またまた最初のお断りなのだが、伊勢・志摩のくだりでは温泉が無かったのに続いて、今回はバスがありません。このふたつを合わせてようやく「バスde温泉」が成立するという…いささか強引な合わせ技。ご容赦を。
今回は関西からはかなり近場ながら、泉質には定評のある古湯、榊原温泉に向かうことにします。榊原へはやはり近鉄。大阪からは1時間ぐらいです。このぐらいの距離なら特急に乗るほどでもない。急行でも時間はそんなに変わらないし、電車はリクライニングはないものの進行方向を向いたロマンスシートのことが多い。運賃だけなので実に安くたどり着くことができます。名張を過ぎ、青山トンネルを越えると、もう榊原温泉口です。
駅から温泉へはけっこう離れているものの、路線バスは1日3本しかありません。これではちょっと使えないので旅館の送迎バスに乗ることにします。バスはトヨタのコースター。これでも一応はバス…かな?
榊原はのどかな田園地帯で、盛り場は全くない。その中にポッカリ建っている旅館が今夜の宿です。この旅館、一人旅のプランがないんですよね。なので今回はオカンを連れての宿泊です。
榊原温泉にはこれ以後にも職場の旅行で再び来ています。そのときの温泉はこちら。
翌日は近くの伊賀を観光することにしました。榊原温泉口駅から近鉄電車で伊賀神戸駅へ。
ここから伊賀鉄道で伊賀上野に向かいます。この伊賀鉄道は、少し前までは近鉄伊賀線だった路線。乗客数の減少で近鉄の収益の足を引張る赤字路線となったため、廃止も取りざたされていたのだが、伊賀市等の支援で近鉄から分離、第三セクターで存続されることになった路線です。
ここの電車にはボディーペインティングで忍者が描かれ、観光客を呼び寄せようとしています。デザインは松本零士とのことで、確かに「くノ一」の目元は森雪やメーテルに似ていますね。
伊賀上野城は3層の天守閣からなる城郭で、現在の天守は昭和10年に復興されたもので、史的には正確なものではないものの、「白鳳城」と称される美しいお城です。また、復興した地元名士の強い想いから木造で建造され、正式には「伊賀文化産業城」という、その姿に似つかわしくないものの、その時代背景を表す名称です。
高さが30mの内堀の石垣はで日本一だそうで、身を乗り出して写真を撮ったものの、落ちたら確実に死ぬ。高いところには自信があるワタシでも少々恐怖を感じました。高所恐怖症の人は近づかないほうが賢明です。
伊賀上野は松尾芭蕉が誕生した地。城内には松尾芭蕉生誕300年を記念して昭和17年に建てられた俳聖殿があります。この建物は、屋根は笠を、八角形のひさしは袈裟を、柱は杖をイメージしているという、なかなか洒落の効いている造りです。
職場の旅行の際には、伊賀上野の洋食の名店を訪ねてみることにしました。
今回は珍しく団体旅行。独りではなかなか泊まれない旅館や、食する機会のないお料理もいただくことができたが、やはりワタシには気ままな一人旅が性に合うようです。
- 訪問日:2007年4月15・16日および2009年2月7・8日