20171123今日の一手
8月6日の名南将棋大会から、JさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は77角64銀の2枚で68飛も加わりそうです。
後手の攻め駒は33角と62飛の2枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
居飛車穴熊は堅いのですが、攻撃の糸口を見つけるのが大変です。問題図では角交換を挑まれましたが、飛角だけの攻めですからあまり怖くはありません。
先手は64銀が不安定な感じがするのですが、どうやらただ取りされるような筋はなく、銀が戦線に加わっている分だけ優位にすすめられるはずです。
角交換するかしないか、先手から角を換えるか後手から換えるか、都合3通りの選択があります。
4筋で歩がぶつかっていますが、歩で取るか桂で取るか取り込ませるか、ここも3通りです。
63銀成か63銀不成か63歩か、保留もありますがここも3通りくらい。
最大27通りの組み合わせですが、考えるべきは先手玉の堅さです。穴熊よりは劣っているとはいえ、出来るだけよい形で終盤を迎えたいです。
× 実戦は55歩と角交換を避けました。
46歩同金24角
こちらから角を使われてみると、先手の角筋が止まっているのでかなり嫌な形です。受け方も難しくて、35歩同歩63歩92飛48飛
飛角銀の働きが弱くなっています。36歩25桂45歩36金57角成
これではっきり後手有利です。45飛34金54歩45金同金66歩
飛金交換で角を使おうとしたものの、止められてしまいました。53歩成があるとはいえ、逆転のチャンスはまわってきませんでした。
○ 33角成と先手から取ると
33同銀右(か同金)で取ると、45桂42銀(か43金)63銀成92飛
53に利きが残るように、また飛先が軽くなるように63銀成が良さそうです。92飛は71角を避けた逃げ方です(63歩だと82飛71角72飛という余地もある)。ここで71角67歩同飛78角64飛89角成84飛
で81飛成や53桂成を狙うのと
77桂と跳ねておいて
78角の筋を緩和して、44歩53桂成同銀同成銀同金61飛成
という指し方がどちらもありそうです。右桂がなくなりますが、高美濃が残っているので先手玉がまだ堅いことに注目しておきます。後手の穴熊は金銀2枚だけ(53金と離れて行く)なので玉の堅さはかなり接近しています。飛車の働きに差があるわけですから、先に駒損しても先手よしとみてよいでしょう。
最初に戻って33角成を同桂なら
45桂とは使えません。45歩46歩48金引
後手を引いて拠点を作らせるのはしゃくなのですが、穴熊も薄くなっています。79角に65飛88角成63銀成
82飛なら71角、92飛なら85飛、と指して悪くないでしょう。
また79角に63歩
とすれば78飛が残るので勢い飛車の取り合いです。68角成62歩成35歩44歩同金52と
これはパンツを脱いだ穴熊ですから と金攻めが大きいです。
○ 45同桂ならば後手から角を換えることになります。
77角成同桂79角65飛88角成66角
44歩はあっても、63銀成82飛53桂成同銀同成銀同金61飛成
45歩とか75角とかがありますから、駒損でも悪くはありません。
後手が79角ではなく44角ならば
63歩77角成62歩成68馬52と
桂を取られても銀を取り返せますからこれも有望です。
△ 後手から角を換えさせる方針で45同歩だと
77角成同桂33角63銀成77角成64飛
は互角くらい。
途中33角に63歩だと
後手が飛車を逃げると67飛と受けやすくなるので取り合いです。77角成62歩成68馬52と46桂
という順か、後手は最後の46桂で24桂42と同金引25銀
という順か。銀を取っても桂銀交換だけですから、堅い穴熊に受けるだけの展開は望ましくありません。
× これも後手から角を換えさせるつもりで63銀成だと
46歩48金引の後、82飛なら33角成同金71角
は先手よしか。
92飛に65飛と浮いて
77角成同桂に35歩が嫌な筋です(桂頭をカバーするために65飛と浮いたのですが)。35同飛44角85飛93桂
飛車は成れても77角成~24桂が厳しいです。
× 63銀不成でも
63銀成の変化と大きな違いはありません。45桂~53桂成の変化、65飛~85飛に74角と打たれる変化、のようになると違いが出てくるのですが。
△ 63歩だと
77角成同桂46歩に同金
と頑張ることができます。57角69飛46角成62歩成、というのが何とか指せそうです。
82飛に65飛と浮いて両取りを避けておきます。79角
くらいでしょう。47金46歩48金引88角成66角99馬44歩
はまあまあとはいえ47香が残ります。
79角の時に47銀
と受けて、88角成66角99馬44歩33金45桂32金引53桂成
と攻めるほうが良さそうです。これは先手よしかも。
○ 65飛を先にして
先ほどの63歩の変化に合流させる方が紛れが少ないです。もちろん46歩に同金と取ります。同じ図ですが
これを目指します。
☆ まとめ
居飛車が玉を固める指し方(居飛車穴熊とか四枚美濃とかミレニアムとか)は戦力が不足します。振り飛車の左銀が左翼の小競り合いに参加していれば、左翼では少し有利な形になるはずです。
(これは普通の振り飛車に居飛車が急戦で挑むのとは逆の展開です。両方の感覚が必要なので振り飛車は難しいです。)
それでも玉の堅さの差は終盤でものを言います。勝つためには中盤で少しでもその差を詰めておくことです。居飛穴には端攻めで金銀の連携を崩す、というのはよく出てきますね。
この問題では端攻めがないのですが、左翼では少し有利(飛角銀と飛角の小競り合いです)なので、なるべく美濃囲いの堅さを保って終盤にもっていきたいのです。右桂を跳ねていることもあり、46歩48金引という形にはしたくないです。
よって45桂と取る形で良くならないかと考えたいです。33角成を入れてから45桂か、単に45同桂か、という比較を考えます。
気が付きにくいですが、65飛46歩同金も成立していました。
第1問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/05/e050270dabfc28c3e3c478c4edb4a2ec.png)
棒銀の受け方もいろいろあります。ここでは
A 98香 B 55歩 C 45桂
第2問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/f5/2ee03978268773ddcf12a7cea4d2897d.png)
ここは気持ちよく指せます。
A 74歩 B 45桂 C 77桂
第3問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/60/15/e757073075f46f25e8b38c830762a082.png)
ここは俗手で。その先のことを考えてみましょう。
A 44角 B 52銀 C 77桂
第4問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/06/00c10fedf7f24bc190c78e353d24f788.png)
歩を成り捨てた意味は?
A 44角 B 53金 C 77桂
昭和58年3月、二上達也先生と第41期名人挑戦者リーグです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/13/9d997fe965880c7f9289aa9100a93358.png)
大山先生の先手三間飛車ですが、二上先生は急戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/a6/428c4dc2fabaa44a832d8bfe3a9b6fb0.png)
歩を突き捨てる急戦かと思いましたが、棒銀に。後手番、対三間飛車、94歩、ですから普通の定跡よりは3手遅れています。これではうまくいかないでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/cc/507ebea476373390d522716543741701.png)
大山先生は手が進んでいるのですが98香も指しません。どうするのかと思ったら
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/95/4d0dd804633ad1fd2b717d7e21573322.png)
48角から55歩でした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/ce/e2cd6f846c40a7d928a3fd655c64a50f.png)
これは定跡書では見ない形でしょう。子供のころ升田の指南シリーズのどれかで見たことがある形で、懐かしいです。でもこの本は1980年出版なので、もっと昔からある受け方なのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/ce/e2cd6f846c40a7d928a3fd655c64a50f.png)
75同銀には56金22角65金という受け方です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/72/62/20a50d1c1578c019ef96f002200b2a18.png)
二上先生は角を引いて74歩に75歩。これでは棒銀がさばけないので勝てません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/02/83cd4ccdf83395d2c0ec4a9800d87eaa.png)
せめて74飛と払って指せないといけないわけですが、これでは銀落ちです。大山先生は気持ちよく桂馬を跳ねて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/8d/75b38f0928d01e4df8e5ed54aec4c4f8.png)
くさびを入れ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/6a/24cabd398f5b6a735759a2ebdaf2eae7.png)
銀を交換して打ち込みます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/2b/1f0ff5025fdb5c4924d3057ece20cb57.png)
清算して44角から飛を抜けば終わりです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/78/044150afeb841b56bafe2789640454dc.png)
二上先生は金を取れなくて玉を逃げますが、大山先生は桂を跳ねて金を打ち
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/c8/8110ec7b21ff2b5f2a7cbd0377b9bcd3.png)
進出していくだけです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/00/de4dd938e32a889ddf1048026c5d3059.png)
この図で51飛成で投了というつもりだろう、と河口先生が書いていましたが(この図だけ覚えています)、老師いわく、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/50/0a90a59954903d8ca317d8399e2908d5.png)
53桂成は徹底的にいびるつもりで、負け犬根性をたたき込むのだ、というようなことを書いていました。成桂を寄って投了図です。
二上先生の指し手がおかしいのですが、この期は降級しています。ラス前で事実上の降級者決定戦のような勝負だったとか。将棋ペンクラブブログの記事に少し書いてあります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:二上達也9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 5六歩(57)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 4二銀(31)
21 5八金(69)
22 6四歩(63)
23 4六歩(47)
24 5三銀(42)
25 4七金(58)
26 9四歩(93)
27 3六歩(37)
28 7三銀(62)
29 3七桂(29)
30 4二金(41)
31 1六歩(17)
32 1四歩(13)
33 2六歩(27)
34 8四銀(73)
35 6七銀(68)
36 7二飛(82)
37 5九角(77)
38 7五歩(74)
39 4八角(59)
40 6五歩(64)
41 5五歩(56)
42 同 角(22)
43 7五歩(76)
44 2二角(55)
45 7四歩(75)
46 7五歩打
47 5六銀(67)
48 6六歩(65)
49 6八飛(78)
50 6二飛(72)
51 4五桂(37)
52 6四銀(53)
53 6六角(48)
54 4四歩(43)
55 5三歩打
56 4三金(52)
57 6五歩打
58 同 銀(64)
59 同 銀(56)
60 同 飛(62)
61 5二銀打
62 3一銀打
63 4三銀成(52)
64 同 玉(32)
65 5二歩成(53)
66 同 玉(43)
67 5三金打
68 6一玉(52)
69 7七桂(89)
70 6四飛(65)
71 4二金(53)
72 同 銀(31)
73 6五金打
74 6二飛(64)
75 5四金(65)
76 6七歩打
77 6三歩打
78 9二飛(62)
79 5八飛(68)
80 7二玉(61)
81 6二歩成(63)
82 同 玉(72)
83 5三金(54)
84 7一玉(62)
85 4二金(53)
86 同 飛(92)
87 5三桂成(45)
88 9二飛(42)
89 6三成桂(53)
90 投了
まで89手で先手の勝ち
第1問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/e5/c731501ce91130aa79675ac1aa0b00c9.png)
金が上ずったので
A 58歩 B 34飛 C 65歩
第2問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/f0/376a29b2a0391014f6c71552995049dd.png)
崩れないように受けます。
A 65同歩 B 34飛 C 53銀
第3問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/03/40638f8cd8e94f65aa737379d3960ea5.png)
大山流の金銀移動です。
A 84歩 B 61銀 C 62金引
第4問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/dc/e0209b5a5ecf4fc1174f0076812cab72.png)
最善かどうかはわかりませんが渋い手です。
A 25歩 B 46歩 C 71歩
第5問 最後は米長先生の勝因です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/b9/5e96b782c0d79fc849f7bd9f07e71b67.png)
36歩もよい手なのですが。
A 85歩 B 83銀成 C 52金
昭和58年3月、米長邦雄先生と第32期王将戦第5局です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/c8/9ddc3f78fc9a226356cebce0b125a848.png)
大山先生の四間飛車に米長先生は中央位取りです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/8a/c973d9a09ffbae10aed3a27e7d473a09.png)
大山先生は6筋の歩交換を許して石田流へ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/e0/baf9e5343decbcf24f37815a0efcba1c.png)
米長先生は引き角で石田流をけん制します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/51/55/8614c255181e4c2dbc63ea2f6cdb6980.png)
大山先生は石田流に組みにくいので歩をもって待ちます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/f8/8feda13659951058e00bbaae2b29aedc.png)
米長先生ももう1歩持って
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/85/4e41bf01a8eaeba00c55d0414b869e10.png)
76金は形にこだわらない米長先生らしい指し方です。大山先生は垂れ歩でけん制して
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/10/c61fab10bb6839b1a53b8faf175c5acb.png)
位と と金でどちらが得かという主張のぶつかり合いです。67銀と引いたのがぴったりなので と金はあまり働いていません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/a4/1fe7285e200ede050ada48db35494188.png)
米長先生は位を生かし、左翼で戦います。大山先生が飛を浮くのは受けのためで
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/fe/cd552f6faf7d0f340c026a1a1d879307.png)
取り込みを飛車で取れます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/03/40638f8cd8e94f65aa737379d3960ea5.png)
桂馬がぶつかり
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/c4/2bfb8f2c301c0f7391ba1b35ee8659cd.png)
銀をうまく繰り替えて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/b5/95a553ef5c57297cf1e019425907090c.png)
44桂はあまり打ちたい桂馬ではないのですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/74/c909194d8e7a7c6352a2c57544189c67.png)
桂4枚の対抗ならば互角です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/5f/13c3faa0060247a4c55aa412db0cabf8.png)
小競り合いの間に大山先生は底歩を打ちます。後で生きれば勝てそうですが、どうなるか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4b/09/b17d45d0108612ba093dc34aa76602e1.png)
桂馬は交換になるのですが、ここで46歩が指しすぎかも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/1a/9a7e144c953d3d106a4a0b9838768b71.png)
45金を狙うのですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/1c/bc1fe34249026dcfa13cd7165c8fae88.png)
両取りに桂を打たれました。交換した桂馬を打つのならば、互いの玉のある方に(攻めか守りで)打つのが良い手になります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/e9/f28fb561bfabd809019d2cabbbf49021.png)
両取りは角金交換になって
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/cb/7fdcfb5da566fefd6b2a4a93a14e4962.png)
大山先生は馬を引き付けたいところですが、ここに歩を打つのが仕方なく
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/99/7490fdb0264847bc662d0d585ad4ff43.png)
馬飛と金で寄せを狙います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/e4/3c1fd07cbe9ebab34d51424d6e6de896.png)
米長先生は飛車を6筋に使い、36歩を打てば負けにくい形ですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/cc/ef9b456bd51441373146ab0bd8da85a7.png)
寄せ合いを目指します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/77/5132fc38af0356a4f6f78bb998a1a667.png)
84歩があるので72銀打は利かず
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/53/33/78cfbc3d86aee01521b2dd2fc22612ff.png)
薄い受けを強いてから
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/38/22/4c650ec00f76a9cb0cca930c6a0f2ffc.png)
金を立ちます。83銀から86飛の寄せを見ています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/e8/fcb19702b805ca0422f55262a6b621c3.png)
大山先生の67角成は仕方のないところでしょう。詰めろをかけて銀を打ちこまれ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/17/13374e99dc824b2f7289873e509e5a7a.png)
71玉なら詰まないようですが、54角が攻防になるので
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/a2/d9752e66917180a0622dd5eea28a3a14.png)
と金を取って詰まされる方を選びました。
互いに力のこもった好局です。厚みの将棋になると米長先生の力が出るようで、1手勝ちに終わりました。大山先生の得意な玉の移動も出現しにくいです。
これで大山先生は王将を失い、十五世名人の呼び方に戻ります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:米長邦雄棋王
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5八金(49)
14 7一玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5七銀(48)
18 5二金(41)
19 5五歩(56)
20 4三銀(32)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 5六銀(57)
24 6四歩(63)
25 6六歩(67)
26 6三金(52)
27 6五歩(66)
28 同 歩(64)
29 同 銀(56)
30 6四歩打
31 5六銀(65)
32 3五歩(34)
33 6八銀(79)
34 3二飛(42)
35 1六歩(17)
36 8二玉(71)
37 5七銀(68)
38 7四歩(73)
39 6七金(58)
40 8四歩(83)
41 6六銀(57)
42 5一角(33)
43 2六飛(28)
44 8三銀(72)
45 8六歩(87)
46 7二金(61)
47 7九角(88)
48 1四歩(13)
49 8八玉(78)
50 4二角(51)
51 7八金(69)
52 5四歩(53)
53 同 歩(55)
54 同 銀(43)
55 5五歩打
56 4三銀(54)
57 7五歩(76)
58 同 歩(74)
59 同 銀(66)
60 7四歩打
61 6六銀(75)
62 7三桂(81)
63 7七桂(89)
64 3一飛(32)
65 5七角(79)
66 5二銀(43)
67 7六金(67)
68 5八歩打
69 7五歩打
70 5九歩成(58)
71 7四歩(75)
72 同 銀(83)
73 7五歩打
74 8三銀(74)
75 6七銀(56)
76 4五歩(44)
77 2四歩(25)
78 同 歩(23)
79 6五歩打
80 3四飛(31)
81 6四歩(65)
82 同 金(63)
83 6五歩打
84 6三金(64)
85 8五歩(86)
86 6九と(59)
87 8四歩(85)
88 同 飛(34)
89 8六歩打
90 3四飛(84)
91 8五桂(77)
92 6一銀(52)
93 7七銀(66)
94 6二銀(61)
95 5六飛(26)
96 8四歩打
97 7三桂成(85)
98 同 銀(62)
99 6六角(57)
100 4四桂打
101 2六飛(56)
102 1三桂(21)
103 1七桂(29)
104 5六歩打
105 4八桂打
106 3六歩(35)
107 同 歩(37)
108 7一歩打
109 5四歩(55)
110 同 金(63)
111 5五歩打
112 5七歩成(56)
113 同 角(66)
114 5五金(54)
115 3五歩(36)
116 3一飛(34)
117 5六歩打
118 5四金(55)
119 3六桂(48)
120 4六歩(45)
121 同 角(57)
122 3六桂(44)
123 同 飛(26)
124 5五歩打
125 7四歩(75)
126 同 銀(83)
127 6六桂打
128 4五金(54)
129 7四桂(66)
130 同 銀(73)
131 5五角(46)
132 同 金(45)
133 同 歩(56)
134 2七角打
135 4六飛(36)
136 4五歩打
137 2六飛(46)
138 4九角成(27)
139 7五歩打
140 8三銀(74)
141 6四歩(65)
142 3五飛(31)
143 6六飛(26)
144 6二歩打
145 7四銀打
146 5一桂打
147 8三銀成(74)
148 同 金(72)
149 7四銀打
150 7二銀打
151 8五歩(86)
152 3八飛成(35)
153 8三銀成(74)
154 同 銀(72)
155 7四金打
156 同 銀(83)
157 同 歩(75)
158 7二歩(71)
159 8四歩(85)
160 7一桂打
161 7五金(76)
162 6七馬(49)
163 同 飛(66)
164 7九金打
165 8三銀打
166 同 桂(71)
167 同 歩成(84)
168 同 玉(82)
169 8四歩打
170 9二玉(83)
171 8三角打
172 8二玉(92)
173 7三歩成(74)
174 投了
まで173手で先手の勝ち
20171121今日の一手
8月6日の名南将棋大会から、KさんとWさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
桂と香歩の交換で馬を作っています。持ち歩があるので歩をカウントせず、わずかに駒得ですが、終盤なので損得なしと思っておきましょう。
玉の堅さは同程度です。角がついている3枚銀冠と玉の遠い穴熊の比較は難しいです。
先手の攻め駒は63竜と持ち駒銀香で3枚。
後手の攻め駒は89竜と持ち駒銀桂で3枚。
総合すれば互角です。
☆ 大局観として
居飛車の銀冠と振り飛車穴熊の対抗は、通常金銀4枚の銀冠と金銀3枚の穴熊なので銀冠のほうが堅くて勝ちやすいです。問題図では中途半端になりがちな左銀を交換できたのですから、振り飛車がポイントを上げています。さらに33角と91馬の比較でも少し得をしているでしょう。よって形勢は互角以上です。
互いに攻め駒3枚、桂香をもう一枚ずつ拾うことも可能ですから、受けきりは難しいです。よって寄せ合いを考えます。
○ 一目は54歩ですね。
寄せのセオリーに則っています。まだ攻め駒3枚なので後手玉に近い駒を攻められるほどの戦力はありませんが、守りの弱い遠いところからなら攻めることができます。小さい駒を使い、と金を作って4枚目の攻め駒にしようとしています。
これに対して数で受けよょうとすると、42角には52銀
42金寄には53銀
41桂には52銀
42銀にも52銀
いずれも継続して攻めがあります。
後手は62歩同竜51銀
先手をとって受けるしかないです。72竜52歩81竜
これでも55桂が残っています。先手の攻めは順調で、手順に桂を取ったので4枚目の攻め駒です。
× 実戦は52銀と攻めたのですが
香は使いにくいので銀を打つのは次に考える手ではあるのですが、まだ攻め駒3枚です。42金引に43香52金同竜
ぴったりの手順に見えましたが、51歩72竜52銀
粘られて難しくなっています。54金~53歩ならばまだ指せたのかも。42金同金同香成同角
金を剥がしたものの、香を失って攻め駒2枚では形勢不利です。43金75角というのも負けそうで、実戦では81竜に26歩同歩27歩同金47桂
と食いつかれて負けにしてしまいました。
△ 52銀よりは41銀と打つ方が厳しい手で
42金寄にたいした手がないので81馬41金43竜32銀打
竜を逃げるしかないのでしょう。すると形勢は怪しくなっていて、例えば57歩54歩58歩成53歩成48銀
素直に寄せ合うと負けそうです。なにか工夫が必要ですが、よくわかりません。
○ 81馬は4枚目の攻め駒を手に入れる手で
57歩に55桂42金引43香
で攻めが続きます。これは穴熊の遠さが生きます。
○ 64馬も4枚目の攻め駒で
57歩にはやはり54歩から
62歩同竜51銀31銀13玉72竜41桂54香
ややこしいのですが、駒を足して と金の作り合いにもっていけます。
64馬には42角とぶつけられそう。
交換するのでは不満です。65馬54歩41銀
どこかで75角と使われるのはしゃくですが、38馬と引けるのは魅力です。
△ 受けておくなら69歩は損のない手で
88竜(81桂を守った)64馬
くらいです。68に駒を打って壁を作ることができますが、1歩減ったのは損です。69歩を打つべきかどうかは悩むところです。
× 38金引は16桂
と替るので、損をしているでしょう。
☆ まとめ
問題図を見てすぐに54歩を思い浮かべる方なら、正しい寄せの感覚を身につけていると言えるでしょう。
それがないなら52銀や41銀も悪い手ではないですが、粘られて怪しいことになります。実戦は52銀42金引43香がぴったりに見えるのですが、やはり本筋を外していると形勢が怪しくなってくるものです。4枚の攻めを目指すというのが寄せの本筋なのです。
他の4枚の攻めは81馬と64馬です。81馬では使いにくい、64馬だと桂を取り切れない、とマイナス要素があるのですが、攻め駒4枚ならば悪い手ではありません。
(すでに4枚攻め駒があるのに5枚目の駒を拾いに行くというのは疑問手の可能性が高くなります。)
第1問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/25/3e942cf2a4bd4dd7ceaec9af62f9ff16.png)
銀を殺されそうなのですが
A 34歩 B 77桂 C 22歩
第2問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/90/c5c4898d9b53ede66a2772743c6f6974.png)
切れないように攻めます。
A 73角 B 44角 C 41角
第3問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/be/409f8a8eee9a4e63ff2d27f12fe89cdb.png)
自陣飛車で守られました。工夫が必要です。
A 73桂成 B 32角成 C 75歩
第4問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/e7/c0d646792d6f1e878268f4137fd7996a.png)
広く見ましょう。
A 34歩 B 55角 C 93銀成
第5問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/a7/0732fa19660621dc52f7bc43b289a60f.png)
互いの玉の危険度を考えます。
A 78同金 B 86銀 C 93香
昭和58年2月、桐山清澄先生と第41期名人挑戦者リーグです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/17/2d4e449b37ee211e22a71b54da8db968.png)
大山先生の四間飛車に桐山先生は右46銀の急戦です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/bb/08569cbb455b6c53b935d580cd43d2c9.png)
32金と備えられたら急戦は無理のはずですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/67/469470fdae8b58bb1196c2177945344a.png)
銀はさみで困っているはずです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/5d/c8f8ad69feae3a8574ec065abe246e45.png)
桐山先生は不思議な指し方をするときがあります。どうにか手を作ろうとしているのはわかりますが、無理でしょうね。大山先生はどこで44歩としても指せそうですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/18/a7d947a318c6a6d5e34c85bd925fd1cb.png)
44歩54歩62金65桂、きれいに殺せません。そこで54銀と取って悪いことはないのですが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/a1/cb58191900611a9a3cfd7befb6a1c52a.png)
なので大事を取って角を追いました。ここで15歩と取っても15同香同香34歩22角では手になっていないと思うのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/03/f190575822c94c6707751d5a06f370a3.png)
64歩まで指して、やっと銀を殺しました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/79/d60eba4983c3de84034a15c2bd6b0b45.png)
でも香交換で84香があって
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/39/0485ddafb4d1d6b4dbc953bdc3e0b9e8.png)
まだ香得ではありますがかなり薄くされてしまいました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/c7/48658cb05ce8c9c827c07223f5308297.png)
相当に食いつかれていて、逆転していてもおかしくはありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/50/3dcf8f82911da5f9dc316f2de86a7cb9.png)
桐山先生は飛車を切って
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/be/409f8a8eee9a4e63ff2d27f12fe89cdb.png)
角を打って攻めるだけです。自陣飛車はやむを得ない受けですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/86/e493b96438a21d738ba544d20b7ed548.png)
桂を捨てて馬を作りました。桂香損でも先手が良さそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/2a/ba6106b2af1128945cecfc3dfb703809.png)
83銀成は決めないのですね。歩を取って
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/20/2881b6e6f6c5fcf58e989dd58f8e0f28.png)
馬を切って銀を打ちます。84銀を残そうという指し方は、自玉の安全も考えているのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/06/1ce002dbf04841749a065bade232b4d7.png)
手駒不足ですが34歩がありました。25桂33歩成同金で55角を見ています。大山先生は催促しかなくて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/d7/b8db0bd7d7496333bdac1cd12aa0d07c.png)
ずいぶん損をしているのですが、とうとう反撃に出ました。先手が歩切れなので87香成から突進狙いです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/bf/d4820fc5f0cf0463232d0be18ab8afa6.png)
金を取られても
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/1f/04f8bed2547b33a231bf2ec2b69a93c0.png)
詰めろがかかりました。この時84銀が働いているから87香なら受けきれそうかな、と考えていたら
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/a7/0732fa19660621dc52f7bc43b289a60f.png)
77銀とは危なさそうな受けです。大山先生の78銀は強烈に見えます。78同金69角は受けにくそうです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/36/32036cf923d1ea233d8796435dad64a9.png)
桐山先生は手抜きで93香、91香成から詰みそうです。大山先生は79角から
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/3d/f3d70527dfe12699573d53bd49cfc26b.png)
角を渡して受けた、というのは78金で銀を渡しているよりましだということなんでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/03/ad0b2727afb69080ff405ca047e3f9cd.png)
先手玉は詰みにくくなったので、桐山先生は飛車を追いかけます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/cf/917d442e2dff45fc706d9dc6b3e28242.png)
王手はかかるのですが
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/75/fb9d61b790c63804ff4ce9256a036197.png)
この桂を取れば詰みません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/0f/fe1a7beacff861ff3544adadea08fdf9.png)
後手玉に詰みがあって投了図。
桐山先生の将棋にはわけのわからないものがあります。「いぶし銀」と呼ばれましたが、渋い手の多いじっくりした棋風というわけではなく、独特の感覚をもった将棋です。
序盤作戦は桐山先生が明らかに無理をしているはずなのですが、完全に切らすのは難しそうです。桐山先生の怪しげな将棋も面白いですが、まねをしないほうが良いです。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:桐山清澄8段
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二玉(62)
13 5七銀(48)
14 4三銀(32)
15 5八金(49)
16 8二玉(72)
17 6八銀(79)
18 7二銀(71)
19 3六歩(37)
20 5四歩(53)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 1六歩(17)
24 1四歩(13)
25 4六銀(57)
26 3二金(41)
27 7七角(88)
28 9四歩(93)
29 3五歩(36)
30 4五歩(44)
31 同 銀(46)
32 3五歩(34)
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 5五歩(56)
36 同 歩(54)
37 8六角(77)
38 5二飛(42)
39 7七桂(89)
40 8四歩(83)
41 1五歩(16)
42 8五歩(84)
43 7五角(86)
44 7四歩(73)
45 5三歩打
46 5一飛(52)
47 6六角(75)
48 6四歩(63)
49 1四歩(15)
50 4四歩打
51 3四歩打
52 2二角(33)
53 1三歩成(14)
54 同 香(11)
55 同 香成(19)
56 同 角(22)
57 8四香打
58 8三香打
59 同 香成(84)
60 同 銀(72)
61 1八飛(28)
62 1二歩打
63 8四香打
64 4五歩(44)
65 8五桂(77)
66 5三飛(51)
67 8三香成(84)
68 同 飛(53)
69 8四銀打
70 5三飛(83)
71 3三歩成(34)
72 同 桂(21)
73 5四歩打
74 同 銀(43)
75 1三飛成(18)
76 同 歩(12)
77 4一角打
78 7二飛打
79 7三桂成(85)
80 同 桂(81)
81 7四角成(41)
82 6二銀打
83 6四馬(74)
84 5一飛(53)
85 5三歩打
86 6三銀(54)
87 同 馬(64)
88 同 銀(62)
89 8三銀打
90 8一玉(82)
91 3四歩打
92 8二歩打
93 7二銀成(83)
94 同 金(61)
95 3三歩成(34)
96 8五香打
97 8六桂打
98 7四桂打
99 3二と(33)
100 8六香(85)
101 同 歩(87)
102 同 桂(74)
103 8八玉(78)
104 8五香打
105 7七銀(68)
106 7八銀打
107 9三香打
108 7九角打
109 同 金(69)
110 同 銀(78)
111 8七玉(88)
112 9二桂打
113 同 香成(93)
114 同 香(91)
115 9三桂打
116 9一玉(81)
117 5二歩成(53)
118 6八歩打
119 7三銀成(84)
120 9八桂成(86)
121 8六桂打
122 8八成桂(98)
123 同 銀(77)
124 8六香(85)
125 同 玉(87)
126 7四桂打
127 同 成銀(73)
128 同 銀(63)
129 8一金打
130 同 飛(51)
131 同 桂成(93)
132 同 玉(91)
133 7三桂打
134 投了
まで133手で先手の勝ち
第1問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/31/026559f76e1b255122d78898a85dbccf.png)
大山流の駒運びです。
A 18香 B 48銀 C 65歩
第2問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/25/0534e5fe0b85474575fdfcb0379224ee.png)
良さを求めます。
A 76飛 B 95歩 C 74歩
第3問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/b8/ca51d7f0527a7eadeb3d5dbff4b2c3a9.png)
遊んでいる駒を使います。
A 96飛 B 55角成 C 83歩成
ここからは後手番米長先生の手を考えます。
第4問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/8c/b79e8c3c2ba580c122430f241002dcd9.png)
米長先生の勝負術です。
A 55同馬 B 56馬 C 67歩成
第5問
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/ad/f4301ee72cb04a46d71ebee9a4bea8df.png)
まだ足りませんが、これで勝ちを呼びました。
A 58成香 B 56桂 C 55桂打
昭和58年2月、米長邦雄先生と第8期棋王戦第2局です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/b9/8247d6743a16765fc3bc3243f7178b11.png)
大山先生の先手三間飛車ですが、大野流57銀が早いので居飛車急戦もあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/8e/f573e840ff176087905fa55610a3c7d4.png)
64歩を見て67金と守ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/65/bf7eb8867bb60da87b6918cc45a8034e.png)
64歩と止めているのに米長先生は引き角にしました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/01/0ad71701f34d5408581810f1d8cdeb97.png)
大山先生は中央に金銀を移動していきます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/b3/4815cbb012aeb1020737a11e98db97bb.png)
とりあえず駒組み完了ですが、大山先生の作戦勝ちです。ただし手を出しにくくて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/29/801d2f92b8801526439676697a26cfc6.png)
米長先生は穴熊へ。作戦負けの時は玉を移動してみると景色が変わります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/97/bb9b8e4fa2ca6a24cc3b9d5a236710b9.png)
大山先生から仕掛けました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/5d/ff6f98c96daf9790c4460b2f11baef64.png)
桂馬を交換して
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/70/b2/e0f01ba8cdaddc9322ce0a67ee5dc817.png)
その桂をここに打つのですが、こういうのは失敗するとひどくなります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/09/4ca88f8459643193f9dd6deea662a24e.png)
角頭を攻めて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/9a/9608ae7befd5a54e17396fff9b31f7d3.png)
香を交換して
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4e/74/ba6940139343d1e7a49215d1293b7157.png)
歩を垂らし、うまくいったみたいです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/a8/2b4a6180f032e8fb79e8ef14de554a37.png)
米長先生は桂を取って田楽刺し、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/ce/9d96c5812d07b3934a25b7e86ebb2eba.png)
金を取り切れませんが角をさばいて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/37/7b/4020d2d8bbf5a90176ac17107e23334a.png)
馬を作ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/71/90/bfb226ba404ded890b1dd1ddd828728e.png)
と金作りをめぐる戦いで
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/31/9c/86abb639dc9c89fcb8d3459ee387ecaa.png)
大山先生は飛を成ることをあきらめて守ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7b/22/954564e9784110b434ea8f714526aaf1.png)
と金つくりが確実になりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/9f/54714707c2f6e6d791462b3e2220b4dc.png)
桂を打てば
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/0b/6232eb70d53d8755ecf054ffe555d30c.png)
打ち返し、一進一退の攻防が続きます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/8c/b79e8c3c2ba580c122430f241002dcd9.png)
穴熊が薄くなったので大山先生のほうが指しやすくなったようです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/55/c85c2f5b0bd8bc943f518056015e78ea.png)
米長先生は馬を失いましたが先手玉に迫ります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/9f/eaf5ff067ef024ec1f91e3811fcc89bd.png)
かなり盛り返しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/8f/61ad8e31524fa8df57845514d996694b.png)
この歩は同銀と取るほうが良さそうに見えます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0c/78/af93690fe0497daecb2dacee5bbed871.png)
大山先生は飛の逃げる位置を間違えているのではないかと思います。ここに銀を打たれては怪しくなりました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/a7/31e28ec09e9d8452a97bfb9633bf9dd1.png)
飛車を目標にするのですが、この飛は角と刺し違えられて
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/b6/1956b09d9aabb0cc1d0113372584f17e.png)
結構嫌な形です。先手玉は詰まないようですが、一目は39銀打とか受けますよね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/5c/9d787633a5a036eefbbbc011d6ade87c.png)
32銀と寄せに行ってさらに銀を渡してしまいました。48飛成で「しまった」という図です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/28/86cfb56d85e6b6d93f0081219aa3ace3.png)
詰まされて投了です。最後まで指したのはよほど悔しかったのでしょう。
長い終盤の攻防ですが、居飛穴も堅くないので大山先生のほうが少し良いのだと思います。大山先生の飛は受けに活躍しているけれど、米長先生の飛はあまり役立っていませんから、やや駒得の大山先生のほうに利があります。
ちょっと食いつかれたけど、やっと勝ちが見えたと気を抜いたら頓死筋に気が付いていなかった、ということなのでしょう。その時点で170手近くなり、体力負けしたのではないかと思えます。体力がなくなってくると早い勝ちを選んでしまうのです。
最後以外は長い攻防ですが見ごたえがあります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山王将
後手:米長邦雄棋王
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 4二銀(31)
19 5七銀(68)
20 7四歩(73)
21 2八玉(38)
22 6四歩(63)
23 6七金(58)
24 3三銀(42)
25 3八銀(39)
26 3一角(22)
27 4六銀(57)
28 4四歩(43)
29 5五歩(56)
30 6三銀(62)
31 5六金(67)
32 2二玉(32)
33 1六歩(17)
34 1四歩(13)
35 3六歩(37)
36 3二金(41)
37 2六歩(27)
38 2四歩(23)
39 2七銀(38)
40 5五歩(54)
41 同 金(56)
42 4三金(52)
43 3八金(49)
44 5二飛(82)
45 5八飛(78)
46 5四歩打
47 5六金(55)
48 7二飛(52)
49 7八飛(58)
50 4二角(31)
51 5九角(77)
52 9四歩(93)
53 9六歩(97)
54 1二香(11)
55 5七銀(46)
56 1一玉(22)
57 3七角(59)
58 2二銀(33)
59 4八銀(57)
60 3三金(43)
61 6五歩(66)
62 7三桂(81)
63 7七桂(89)
64 6五歩(64)
65 同 桂(77)
66 同 桂(73)
67 同 金(56)
68 6四歩打
69 6六金(65)
70 5一角(42)
71 7五歩(76)
72 8四角(51)
73 7六桂打
74 9三角(84)
75 6四桂(76)
76 8二飛(72)
77 9五歩(96)
78 8六歩(85)
79 9四歩(95)
80 8四角(93)
81 9三歩成(94)
82 同 香(91)
83 同 香成(99)
84 同 角(84)
85 9八飛(78)
86 9二歩打
87 9四飛(98)
88 8七歩成(86)
89 8三歩打
90 同 飛(82)
91 8四歩打
92 8一飛(83)
93 5三歩打
94 6四銀(63)
95 同 角(37)
96 6一香打
97 7三角成(64)
98 8二角(93)
99 同 馬(73)
100 同 飛(81)
101 6五歩打
102 8八角打
103 5六金(66)
104 5五歩(54)
105 4六金(56)
106 6六角成(88)
107 7三角打
108 4二飛(82)
109 9六飛(94)
110 8六と(87)
111 同 飛(96)
112 7五馬(66)
113 9六飛(86)
114 4五歩(44)
115 5五金(46)
116 5七歩打
117 5九香打
118 4六歩(45)
119 同 歩(47)
120 6六歩打
121 7六歩打
122 8五馬(75)
123 9七飛(96)
124 5八歩成(57)
125 同 香(59)
126 6七歩成(66)
127 同 飛(97)
128 7六馬(85)
129 5七飛(67)
130 6六歩打
131 5六飛(57)
132 4四桂打
133 同 金(55)
134 同 飛(42)
135 4五桂打
136 6五馬(76)
137 3三桂成(45)
138 同 金(32)
139 5五金打
140 6七歩成(66)
141 6五金(55)
142 同 香(61)
143 5二歩成(53)
144 5八と(67)
145 同 飛(56)
146 5四香打
147 5五銀打
148 4三飛(44)
149 6四角成(73)
150 6七香成(65)
151 5六飛(58)
152 5五香(54)
153 同 飛(56)
154 4七歩打
155 同 金(38)
156 6三桂打
157 5九飛(55)
158 5八銀打
159 4二と(52)
160 4四飛(43)
161 5三角打
162 6四飛(44)
163 同 角成(53)
164 5九銀(58)
165 同 銀(48)
166 4九飛打
167 4八銀(59)
168 5六桂打
169 3二銀打
170 同 金(33)
171 同 と(42)
172 4八飛成(49)
173 同 金(47)
174 3九銀打
175 同 玉(28)
176 4八桂成(56)
177 同 玉(39)
178 5八金打
179 3八玉(48)
180 4八金打
181 3七玉(38)
182 2八銀打
183 投了
まで182手で後手の勝ち