名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190226

2019-02-26 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


強く対応しました。
A 35歩 B 48飛 C 65歩

第2問


5筋が危なさそうですが。
A 43銀 B 43歩成 C 55銀

第3問


読まないで指せる手ではありません。
A 63金 B 54金 C 62歩

第4問


先手玉は詰めろではないですが。
A 58飛 B 72金 C 53馬
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大山将棋研究(1173);中飛車に右四間飛車(升田幸三)

2019-02-26 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190226
昭和39年12月、升田幸三先生と第3期十段戦第6局です。

大山先生の腰掛銀なんて初めてみました。

升田先生は中飛車で

大山先生は右四間飛車へ。後手の飛車がなければ飛車落ちの将棋みたいなものです。

飛車落ちでは桂を跳ねるのもよくある手ですが

下手ではなく先手としては右桂を跳ねないで3筋の攻めを見るのが筋というものです。

升田先生は64角から

4筋を攻めるのですが、角を追われては無理筋です。74歩をついてあってもあまり良くはならないでしょう。

升田先生は角金交換で指せると見ていたわけではないと思います。

俗に金を打って

桂を跳ねてみると、案外に難しいのだなあと気が付きました。

銀をぶつけ

交換して11角成。57桂成には55香ということですね。58銀79金44飛52銀、やはり先手もちですが、升田先生の選択肢としてはありえたと思います。

飛車を引いておきたいのですが、金取りに角を打たれて

銀を打たれては角と刺し違えるしかないでしょう。

良い勝負だとは思いますが

対抗型の駒得は大きいのですよね。28飛の守りも含めて先手玉のほうが堅いし、寄せ合いは大山先生の勝ちになりそうです。

升田先生は1枚もらえば詰めろになる形で下駄を預けました。

大山先生は香を捨てて(これは影響なし)63金。63同玉61竜62香には54金で55角が抜けます。

升田先生は63金を取れず、61金を取られて

99角成でしたが、後手玉は詰めろです。

先手玉も危なく見えるのですが

金2枚で飛車を取るくらいでは駒が足りません。

詰まないので投了です。

(第2巻では)大山先生は升田先生相手だと変わった作戦を用いることがあります。右四間飛車は大山先生の棋風に合わない気がします。
升田先生が無理な指し方をしたのだと思うのですが、やってみれば大変です。なんとかつながるかという指し方をしたかったのでしょうね。でも平凡(に見えるが実は難しい)に対応されて少し足りませんでした。後手玉がもう少し堅ければなあ。
大山先生は十段位を防衛です。タイトルを全部持っているので防衛戦だけでも大変ですね。


#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/12/25
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:升田幸三9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 4六歩(47)
8 4三銀(32)
9 4七銀(48)
10 5四歩(53)
11 5六銀(47)
12 3二金(41)
13 5八金(49)
14 5二飛(82)
15 6八玉(59)
16 6二玉(51)
17 7八玉(68)
18 7二玉(62)
19 4八飛(28)
20 6二銀(71)
21 3六歩(37)
22 5一飛(52)
23 9六歩(97)
24 3三桂(21)
25 6八銀(79)
26 3一角(22)
27 4七金(58)
28 9四歩(93)
29 3八飛(48)
30 6四角(31)
31 6六歩(67)
32 4五歩(44)
33 6五歩(66)
34 4六角(64)
35 同 金(47)
36 同 歩(45)
37 4八飛(38)
38 5五歩(54)
39 同 銀(56)
40 4七金打
41 2八飛(48)
42 4五桂(33)
43 6四歩(65)
44 同 歩(63)
45 4四歩打
46 5四銀(43)
47 同 銀(55)
48 同 飛(51)
49 4三歩成(44)
50 同 金(32)
51 1一角成(88)
52 5一飛(54)
53 2一角打
54 5三金(43)
55 8六香打
56 7四銀打
57 4二銀打
58 2一飛(51)
59 同 馬(11)
60 5七桂成(45)
61 5三銀成(42)
62 同 銀(62)
63 4三馬(21)
64 5二歩打
65 4一飛打
66 5八銀打
67 7九金(69)
68 5五角打
69 8三香成(86)
70 同 銀(74)
71 6三金打
72 8二玉(72)
73 6一飛成(41)
74 9九角成(55)
75 7二金打
76 9三玉(82)
77 8一龍(61)
78 6八成桂(57)
79 同 金(79)
80 6九銀打
81 同 金(68)
82 同 銀(58)
83 同 玉(78)
84 6六香打
85 6八歩打
86 5八金打
87 同 飛(28)
88 同 金(47)
89 同 玉(69)
90 2八飛打
91 5七玉(58)
92 6八飛成(28)
93 4六玉(57)
94 4八龍(68)
95 4七金打
96 4五歩打
97 5五玉(46)
98 6七香成(66)
99 7七桂打
100 5八龍(48)
101 5六銀打
102 投了
まで101手で先手の勝ち



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20190226今日の一手(その836);強い受け

2019-02-26 | 今日の一手

20190226今日の一手

11月25日の名南将棋大会から、HさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得ですが、終盤なので考慮しなくてよいくらいの差です。
玉の堅さは同程度。後手の32金33銀が少し守りに働いていますが、先手の28飛も働いています。
先手の攻め駒は73馬と持ち駒金金銀桂香で6枚。十分すぎます。
後手の攻め駒は57成銀と持ち駒角金桂で4枚。十分です。

総合すれば互角です。

何手で詰めろかを数えると、後手玉は46香で詰めろ、2手すきです。先手玉は詰めろなのです。(後で書きます。)先手番ですが1手違うので後手有利です。

☆ 大局観として
寄せ合い1手負けですから、攻防の手(この場合は詰めろ逃れの詰めろ)あるいはしっかりした受け(1手すきを3手すき以上にする)ことができれば逆転します。すぐに逆転しなくても、とりあえず詰めろを受ける必要があります。詰めろ(1手すき)を1手かけて受けて2手すきにするわけです。
このあたりのことは何度か書いていますが、寄せ合いの基本理論です。


× 実戦は72銀で

後手玉に詰めろ(ついでに飛取り)をかけました。
67桂49玉に27角

ちょうど詰んでいたのですが、後手のHさんは気が付かず。27角を打たずに59金39玉47成銀

これは詰めろでもありません。後手玉が63馬以下詰んでいるはずですが、なぜか後手玉を上部に逃がしてしまい、大逆転が起こりました。


○ 後手に27角を打たれると先手玉が詰むということがわかりました。なので62金42玉63馬

が好手で、詰めろ逃れの詰めろです。後手から逆転する手段はありません。


では詰めろ逃れの詰めろに気が付かなかった場合はどの受けが良いでしょうか。玉の早逃げから見てみます。
× 49玉は27角

で詰まされます。(27角ではなく47桂の詰めろも受けにくいです。)


× 69玉は

47角79玉56角成

まだ受ける手はありますが、左翼に逃げると97歩成が決め手になりかねません。


× とすれば後手の67桂を避けて、何か駒を打ちます。香を使うならば、69香は47桂

でだめです。


△か× 68香ならば

47桂69玉89角77金56角成67銀

という感じです。左翼に逃げるのが不安ですし、攻め駒が減ったので馬を逃げられて少し悪いです。


△ 79桂は

47角68金56角成67銀

あるいは67金打かもしれません。成銀に当たっているので後手も忙しく、互角くらいです。


× 39桂は

後の27角のほうを受けたわけですが、67桂49玉59金38玉49角

並べ詰みです。やはり67桂のほうを受ける必要があります。


× 58銀は

68に駒を打たれます。68角もありそうですが、68金49玉58金同飛67角

飛車を取られると受けが無くなります。


○ 68銀ならば

79角という迫り方も消しています。成銀取りなので62金の受けは二枚換え(62同馬同玉57銀)になります。67桂同銀62金(67同成銀は詰めろではない)

と受ければ62同馬同玉55桂67成銀64歩

寄せ合い勝ちです。

後手は67桂ではだめだとすると39角

これも詰めろではなく、62金43玉46香44桂63馬

後手玉には詰めろがかかります。必至ではないですが一手一手の寄りです。


△ 48金だと

39角が詰めろ。57金同角成68銀

後手は銀金を交換して馬を作ったので攻めやすくなっています。48金同飛47桂69玉48馬

飛車を取られて詰めろではだめです。

ならば68金のほうが優ります。

67桂同金同馬49香

これは詰めろ逃れの詰めろです。一瞬逆転しますが、後手は69金同玉49馬か、62金と受けるか、形勢不明です。


△ 58金は

58同成銀同玉62金74馬45桂

先ほどの48金ならば同成銀同飛で後手玉が詰めろになっていたのですが、今度は単に清算されそうです。39角もあるので75馬から受けて互角です。


△ 68金だと68同成銀同玉が受けやすい意味があるのですが、79角

が詰めろです。57金同角成以下、48金の変化に合流します。


△か× 78金は遠いですが

79角はありません。47角68金打56角成

金二枚使ったのが不満です。


☆ まとめ
先手玉の詰み筋を読むことが第一です。47桂のほうは詰まないので、67桂49玉27角の筋だけ。
27角を消す62金~63馬で逆転(詰めろ逃れの詰めろ)です。

受けとしては
攻め駒が6枚あるので2枚までは使ってもよいことになるのですが、なるべく強い駒を残したいです。
また後手の攻め駒は4枚ありますから、強い受けのほうが望ましいです。つまり57成銀に当てる手を考えたいのです。
そしてこの時に57成銀よりも弱い駒のほうが後手の攻めが細くなります。香桂銀で受けるのが望ましいのです。(受けとしては危険ですが。)金で受けるほうが簡単ですが、後手が金を持つと攻めやすくなります。
これらの条件から、香、桂、銀と検討して、68銀が最善の受けです。
(互いの条件が絡むので一般化しにくいですが、この問題で論理的に考えるとここに行きつきます。)




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