名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190228

2019-02-28 | 大山将棋研究
先手番本間先生の手を考えます。

第1問


いろいろありそうですが、手筋の攻めです。
A 45同飛 B 24歩 C 44歩

第2問


反撃されましたがB面攻撃があります。
A 65同歩 B 39香 C 72銀

ここからは後手番大山先生の手を考えます。
第3問


入玉を目指して粘ります。
A 15銀 B 28銀 C 75歩

第4問


こう受けるとわかりやすいです。
A 41金 B 24玉 C 34金打
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大山将棋研究(1175);相矢倉(本間爽悦)

2019-02-28 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190228
昭和40年1月、本間爽悦先生と第5期棋聖戦第3局です。

大山先生が84歩をついたので矢倉模様です。

すんなり相矢倉になりました。当時(から今の)感覚では64歩のほうが旧型です。相掛かりだと旧型が5筋を突いて中央位取りを目指し、新型が4筋を突いて腰掛銀を目指す、というのと逆ですね。

互いに四手角を目指すのですが、大山先生のほうが遅くなるので63金と上がらされました。

本間先生はすんなり中央の位を取り

大山先生は手損でも金を戻して、受け気味に指します。

本間先生が仕掛けました。

香交換にするのかと思えば

銀を捨てて44歩。定跡書にありそうな手順です。(先ほどの15同香は後でも良かったのではないかと思いますが。)

桂も使えて

桂香歩歩と銀の交換ですが自信のある攻めでしょう。大山先生は銀を打って

飛角を追い返しましたが、手順に15香を取られているので銀と桂歩3の交換です。駒得ですが攻め駒の数が違うし、玉の堅さも劣るので先手有利です。

攻撃陣を遊ばせては勝てないので65歩ですが、72銀を打たれると

角を取られそうです。歩切れに乗じて45香を打ち

角を助けようとするのですが、67同金直48角成同角同香成では悪いはずです。

角と銀の取り合いにしてもらえました。(なぜか金のほうを取ったのですが。)47歩を打つのは59角を封じようということなのですが

銀を打たれて詰めろ。

でも22桂で耐えているようです。と金を作り、入玉含みで粘ります。

銀を打って飛車を追い

もう一枚銀を打って、駒損ですがとにかく粘ります。

攻める方は と金を作ればよいのです。

26角を捕獲できれば入玉が見えます。

本間先生は角を取られると相入玉の点数が足りなくなりそうです。このあたりでは逆転しているのでしょう。銀を取りに行き

角を助けてまだまだ、と言いたいのですが、先手玉も安全ではありません。

また飛車を追われて

入玉を止められず

相入玉をみせますが

点数が足りないので投了です。

本間先生はストレート負けですが、攻めの強さが光った3局でした。大山先生は第1局第2局とも拾い勝ちです。本局は粘って逆転したというところ。大山先生が無敵の時代でしたが、将棋の内容は完勝ばかりではありません。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1965/01/11
手合割:平手  
先手:本間爽悦7段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 4一玉(51)
13 6九玉(59)
14 5二金(61)
15 5六歩(57)
16 6四歩(63)
17 5八金(49)
18 6三銀(62)
19 2五歩(26)
20 3三銀(42)
21 3六歩(37)
22 5四銀(63)
23 7九角(88)
24 3一角(22)
25 6六歩(67)
26 4二角(31)
27 5七銀(48)
28 4四歩(43)
29 6八角(79)
30 3一玉(41)
31 5九角(68)
32 1四歩(13)
33 1六歩(17)
34 5一角(42)
35 3七角(59)
36 6三金(52)
37 5五歩(56)
38 4三銀(54)
39 5六銀(57)
40 2二玉(31)
41 7九玉(69)
42 7四歩(73)
43 8八玉(79)
44 8五歩(84)
45 6七金(58)
46 8四角(51)
47 4八飛(28)
48 7三桂(81)
49 4九飛(48)
50 9四歩(93)
51 4六歩(47)
52 6二金(63)
53 2六角(37)
54 5二金(62)
55 4五歩(46)
56 同 歩(44)
57 3七桂(29)
58 8一飛(82)
59 9六歩(97)
60 4四銀(33)
61 1五歩(16)
62 同 歩(14)
63 同 香(19)
64 同 香(11)
65 4五銀(56)
66 同 銀(44)
67 4四歩打
68 3六銀(45)
69 4三歩成(44)
70 同 金(52)
71 4四歩打
72 3三金(43)
73 4五桂(37)
74 同 銀(36)
75 同 飛(49)
76 3五銀打
77 1五角(26)
78 4四金(33)
79 4九飛(45)
80 1四歩打
81 5九角(15)
82 6五歩(64)
83 7二銀打
84 3一飛(81)
85 8三銀成(72)
86 6六歩(65)
87 6八金(67)
88 4五香打
89 1九飛(49)
90 6七歩成(66)
91 8四成銀(83)
92 7七と(67)
93 同 桂(89)
94 4七歩打
95 1三歩打
96 同 玉(22)
97 2六銀打
98 2二桂打
99 3五銀(26)
100 同 歩(34)
101 2六角(59)
102 4八歩成(47)
103 5四歩(55)
104 2八銀打
105 6六角打
106 3四金(44)
107 8九飛(19)
108 5四歩(53)
109 7三成銀(84)
110 5五銀打
111 8四角(66)
112 4七香成(45)
113 8五桂(77)
114 5八と(48)
115 7七金(68)
116 4一飛(31)
117 7四成銀(73)
118 4六飛(41)
119 3六歩打
120 6七歩打
121 6二角成(84)
122 4四銀(55)
123 2九香打
124 同 銀成(28)
125 同 飛(89)
126 6八歩成(67)
127 5一馬(62)
128 3六飛(46)
129 3七歩打
130 同 成香(47)
131 1七角(26)
132 2七香打
133 8九飛(29)
134 2八香成(27)
135 6四成銀(74)
136 3三銀(44)
137 4一銀打
138 4二金(32)
139 5四成銀(64)
140 7八と(68)
141 同 金(77)
142 6七歩打
143 6九歩打
144 2五金(34)
145 4五桂打
146 2四玉(13)
147 3三桂成(45)
148 同 金(42)
149 3二銀成(41)
150 1五玉(24)
151 3三成銀(32)
152 2六金打
153 2二成銀(33)
154 1六玉(15)
155 2八角(17)
156 同 成香(37)
157 7三馬(51)
158 3九飛成(36)
159 5九歩打
160 6六角打
161 7七銀打
162 2二角(66)
163 5八歩(59)
164 6六桂打
165 4四歩打
166 7八桂成(66)
167 同 玉(88)
168 3六歩(35)
169 6七玉(78)
170 3七歩成(36)
171 5五馬(73)
172 1三角(22)
173 8八飛(89)
174 6九龍(39)
175 6八歩打
176 7八歩打
177 9八飛(88)
178 7九歩成(78)
179 投了
まで178手で後手の勝ち







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20190228今日の一手(その837);馬の守備力を生かす

2019-02-28 | 今日の一手

20190228今日の一手

11月25日の名南将棋大会から、IさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
金歩歩と角香の交換、馬を作っているので先手の駒得です。ただし相穴熊は金銀の価値が高いので控えめに評価しておきます。
玉の堅さは後手のほうが少し堅いですが、33馬の守備力を考えれば同等くらいです。
相手玉に迫っているものを数えて、先手の攻め駒は持ち駒角銀2枚。
後手の攻め駒は76銀と持ち駒金で2枚。歩を成り捨てればよいので61飛も数えておくのでしょう、ほぼ3枚です。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
まだ後手玉に手がついていませんし、攻めを考える局面ではなさそうです。
後手の65銀が先手の76歩を取って前に出てきたところです。銀を取ってよいものでしょうか?すると後手の攻め駒は1枚です。67歩が と金に昇格することだけ避ければ大丈夫なはず。つまり76銀68金という後手の攻めを受けられるかどうかということです。
もし76同銀と取れないとしたら、持ち駒を打つ方が手堅い原則です。角か銀を自陣に打つ手を考えます。後手の攻め駒は2枚か3枚なので、先手の穴熊が崩れないように受けておけば悪くはならないはずです。


○ 76同銀と取ると

68金が嫌ですが77馬

と引けばただで取られる駒がありません。78金同馬68金

もう一度打たれても慌てずに77馬59金67香

67歩を払って、61飛を封じ込めば楽勝です。つまり後手Hさんの攻めは無理筋でした。


× 88銀とかわして68金

というのは困っています。68同香同歩成同金同飛成69金

後手は59竜から攻めても良いし、62竜からゆっくり攻めても良いです。金角交換でも駒得とはいえないのは穴熊特有の事情です。


× 66銀ならば

大丈夫かもしれませんが、68金同香同歩成同金63香

65歩同香同銀同飛66金

67歩78金66飛同馬68金

食いつかれてかなり受けにくくなります。


△ 実戦は66銀打、持ち駒を打つ方が手堅い原則通りで

一番普通の受け方でしょう。77銀成を先手Hさんは同銀と取らなかったのですが、もう一度76銀66銀打の千日手を恐れたのではなく、48銀58飛57金

飛車を取られるのを嫌ったのだと思います。しかし48飛同金67香

まだ先手の駒得で、後手は48金が攻め駒とは呼べず、61飛を攻め駒として使うには切るしかないです。これは先手有利でした。

さて実戦では77銀成を同桂

と取ったのですが、相穴熊で一番大事な玉の堅さが劣ってしまいました。後手としては46歩同歩48銀58飛47金

飛車を取れば今度は後手有利でした。

それを強引に48銀58飛66飛同馬57銀打

は指しすぎです。57同飛、57同馬、どちらでも先手よしだと思いますが、48飛66銀不成

ここで88銀と埋めておけば形勢不明でしたが、12飛62金寄67香同銀成同金66歩

駒得を急いだので敗勢です。ほぼ飛得なので先手有利ではありませんでした。玉の堅さが大差です。


△ 88銀打は穴熊を固めた手で

77銀成同銀48銀・・・というのは66銀打の変化と同じで先手有利です。変化するとすれば(必要はないですが)77同馬。66銀と打たれた時に

馬を逃げておけば互角くらい。66同馬同飛67香同飛成同金66歩

は難しいところですが、実戦的には攻めるだけの後手のほうがわかりやすいかもしれません。


△ 86銀打でも

77銀成同銀ならば同じことです。


△ 79銀は

77銀成同馬66銀

となるのでしょう。88に銀があるか、79に銀があるかの違いです。同じように実戦的には後手もちなのかというくらい。


○ 57銀と打てば

先手玉から離れていますが、66と68と48の地点をカバーしています。48銀から飛車を取られる手もありません。後手が強攻するならば68金同香同歩成同銀右67歩57銀

77銀成同馬では味消しなので74香か。66銀左65銀77歩

これならば受けきりです。


○ 57角でも良くて

余裕ができれば13角成も見えています。銀でも角でもよさそうです。


△ あとは22角

というのは2枚馬を引っ張ろうとしていますし、13角成も見せています。つまり77銀成同馬48銀58飛57金48飛同金13角成

というのが理想です。

後手に68金を打たれたら

68同香同歩成同金63香

(金をかわすのかもしれませんが)66歩が普通の受けで67歩78金77銀成同桂(同馬と取れなくなった)68銀

39飛77銀成同金68歩成89金

と金を作られたのは嫌ですが、後手も攻めにくい(駒損が影響している)ので形勢不明です。


☆ まとめ
相穴熊は玉の堅さを優先して評価します。
33馬を引き付けられるから堅さで劣っていない、という判断が大事なのです。76同銀68金に77馬

ここに馬を引ければ有利になりやすいです。この図は後手の駒損がひどくて、攻め駒が少なすぎます。堂々と取ればよかったのですね。

それ以外の手としては、銀(あるいは角)を自陣に打っておけばつぶれません。ちょっと変な位置に見えるかもしれませんが、57銀か57角が磐石でした。もちろん背景には77銀成同馬があり、その時にも66銀から馬を追われないということがあります。


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