肥薩おれんじ鉄道の日奈久温泉駅から南へ10分ほど歩いたところ、鄙びた…鄙びすぎた温泉街の中心に、2009年にオープンした共同湯です。
建物は真新しいが、この共同湯の歴史は古く、江戸時代に肥後細川藩の藩営温泉「御前湯」、明治から昭和にかけては「日奈久温泉本湯」、その後、昭和42年から「温泉センター」として多くの人に親しまれてきたとのこと。
正式には「日奈久温泉センター」だが、「ばんぺい湯」という愛称が付けられています。これは、八代特産の晩白柚(ばんぺいゆ)にちなんでのことです。
1階は地元食材の直売所と200円の公衆浴場、2階が500円のばんぺい湯(大浴場)と休憩所、簡易な食堂になっていて、地元の方は公衆浴場を使い、観光客はばんぺい湯に案内されるようになっています。違いは、サウナと露天風呂の有無ぐらいらしいです。
かすかに硫黄の香りが漂うアルカリ泉、実に柔らかい湯触りですね。この時期は柚子湯ならぬ晩白柚湯が楽しめます。この温泉では掛け流しを標榜しているが、加温はされています。
この日奈久温泉、宿泊客は最盛期の10分の1まで減ってしまったそうです。街では観光客を取り戻そうと、この温泉に縁のある種田山頭火の俳句を記した木片をあちこちに吊るしたり、ボランティアによるガイドを行うなど、いろいろ手を打っているようです。
しかし、駅から温泉街までは、車が多いのに歩道のない一ケタ国道を歩かないといけないのが最大の弱点ではないかと思ってしまいます。
・場所:肥薩おれんじ鉄道・日奈久温泉駅、九州産交バス・日奈久温泉
・泉質:弱アルカリ性単純泉 34.5~46.0度
・訪問日:2010年1月28日
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