私の生誕地は熊本である。よく「どんな所だった?」と聞かれるが、転勤族の父の任地であっただけで、生誕間もなく転勤で移動し、当時のイメージなど全くない所ではある。ただ、此処で生まれたのだ、と後に親から教えられた。
そんな熊本にも、「恋人」がいた。熊本電鉄、6000系がそうである。熊本市内の藤崎宮から御代志までの間を走る電車である。地方ローカル私鉄であり、こちらも中間車のない2連である。しかも塗装も、オリジナルからかなり手が加えられている。
現在熊電も経営的には苦しいらしく、熊本市電との相互乗り入れさえ検討しているのだという。実現すれば鉄道車輌は全廃となり、軌道車輌に置き換わる。赤や黄色に装飾された6000系達も、行く末は厳しいものがある。それに対し、ファンとしては、言えることはただ一つである。「頑張れ、熊電。」