龍神温泉は渓谷の秘湯で、徳川・紀州藩に縁の湯治場として、また三大美人の湯のひとつの鄙びた温泉街として知られています。そんな秘湯でも、最近は渓谷にへばりつくようにRC造の建物が建つようになり、唯一の共同湯である元湯も、昔はボロボロな建物だったのが、今や都会のスーパー銭湯並みに建て替えられています。
この元湯の内湯には、川に面した窓側に二つの大きな浴槽があり、大きい方が岩風呂、小さい方が檜風呂となっています。いずれも掛け流しとのこと。岩風呂は自噴泉の源泉かけ流し。お湯は重曹泉特有のヌルヌル感が少しだけ感じられる。これが美人の湯と呼ばれる所以なんでしょうか。ただ、ヌルヌル感なら、同じ和歌山県内でもこれ以上のところはいくらでもある。加温によって特徴が薄れてしまっているのかなぁ…
小さい方の檜風呂は、こちらは新しくボーリングされた源泉からのお湯で、加温のないそのままのお湯を使っています。このどちらも無色透明で匂いもない。印象の薄い浴感ではあるが、湯口にはコップが置かれていて、新湯を飲泉することができる。少し苦いかな。
露天はどうやら循環しているようで、お湯の質は劣るように感じる。また、周りを囲っていて景色はよくない。その割には道路の方は丸見えなんやけど…
この元湯からバラック建てのような古い建物が見えるのだが、これが旧元湯。現在もここからお湯を引いてるようです。温泉マニアにはこんな造りのほうが萌えなんやけどなぁ…この龍神温泉への道路は、最近、格段に良くなっていて、かなり行きやすくなっています。その分、「秘湯」っちゅうイメージは完全に消え去ったような気がしますね。
- 泉質:ナトリウム‐炭酸水素塩泉 48度
- 場所:龍神自動車・龍神温泉BS
- 訪問日:2010年11月27日
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