湯原温泉を訪れたときに課題となっていた美作三湯のうちの残り二つ。2年以上たってから、ようやく訪れる機会に恵まれました。今回も大阪・梅田からの高速バスだが、今度は西日本JRバスの中国ハイウェイバスです。大阪・津山間は、今や鉄道ではなく高速バスがメインルート。各バスストップに停まるタイプの急行は30分毎に出発していて、路線バス感覚で利用することが可能です。
1日のうち5本だけではあるが、超特急もあります。各バス停をスルーするので大阪・津山間を直通するならコチラのほうが早くて便利。車両は日野セレガの旧タイプ、各バス停に停まる急行バスと同時発車です。地形の単調な中国道は、古い造りのためトンネルこそ少ないものの、車窓の変化に乏しく、その上、防音壁が視界をさえぎる。実に退屈で睡魔が襲ってくる。こういうときは生理に抗わず寝ることに…車内のアナウンスで目が覚めると、バスは津山インターを降りようとしていました。
津山駅では、列車の発着は貧弱だが、高速バスは頻繁に発着しています。ここでのJRの力関係はJR西日本より西日本JRバスのほうが完全に上位ですね。
津山は閑静な城下町です。津山城は天守こそ失われているが、その城郭から津山市内を一望することができます。閑静な町は正直なところ、人がいないと感じてしまう。見渡す限り市内で最も大きい建物は百貨店の天満屋ぐらいですかね。ここが唯一、人を集めているようです。
昼食をと思ったのだが、このときは津山らしいものが見当たらず、仕方なく駅前のファミリーレストランで我慢しました。後日、改めて訪れたときには、話題のB級グルメ、ホルモンうどんをいただくことができました。
高速バスは津山駅から発着するが、ローカル便は津山駅前のバスセンターがターミナルになっています。ここから奥津温泉行きの中鉄バスに乗り込みました。
奥津温泉を代表するお湯といったら、奥津荘の鍵湯。しかし、立ち寄りの許されている時間にはバスの到着時間が間に合わず断念しました。仕方なく…というか、ここも温泉マニアの間では評価の高い、お隣の東和楼のお湯をいただくことにしました。
旅館の横の河原には、奥津温泉名物の洗濯場があり、ここで足踏み洗濯をしていたとのこと。流れる湯の上流では、服を脱いで体を浸けることもできなくはないようだが、ワタシにはそこまでの勇気はありません。
さらに対岸には、日帰り温泉施設の「花美人の里」があります。この建物は郵政の助成事業らしい。建設することだけが目的だったのを窺わせるように、広い施設内には早くもかなり広いスペースに店舗の撤退跡がある。元は土産物屋だったようです。温泉棟の玄関に入ったらいきなりプールの臭いが…せっかくいい温泉が湧いているのに塩素まみれにしている。思わず踵を返してしまいました。税金の無駄遣いを象徴するような施設ですね。
宿泊はこの小さな温泉街では比較的大きな部類の河鹿園です。ワタシには高級すぎるかなと思ったのだが、たまには贅沢もいいかも…正月だしね。
この旅であきらめた奥津荘は後日に訪れています。隣り合った温泉なのに、お湯の印象は全く異なる…不思議ですね。
翌朝、奥津温泉のバス停から、往路と同じバスで津山に戻ります。奥津を出てすぐ、バイパスの長いトンネルを越えるが、旧道の奥津峡には極上温泉があるんですね。ここも後日に訪れています。
津山からは湯郷温泉を経由して大原に向かう神姫バスに乗ります。神姫バスは姫路を拠点にするバス会社なので、PITAPAが使えて便利です。小銭をジャラジャラ持たずにすむからね。途中の湯郷温泉で降りました。この湯郷は奥津と異なって、湯大規模な旅館が建ち並ぶ温泉地ですね。(現在、この神姫バスの路線は廃止されているようです)
湯郷から宇野バスに乗って岡山に行くことにしました。別に岡山に目的があるわけではないんだが、ちょっと風変わりな宇野バスに乗ってみたかっただけ…
1時間半ほどで岡山市内に入りました。岡山市内は路面電車とバスが仲良く往来しています。この電車とバスを運営する岡山電軌は両備グループの一員で、軌道線は全国の路面電車の中でも小さい部類ではあるが、超低床車両を導入したり、JR吉備線のLRV化構想など、積極姿勢が目立ちます。この両備グループ、南海貴志川線を譲り受けてわかやま電鉄として復活させたのには驚きました。あのローカル線の南海貴志川線の運営は無謀と思いきや、いちご電車やたま駅長が人気とあって、一気に回復したのです。見事です
岡山駅構内の、たまたま入った居酒屋のメニューにえびめしというものがありました。これは知らなかったのだが、いわゆるご当地グルメらしい。最近、こういったご当地もののB級料理を漁っているので丁度いい。早速注文することに。名前からは散らし寿司風のものを想像していたのだが、イカ墨のパスタを思わせるような真っ黒なチャーハンという感じ。ウスターソースでこんな真っ黒になっているみたいです。
で、肝心の味は……ウーン……釈然としないまま、ひかりレールスターで帰途につきました。
- 訪問日:2008年1月9・10日