名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

大山将棋問題集 20190208

2019-02-08 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


どこから仕掛けますか?
A 56歩 B 45歩 C 35歩

第2問


24歩から十字飛車の筋ではありませんでした。
A 72銀 B 53銀 C 46歩

第3問


ここは有力手がいろいろあります。わかりやすい手を選びました。
A 23歩 B 44歩 C 74飛

第4問


74飛をどうするかという判断です。
A 24飛 B 73飛成 C 33歩

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(1155);相矢倉(関根茂)

2019-02-08 | 大山将棋研究
今日の棋譜20190208
昭和39年7月、関根茂先生と第4期棋聖戦第5局です。

大山先生はまたも矢倉です。

古いタイプの4筋を突く矢倉で

関根先生の53銀右というのは、5筋を突く新型の矢倉にしては古い指し方です。

四手かけて73の位置に途中下車して

中央の位を取り

四手角の位置へ。手損しているので攻撃の体制が整っていません。

大山先生が先攻して

関根先生も6筋を突き捨ててから手を戻します。

大山先生の66銀左は47金を攻めに使うためでしょう。関根先生も44銀で角を追いたいのですが

大山先生は角を切って53銀。24歩同歩22歩同金か33桂(22同玉は十字飛車)という利かしを入れませんでした。
これには34金が最善かもしれませんが少し怖いです。

43金引が普通ですが、飛金取りで

金をはがして飛車をさばいたところでは、44歩や74飛をねらって大山先生が指しやすいのかもしれません。

69角にも構わず74飛。

関根先生は角を切って銀を打つのですが

大山先生は飛車を見捨てて攻め続けます。

右桂をさばいて攻め駒は4枚、後手玉は2手すきです。

先手玉が薄いので簡単ではないのでしょう。攻防の38飛には金を打ち

攻め駒は3枚になりましたが、竜を逃げて33金ならば寄っています。

関根先生の86桂は詰めろでも、金を逃げられて詰めろは続かず

角を取られても取り返せません。

44銀の受けに、大山先生は飛車を取り

72飛から上に追うのですが

この金打を取れば

詰みでした。

大山先生らしからぬと言ってはおかしいですが、駒損のようでも先行して有利でした。升田先生の将棋みたいです。
関根先生は中央の位を取るために手数をかけすぎでした。タイトル獲得ならず。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.40 棋譜ファイル ----
開始日時:1964/07/30
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:関根茂7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 6二銀(71)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 4八銀(39)
10 3二金(41)
11 7八金(69)
12 5四歩(53)
13 4六歩(47)
14 7四歩(73)
15 4七銀(48)
16 5二金(61)
17 6九玉(59)
18 4一玉(51)
19 5八金(49)
20 8五歩(84)
21 5六銀(47)
22 5三銀(62)
23 2五歩(26)
24 3三銀(42)
25 3六歩(37)
26 3一角(22)
27 6六歩(67)
28 4二角(31)
29 7九角(88)
30 5一角(42)
31 6八角(79)
32 7三角(51)
33 4七金(58)
34 4四歩(43)
35 5九角(68)
36 3一玉(41)
37 7九玉(69)
38 5五歩(54)
39 6七銀(56)
40 5四銀(53)
41 2六角(59)
42 6二飛(82)
43 3七桂(29)
44 6一飛(62)
45 8八玉(79)
46 6四歩(63)
47 9六歩(97)
48 8四角(73)
49 3五歩(36)
50 同 歩(34)
51 同 角(26)
52 4三金(52)
53 4五歩(46)
54 6五歩(64)
55 同 歩(66)
56 4五歩(44)
57 6六銀(77)
58 4四銀(33)
59 同 角(35)
60 同 金(43)
61 5三銀打
62 4三金(44)
63 5二銀(53)
64 6二飛(61)
65 4三銀成(52)
66 同 銀(54)
67 2四歩(25)
68 同 歩(23)
69 同 飛(28)
70 6九角打
71 7四飛(24)
72 6六角(84)
73 同 銀(67)
74 7三銀打
75 5三角打
76 4二飛(62)
77 3三歩打
78 同 桂(21)
79 3四歩打
80 7四銀(73)
81 3三歩成(34)
82 同 金(32)
83 4五桂(37)
84 3八飛打
85 4八金打
86 3九飛成(38)
87 3三桂成(45)
88 同 龍(39)
89 4五桂打
90 8六桂打
91 7九金(78)
92 3九龍(33)
93 6九金(79)
94 4四銀(43)
95 4二角成(53)
96 同 玉(31)
97 7二飛打
98 5二角打
99 4三歩打
100 同 玉(42)
101 2五角打
102 3四歩打
103 5四金打
104 同 玉(43)
105 5二飛成(72)
106 4五玉(54)
107 3六角(25)
108 同 龍(39)
109 5四角打
110 投了
まで109手で先手の勝ち

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20190208今日の一手(その827);意地悪

2019-02-08 | 今日の一手

20190208今日の一手

10月6日の名南将棋大会から、MさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と金歩の交換で馬を作っていますから、先手が少し駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は32馬と持ち駒金桂で3枚。49飛も働くかもしれません。
後手の攻め駒は38角と持ち駒桂で2枚。

総合すれば先手優勢です。

☆ 大局観として
先手が3つの要素で上回っています。さらにどの要素を広げていくべきかはうれしい悩みです。
飛車取りに角を打たれましたが、取られても構わないところです。取らせるか(ならば何が有効か)逃げるか、どちらでもよさそうなのです。
飛車を取られる(飛角交換)と持ち駒が増えるあるいは飛車をさばいたとみても良いのですが、攻め駒が4枚になります。
飛車を逃げておいてゆっくり攻めるのもよいでしょう。駒得ですから。
優勢なので正解となる手がいくつか出てくるでしょう。


× 飛車を逃げない手から見てみます。43金と打ち込むと

すぐに清算すると駒の数は足りています。でも49角成同銀

ここから43で清算して馬取りで返されますから筋悪でしょう。


○ 62金も筋悪のようですが

飛車を取れれば寄せやすくなります。81飛には72歩を打てるのです。72同銀52金

金駒を1枚得する順が待っています。もちろん有利は拡大しています。(後手玉が少し堅くなったという面はあります。)


△か○ 66桂が実戦の手で

49角成に54桂58馬62桂成

と切り込みました。68馬同金

この図は先手玉がかなり薄くなっています。攻め駒が増えたとはいえ寄せ合いは互角くらいです。多分この図で76桂を打たれ、32馬で取れるのを気が付かず77銀68桂成同銀68金79金48飛

という進行で、先手玉が詰めろ。1手違いの寄せ合いのミスで負けになりました。

49角成には同銀と取るのが正しくて

飛車を打ち込まれてもたいしたことはないです。65銀ならば62金81飛43歩成

清算して63金があるので二枚換えの取引です。これならば優勢を保てました。


△ 45桂とすると

44金に62金71飛72歩

として駒得になるのは同じことです。ただ45桂は取られてしまいそうなので少し劣ります。


△ 飛車を逃げるほうが普通の考えで、39飛とすると

65角成に66金で

馬を殺せます。(私は両取りは見えないですが、駒得になる手は見えてしまいます。)ただ46桂と打たれると無傷では取れません。65金58桂成54金68成桂同金54銀

派手に取り合うとここまで進みます。先手玉が薄くなったので自信なしと思ったのですが、攻撃力が増しているので66桂63銀62銀

寄せに出れば勝ち筋ではあります。


△か○ 48飛が普通の逃げ方で

飛車を引き続き攻めに使えます。65角成77桂75馬62金56桂

両取りを打たれる傷があります。でも71金同玉31飛で優勢を保っています。


○ 46飛が無難で

後手は歩切れで45歩の受けがありません。これでも65角成くらい、77桂29馬43金

と俗に攻めても良いですし、

62金81飛43歩成

という攻めでも良いです。


△か× 横に逃げる手は、69飛46桂

銀を逃げるところがないので少し失敗です。


△ 59飛61飛

というのは決め手がよくわかりません。駒得なので長引いても大丈夫ですが。


× 95歩は

後手が歩切れなので端攻めの受けがなさそうですが、76桂69金95歩93歩65桂

後手玉が広くなった感じで少しまぎれています。


× 72歩同飛

ではお手伝いです。有効な利かしではありません。


☆ まとめ
優勢な局面で安全に勝とうと思えば、少し意地悪な手を心がけると良いでしょう。
後手は歩切れなので飛車を縦に逃げておけばわかりやすいです。48飛と当てる必要もなく、46飛で十分です。
飛車を取らせるならば、すぐに62金を打つ(これも後手が嫌なところ)か、66桂で飛車取りを催促しつつ銀取りを残して手番を得るか。

きれいに勝とうとして、実戦のように66桂49馬54桂58馬62桂成、と斬り合うのは1手違いの寄せ合いです。読みに自信があるときだけにしましょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする