7月29日(土)
朝4時半起きして車で千葉県の京成大久保駅近くにある日本大学生産工学部に行きました。
目的は『第10回千葉県そば大学講座』に出席するためです。
井月庵は昨年の第9回から参加しているので今回が2回目の参加になります。そば打ち段位認定試験を受けに嫁の実家である千葉に行ったのが縁で、千葉手打ち蕎麦の会の皆様と知り合い、嫁の里帰りとは別に井月庵だけ一足お先に義父母に会いに行くいい機会でもあります。
井月庵の家から日大までは車で2時間35分程度でつくため、家を5時半に出ても8時には着く計算になりますが、途中どんなアクシデントがあるか解らないので、余裕を持って出発です。また、前回参加者が400名を超え、今回も550名近くとなり会場が一部サテライト教室になることから早く行ったら本会場に入れるのではないかと勝手に考えていました。
案の定高速道路は事故渋滞か何かで20分程遅れましたが、事前にグーグルマップで周辺を確認しておいた1日最大700円のコインパーキングに駐車も出来、近くのコンビニでサンドウィッチを買って会場へ。
受け付けは9時からのはずでしたが、8時半には受付を開始していました。きっと井月庵と同じことを考えて早出した人が多かったからでしょう。
でも、受講する会場は前もって受け取っていた受講票の番号で決まっていました。井月庵は本会場だったのです。『よかった!』
詳しい内容は「千葉県そば大学講座」のHPを見ると講座資料のPDFが掲載されているので見て頂ければと思います。
午前中は「そばの食味」について大学教授や製粉業者さん、元電子顕微鏡使いの名人位保持者、食品開発研究者による研究報告とパネルディスカッションでした。結局、蕎麦製粉の迷路は深まりましたが、単に石臼挽だからと言って盲目的に良いと考えるのはいけない。自分で考えて、打って、食べて自分の基準を作ることが大切である。なぜなら、「蕎麦は嗜好品だから」ということでした。
午後は 「そば打ちの動作を考える」ということでファンタジー映画(ロードオブザリングやホビットなど)でおなじみのモーションキャプチャーを利用して高橋邦弘さんとそのお弟子さん、そしてアマチュアのそば打ち動作を解析した成果の発表でした。
高橋さんは現在は復帰されていますが、お体を悪くした後でもあり今回は出席されませんでした。高橋さんのそば打ちは「ねり」では腕の筋肉に頼らずに、体の筋肉によって3者中最もエネルギーを使用していること。ただ、仕上がりが早いためトータルでは余り消耗しないということでした。
切りは腕の筋肉は24%であり47%の体幹と26%のひざの動きに寄ることが判りました。講義を聞いていて、高橋さんとは違いますが、全身をバネのように使って誠にダイナミックなそば打ちをする方を思い出しました。地のしの工程などは吉川晃司がモニカを歌っていた様なダイナミックな動きであり(ホントか!?)細身でありながら1回に2kg玉(粉体)以上を打たれる町塚親方です。
町塚親方(蕎麦屋八兵衛)のそば打ちを静岡県の駿府匠宿で毎年行われる「静岡そばまつり」で拝見していました。また、「そば大学講座」の特任研究員でもあり、第4回に一度製粉と蕎麦打ち実演で講演されています。当日も会場に居られました。袈裟衣を身に着ければ聖一国師の円爾さんかと見えそうです。(ホントか!!?)
隙あらば同県人ということで挨拶ぐらいさせて頂きたいのですが、井月庵ごときが挨拶できる筈がありません。なんせ、こっちは知っているけど、向こうは知らないのですから。まあ、それはそれ別の話です。
そば打ち実演はそば打ちの審査員をされていて顔は見たことのある「ゴツイおっちゃん」と午前中の名人位保持者の2回ありました。「ゴツイおっちゃん」は蕎麦屋の益子さん。店名もずばり「満志粉」
井月庵が中学生の頃、ヨロシクを「四露死苦」と学生鞄にマジックで書いていたのを思わず思い出しました。なんでだろう??
会場からの質問に短く、簡潔に回答されていました。真上からの加圧に気を使われているとのことで通常ののし台の高さが78cm程度なのに対して10cm低い68cmの台を使用しているそうです。
2人目の赤羽さんは本のしの時は力を入れず何回も「ただ転がしている」と麺体の表面が非常に滑らかになるとおっしゃっていました。どちらのそば打ちも蕎麦の食味と同じように「こうじゃなきゃいけない」ということは言わず、ご自身の目指すそば打ちをされていると感じました。
次回以降の講座の案内を最後にされました。
なんと、次回は町塚親方が実演される予定です。これはもしかしたら、N田さんに会えるかもしれないと淡い期待を持ちつつ会場を後にしました。
そうそう、会場で「たのしい そばうち」なる本(500円)を購入しました。
絵本のような表紙とはうらはらに
内容は将に硬派
絵本じゃありません。立派な教本です。どうやら書店では気軽に買える本ではなく、蕎麦道具の中村豊蔵商店でネット販売しているようです。今年の6月に知って電話で予約して、講座の時の出店に合わせて購入させていただく手筈としていました。
五時半に会場を後にして一路嫁の実家へ。井月庵一人なのですが、嫁との関係は冷え切っていますが(ホントか?)義父母とは別段問題もなく。「今から行きます。何か買っていきますか」と聞くと、「いやいいよ、ビール2本とウイスキーがある」とのこと。何かを感じ取って途中でお酒(日本酒)を買って向かいます。
義父母は、明日試験だろうからと験を担いで「とんかつ」を用意してくれていましたが、
「試験じゃないよ、今日が蕎麦の講座で今夜は泊まって、明日は帰るだけ。」
「え!そうなの」
「そうなんです、だから今夜はシコタマ飲んでも差し支えありません!!」
翌朝 7月30日
「夕べは浮かれて騒いでしまい申し訳ありません」と頭を下げたのはお約束。