した(42銀に44歩をねらう)時に39銀

飛を渡して銀金を入れ替えると先手玉が詰まされてしまいます。(43金同銀が詰めろ逃れの詰めろということになる。)


× 次は41金をねらう手です。42歩は一番小さい駒です。(41竜の王手を先にやってしまいましたが。)

49馬41竜22玉

ななめ駒がありませんからここまで。先手玉は詰めろで、馬を取っても詰みを逃れていません。


× 53桂は

49馬41竜22玉

42竜の王手が増えますが、13玉で何もなし。


× 53金は

41竜と43金両方のねらいがあります。やはり49馬とされて、41竜22玉

金を使った分だけ損です。

43金22玉

でも後手玉が詰みません。


× 61飛は

52銀打とか71歩とか後手が受ける手段もある(後手有望)のですが、49馬41飛成33玉25桂24玉49銀

先手から25桂を打てると詰めろ逃れになっています。しかし39銀18玉28金17玉15歩

「桂頭の玉寄せにくし」「端玉には端歩」、後手の勝ちです。


× 実戦は44歩で

43銀を攻めました。歩で攻めるのが小さい駒です。49馬43歩成22玉

前に53金~43金としたよりも得なのですが、これでも後手玉は詰まず、受けもありません。


△か× 73飛だと

受けられてもよくわかりませんが、49馬に43飛成同玉41竜53玉

後手玉が逃げ出すルートによっては(42香52銀44玉42竜・・・など)66に追って49銀が詰めろ逃れになる、という変化もあり得ます。この53玉が良い手で、後手玉は詰みませんし、追っても73角の利きを止められません。実戦ならばどう転ぶかわかりませんが、後手も怖いので73飛には52銀打でよくわからない利かしということなのでしょう。


また、73飛49馬に41竜22玉72飛成32香

こちらの追い方は手が続きません。


○ ということで受けるほうが正しいのです。59金左66馬48歩

あるいは48歩が先でも同じかもしれません。

先手玉を安全にする方が良いです。44歩の攻めが消えて、後手も何か受けるのでしょうが、91竜で駒損を回復することもできます。玉が堅い分だけ先手有利という局面です。


△ 58歩66馬

だと57桂とか使うことになるので少し劣ります。


△ 58金打とか

39金打とか

このほうが堅くはなりますが、戦力が減ります。


△か× 75歩も良さそうですが

46香48桂同香成同金56桂49金48銀

歩切れの香打ちで食いつかれるかもしれないので、最後の1歩を使う場所は考えねばなりません。


☆ まとめ
詰めろを続けるには、後手玉を下段に落とす41竜同玉53金しか無いようです。しかし駒を渡すので負け筋になりそうです。
有効な寄せの手筋はいっぱいあるのですが、詰めろが続きません。実戦の44歩が詰めろになるかどうかを読んで、詰まないとわかれば守りの手を指すのでしょう。

次の一手問題などをやりすぎると、詰めろ逃れの詰めろのようなことばかり考えてしまうのですが、実際は自玉に手を入れるのが正しい場合が多いです。また、どうせ自玉に手を入れるならば、寄せ合いに入る前に考えるほうが易しいものです。









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