名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190210

2019-02-10 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


気持ちよく攻めました。
A 53銀 B 45歩 C 55銀

第2問


技をかける好機です。
A 53歩成 B 53銀 C 85飛

第3問


受け方は?
A 39玉 B 49桂 C 47歩

第4問


強い受けでした。
A 58歩 B 55歩 C 55金
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大山将棋研究(1157);陽動中飛車(二上達也)

2019-02-10 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190210
昭和39年8月、二上達也先生と第5期王位戦第3局です。

大山先生は相居飛車を選択、後手は角を交換することはなく、44歩から雁木か矢倉になることが多いのですが

大山先生の左銀が進んでいき

陽動中飛車です。

二上先生は53銀右のタイミングが難しいです。もう少し囲ってからのほうが無難だけれど、大山先生も美濃囲いに入れます。

当然54歩64銀同銀同歩までは進むわけで、大山先生の45歩は良い感触です。

二上先生は55歩を打ってから45歩を取るのですが

派手な手が出ました。

飛角の取り合いです。

大山先生は銀を打って守ってから角を打ち

桂香を取りました。これは優勢です。

56歩~46歩は嫌な手ですが

3枚の攻めですから受けはあります。

切らすのは大変ですが、この歩を取って

反撃します。

二上先生の攻め駒が増えましたね。大山先生は危なくなったようでも

成銀を殺しています。

二上先生は成銀を見捨てて2手すき。大山先生は28銀と打って

受けるのですが、二上先生も食い下がります。36香には38銀成同金27銀

と捨てて

と金を作ります。78竜があるので受けにくいです。多分大山先生はこの順は承知で指していると思うのですが

結構厳しい攻めで

詰めろ、(部分的に)必至です。大山先生は後手玉が詰んでいると読んでいたのでしょう。43馬同銀53銀同玉

これが詰まないのです。

ここまで。

二上先生の鋭い攻めではあるのですが、大山先生のほうからは読みやすいのだと思います。2日制タイトル戦で時間があったのではないかと思いますし、でも後手玉が詰みませんでした。詰まないとわかっていれば変化できそう(87手目35香のところで38銀とか、81手目36香で75歩とか45香とか)なところもありました。
二上先生のほうは自玉が詰まないのをわかっていたのでしょうか?どこで気が付いていたかというのも知りたいです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/08/18
手合割:平手  
先手:大山王位
後手:二上達也8段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 5六歩(57)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 5四歩(53)
7 6八銀(79)
8 3四歩(33)
9 2六歩(27)
10 4四歩(43)
11 5七銀(68)
12 5二金(61)
13 6六銀(57)
14 4三金(52)
15 5五歩(56)
16 同 歩(54)
17 5八飛(28)
18 6二銀(71)
19 5五銀(66)
20 5二金(41)
21 4六歩(47)
22 4一玉(51)
23 3八銀(39)
24 4二銀(31)
25 4八玉(59)
26 5三銀(62)
27 5四歩打
28 6四銀(53)
29 同 銀(55)
30 同 歩(63)
31 4五歩(46)
32 5五歩打
33 同 飛(58)
34 4五歩(44)
35 8五飛(55)
36 同 飛(82)
37 2二角成(77)
38 8七飛成(85)
39 7八銀打
40 7六龍(87)
41 3二角打
42 5一玉(41)
43 6六馬(22)
44 7四龍(76)
45 2一角成(32)
46 6五歩(64)
47 1一馬(66)
48 5六歩打
49 5八香打
50 4六歩(45)
51 3九玉(48)
52 4七銀打
53 4八歩打
54 5七歩成(56)
55 同 香(58)
56 5六歩打
57 同 香(57)
58 同 銀成(47)
59 4四桂打
60 5四龍(74)
61 5二桂成(44)
62 同 玉(51)
63 5七歩打
64 同 成銀(56)
65 5五金打
66 7四龍(54)
67 5八歩打
68 3五桂打
69 5七歩(58)
70 2七香打
71 2八銀打
72 同 香成(27)
73 同 玉(39)
74 4七歩成(46)
75 同 歩(48)
76 4六歩打
77 同 歩(47)
78 4八歩打
79 3九金(49)
80 4七銀打
81 3六香打
82 3八銀成(47)
83 同 金(39)
84 2七銀打
85 同 金(38)
86 4九歩成(48)
87 3五香(36)
88 7八龍(74)
89 同 金(69)
90 4八飛打
91 3八桂打
92 3九銀打
93 1八玉(28)
94 3八飛成(48)
95 2八飛打
96 同 銀成(39)
97 同 金(27)
98 3九飛打
99 4三馬(21)
100 同 銀(42)
101 5三銀打
102 同 玉(52)
103 6四銀打
104 6二玉(53)
105 4四馬(11)
106 7二玉(62)
107 4五馬(44)
108 5四歩打
109 6三銀打
110 8二玉(72)
111 8三歩打
112 同 玉(82)
113 8四歩打
114 9四玉(83)
115 投了
まで114手で後手の勝ち

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20190210今日の一手(その828);攻防の手

2019-02-10 | 今日の一手

20190210今日の一手

10月6日の名南将棋大会から、SさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛銀(歩)と角桂香の交換で馬と金VS竜の作り合いです。先手が少し駒得です。終盤なので重要度は下がるのですが。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は11馬66角と持ち駒桂桂香で5枚。
後手の攻め駒は89竜と持ち駒飛銀で3枚。

総合すれば先手有利です。

☆ 大局観として
先手が劣っているのは玉の堅さだけです。駒得ですから玉を固めておいても構いません。
攻め駒が多いので後手玉の寄せを考えるのも良いです。先手玉も安泰ではないので寄せ合いになります。寄せのセオリーで考えていきましょう。


△ 攻める方から見てみます。33香、24桂、44桂、21馬など王手では早すぎるので36香

後手玉を2手かけて攻めます。後手の反撃は57歩で、34香33歩

では失敗です。

仕方ないので57歩には同角。後手は22銀

と打って99香を取るくらいですが、12馬99竜26桂33香14桂

と進めばまあまあ。
36香だけでは決め手にならないのであまり良い手ではないようです。36香~26桂とあわせて一人前のような感じです。


△か○ 25桂は

33香のねらいです。(44銀には46香があるので25桂のほうが45桂よりも良い。)22銀には同角成同金46桂45角36銀

34桂を実現できれば先手有利か優勢です。

後手が57歩と反撃すれば

33香同桂同馬41玉34馬

竜取りに馬を使うのが好手です。


△ 26香だと

23の地点をねらっています。36香との違いは57歩の時に12馬が利くことで、22銀

を強制できるでしょう。57角99竜91と54香25香打

41玉23香成57香成

これは後手玉が逃げ出すルートがあるので寄せ合い負けです。

25香打のところでは、角を取らせず55歩同香66角

竜取りでかわせば先手よしのようです。79飛とつないだら25香打

66角が守備に利いているので寄せ合いは先手有利です。58香成には23香成の後で58金と手を戻すことができます。



△か○ 46桂は

2手かかりますが34桂~22桂成のねらいです。同時に42銀取りにもなります。33銀では45桂が打てるので、44銀34桂33銀上と受ければ25桂

33銀をかわすのが難しくて、34銀は33香なので24銀44角同歩22銀

というのも寄り筋です。

後手が受ける手段がないとすれば(駒損で受けるのではじり貧です)、57歩

で反撃です。57同角56銀48角57歩68金寄

後手の攻めはこれくらい。角筋がなくなったので受けやすくなり、44銀34桂33銀36香99竜25桂

36香を打ってから(後手が歩切れなので打ちやすい)攻めていきます。先手が指しやすそう。


△ 実戦は22香で

取ってもらえば優勢ですが、33桂とかわされて効果が見えにくいです。46桂

を打ちました。57歩同角45銀26桂56飛49金99竜

34桂右57飛成42桂成同銀57金48香

難しい攻防でしたが、後手の56飛~57飛成というのが良くなかったようです。39金と逃げればなんでもないですが、58銀と打って金を取らせたのが敗着です。49香成同銀左36歩

金を渡して36桂の筋(36同歩ならば24桂)をねらわれ、受けきれませんでした。

後手としては45銀ではなく56銀

と攻めたいのですが、先ほどのように48角から受けるのではなく75角57歩34桂58歩成21香成

と寄せ合いになれば、最初に打った22香が働いてきます。22香は無駄ではないけれど、効果が見えにくい手でした。


× 91と の駒得は

6枚目の攻め駒の意味は薄いです。すでに香を1枚持っているのですし。57歩同角22銀12馬99竜

54香と11香をみられて指しにくくなっています。


△ 54歩同銀

の利かしは得かどうかよくわかりません。


△ 52歩の利かしも

52同金か61金かわかりませんが、歩切れになるということもあり善悪不明です。


△ 64歩同歩の利かしは

69歩で守れます。守りの手と見ればよいかもしれません。


× 15歩ではぬるくて

15同歩ならば大きな利かしなのです。でも端を取り込むと11歩を打たれる

かもしれません。(さかのぼって11角成の前に入っていれば優勢になりやすい突き捨てです。)


○ 今度は受けのほうを見てみます。57香

が攻防の手です。前の変化で何度も出てきた後手からの57歩を防いでいます。後手は2歩しかないので歩の連打はできず、反撃の筋がないのです。55歩か54歩の受けに91と で優勢です。


△ 49金も受けの手で

57歩に48金寄とできるし、後に59歩(底歩)を打てます。つまり69飛59歩44歩

44同角同銀同馬43銀打45馬99竜91と

というくらいの進行です。先手玉が堅いのでじっくりした攻めを考えます。


☆ まとめ
後手玉が金銀4枚なので注意して攻めねばなりませんが46桂~34桂の筋を中心に考えるところでしょう。46桂33銀は45桂があるというのが利点で、後手は駒損や持ち駒を使って受けたくはないのです。
最初に46桂が良いか、36香~26桂(か46桂)が良いか、25桂~46桂が良いか、というのは小さな違いです。

後手からの57歩の反撃がうるさいので、桂か香を打って攻めるのはややこしい攻防を考えねばなりません。「敵の打ちたいところに打て」で57香が攻防で、かなりわかりやすくなります。攻め駒が足りないと思えば91と で香を取れる(角桂だけでは頭が丸いので)というのが心強いです。
攻防の手を指せると形勢は少し良くなります。



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