豊肥本線・豊後竹田駅から路線バスで40~50分ほどのところ。九重連山の麓にある長湯温泉は、日本では珍しい炭酸の温泉が豊かに湧出しています。長湯温泉の中央に流れる芹川の畔にある、一風変わった入浴施設がこのラムネ温泉です。
どこかの美術館と見間違うような斬新な建物は、路上観察学会を主宰する赤瀬川原平、嵐山光三郎、松田哲夫、南伸坊、林丈二の面々がプロデュースし、建築家の藤森照信による設計とのこと。
なるほど、デザイン的に面白いだけでなく、合理的なレイアウトや焼き杉の外壁素材など、様々な意匠が凝らされています。
茶室のにじり口を思わせるような小さい入り口から内湯の「にごり湯」に入ると、白い漆喰の壁に包まれた三層の浴槽に、褐色のお湯が掛け流されています。
舐めてみると炭酸のシュワシュワ感とともに、強い金気臭が感じられる…やや温めながら浴感は強力ですね。
露天の「ラムネ温泉」は多少の湯の華が見られる澄明お湯で、32℃のヌル湯です。浸かってしばらくすると全身がアワアワになってきます。ラムネ温泉のラムネたるところ。湯温は温いものの炭酸のお陰でぽかぽかと暖かくなってきます。
「オンリーワン」と呼ばれるオブジェのある中庭には飲泉口があり、金気がマイルドな炭酸のお湯を飲むことができます。金気の強い長湯のほかの飲泉所よりは柔らかいのでグビグビ飲むことができます。
このラムネ温泉、良質な温泉はもとより、お湯に浸かりながらアートに触れることができる、実に極上の空間を提供してくれていますね。
・場所:大野竹田バス・長湯温泉BS
・泉質1:ラムネ温泉・含二酸化炭素-マグネシウム・ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩泉 32度
・泉質2:にごり湯・マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩泉 42度
・訪問日:2010年1月25日