湯郷温泉は関西からの観光客が多く訪れる温泉地で、大規模な旅館が建ち並んでいます。ここには風情のある外湯があるわけでもありません。一応、日帰り温泉施設の鷺温泉館があって、立ち寄り客はここを利用するようにはなっています。
ところがですね…そんな享楽的?な温泉街の中に、一軒だけ実に渋い温泉があるのです。それが湯郷の白眉、鷺温泉館の向かいにある療養泉です。ここは鷺温泉館と同じ経営だが、湯治目的のための施設になっています。入館の際に、受付の係りから石鹸が使えないこと、利用は1時間程度であることを告げられます。
館内には加温と非加温の小さい浴槽があるのみの小ぢんまりした施設であるが、湯郷でここだけは源泉掛け流し。少しだけ湯の花の漂うお湯は温いが、浸かっているうちに気泡が纏わり着いてきます。しかし、新湯の投入量は多いとは言えず、気泡も奥津に比べたら見劣りは否めない。それでも、先客の爺さんはわざわざ姫路から車を飛ばして来ているとのこと。根強いファンがいる限り、この唯一のマトモな温泉も安泰でしょうね。
- 泉質:ナトリウム・カルシウム塩化物泉 40.2度
- 場所:宇野バス、神姫バス・湯郷温泉BS