土曜日が仕事のため、タミヤフェアーは行かずに、朝霧高原の「まかいの牧場」そば打ちに行くことにしました。とは言え、種まきから刈取りまで行う一連の講座であったらしく、そば打ちだけの体験参加はできないのではないかとの不安要素もありました。
本日は快晴です。富士山もくっきり。 (写真を見て、私は仕事柄、アスファルト舗装のクラックの方が気になりましたが・・・)
「まかいの牧場」は大人700円、子供500円で犬も連れて入れる施設です。2千何ぼも払って蕎麦打ちできませんでは、悲しいので入場前に、蕎麦打ち体験の会場には入れてもらえることを確認しました。(後で解りましたが、この時点では蕎麦打ちできるかまだ分かりませんでした・・)
会場に入って、講師の遠藤さんの実演を見学し、新参者のくせに、ずうずうしくもあれこれ質問をしていました。
遠藤さんは「朝霧高原そばの会」の会長さんで以前から精力的に活動されていることを存じ上げていましたので、まかいの牧場でも、もしかしたらと思っていたので、やはりとうなずけました。会員の方2名が体験者の直接指導に当たり、参加者は楽しそうに家族でそば打ちに興じられていました。(私も妻と息子の3人で入場しましたが、蕎麦打ちに興味があるのは私だけなので、家族には他の施設を回ってもらうことにしました。)
遠藤さんがお使いのそば切り包丁、元柄が8mm位あって、先端に行くにしたがって薄くなっていましたので、手打ちの鍛造品であることが一目で解りましたので、そのことをお伺いすると、この包丁は、いまわなき村の鍛冶屋さんが戦車鋼板をもとに鍛造してくれた一品であるとのことでした。
富士宮には旧日本軍の戦車教導団が戦時中は駐屯し、現在は跡地が若獅子神社となっています。神社にはチハ車(戦車)が展示されていますので、現実味のある話だと納得しました。(鋼の出所について刻印も無いのですが、信憑性のある話だと思いました。)
実演を見学し、勉強になったことは、四つだし前の肉分けと屏風だたみでした。
私は、四つだし後に肉分けをするのですが、遠藤さんは四つだし前に、あらかじめ角の所に肉を集めます。この時点で角が出て、ラグビーボールではなく、ひし形にしてしまいます。その後、巻のしで角をさらに出すのですが、ここでは中心から端に向かって加圧します。中心はほとんど加圧せず、外側に麺体が逃げやすい方向に手を動かしていました。手のリズミカルな運び、角の確認と延し防止のためのペタンと言う麺体の回転音(高橋邦弘さんのつのだしに似た)がとても面白かったです。
たたみも、できるだけごみを出さないこと・長く繋がった蕎麦を主眼にして、屏風たたみにしています。
屏風たたみのために、めん棒に巻きつけながら、折り返していくことで、大きな麺体でも切ることなく、切り板の上でたたんでいました。この方法だと麺体の端まで綺麗に切れる様です。
でも延し目(伸びた時に発生する微小ひび割れ)に対して直角になるため、切れやすくなるのではないかと私は思いました。が、大きな麺体をたたんでいるときに、破ったりしないので、初心者にはメリットがあるかもしれません。
さて、私は見学後、説明された打ち方をやってみたくて仕方ありません。そこで遠藤さんに、飛び入り参加できないか、おねだりしたところ、粉は余分にあるので、主催者の了解が取れればOKとのことでした。早速主催者に連絡していただき、交渉すると、
この講座の参加は種まきから始まって、蕎麦打ちまで5000円である。とのことでした。
いくら好きでも、素人体験蕎麦打ち5000円は高すぎです。(プロ養成なら安いかもしれませんが)
すると遠藤さんが、粉700gなので高くても2000円と言うことで交渉していただき、蕎麦打ち交渉成立となりました。遠藤さん直々にご指導いただき、件の包丁を使わせていただくこともできました。
いやぁ、包丁の重いこと重いこと、特に柄が直柄でも下がりグリップでもなく、上がりグリップです。どこをどう持ったらバランスが取れるのか、結局力技で切ったため、腕が疲れること疲れること。(正解は柄の後ろを握って、人差し指で安定させるでした。)
わざと星を入れたいなか蕎麦であり、寒い季節になったので温かい蕎麦用に太打ちにしました。(切り終わった私の蕎麦を見て、息子は一言、「太い」・・・いや、だからぁ温かい蕎麦でいただこうと思って・・)
遠藤さんは、もう一度、1kg打つので見ていかないかと誘っていただけたので、再度、実演を観て確認することができました。
夕飯は、もちろんあったかい蕎麦。
ネギのかき揚げを作ってもらい、JA祭で購入した銀杏をつまみに焼酎お湯割りで蕎麦前を楽しみ、
仕上げに天そば2杯でお腹いっぱいです。
(そりゃ、お腹いっぱいになるだろ。いや、むしろ食べ過ぎ)
美味しゅうございました。
げそとねぎのかき揚げが蕎麦に合ってまた美味い。