現在の有福温泉は、観光客も多いわけでもなく、潰れたスナックやみやげ物屋が寂寥感をいっそう増幅させます。そんなひっそりとした温泉街で、夕方になるとひときわ賑わうのがここ皐月湯です。
レトロな建物で一部愛好家に人気の御前湯とは異なり、坂の下方、民家に近い場所にあるこちらのほうが地元の方に人気のようです。
有福温泉にはなんと13箇所もの源泉があり、各共同湯もそれぞれ独自の源泉で、この皐月湯も当然ながら自家源泉。無味無臭の、しっとりとした浴感は有福温泉ならではのものです。
有福の温泉効能表示にはリウマチや通風などと並んで原爆症の記載があります。また、老朽化により2013年に閉所するまで、この温泉街の一角に原爆被爆者有福温泉療養研究所もあり、46年間で83万7千人が利用したとのこと。
広島に近いからでしょうね。戦争があった歴史の重みを感じます。平和を享受して温泉めぐりを楽しめることのありがたさを噛みしめました。
・場所:石見交通、広島電鉄(高速バス)・有福温泉BS
・泉質:アルカリ性単純温泉 45.9℃
・訪問日:2009年4月12日
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