JRきのくに線・白浜駅から明光バスで15分ほど、白浜バスセンターで降りて目の前のロータリーを浜とは反対側に少し進んだところにある温泉旅館です。
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突如、平日の連休が取れることになったので、白浜・椿方面へ「バスde温泉」の旅をしてみようと思いつきました。なにぶん突然のことなのでほぼノープラン。ただし宿だけは事前にネットで予約だけしておきました。
この宿を選んだ理由はただ一つ。温泉があって朝食付きながら6,000円という価格が魅力だったからです。夕食がなくても大温泉街の白浜のこと、外で食べれるところはいくらでもあるからね。
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全50室足らずという白浜では中規模のこの旅館、エントランスを入ると広々としたロビー空間が現れる、いかにも昭和期にデザインされたレトロモダンな造りです。
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パブリックスペースにはゲーム機の並ぶ娯楽場や卓球台、カラオケバーがあるなど、高度成長期の団体旅行全盛期に一般的だった温泉旅館の様式です。
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客室は昭和の趣のある8畳間のオーソドックスなスタイルで、部屋にバス・トイレも付いています。あまり手入れされていないようで、かなり古びています。
さらにこの旅館では布団を敷くのもセルフサービス。人手不足への対応と、コストダウンとを兼ねているのでしょう。ゆっくり寝れさえできればひとり旅には何の問題もない。
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大浴場は「黒潮の湯」と「潮騒の湯」のふたつで、男湯は「黒潮の湯」を充てられているようです。やや広めの浴槽に、白浜らしい塩のお湯が掛け流されています。
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泉質は含硫黄・ナトリウム・塩化物泉(湧出72℃)。どの源泉なのかは不明だが、すぐ近くの共同湯・松乃湯に送られている生絹湯よりは肌触りが柔らかく、すこしトロトロした風合いです。
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浴場そのものは古びているし、海岸に面していない立地上、景色を楽しむこともできないが、毎分348リットルという豊富な湯量で質は上々。足を延ばしてゆったり湯あみを楽しむことができます。
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この旅館の朝食はレストランでいただきます。内容は典型的な和朝食ながら、立派な鯵の開きがあるのがうれしいですね。ご飯もふっくら炊きあがっています。
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この旅館、古いだけにいろいろアラも目立つが、お湯の質は上々。泉質にこだわる温泉好きの方や、昭和レトロに魅力を感じる方には向いているでしょう。
・場所:明光バス・白浜バスセンター
・泉質:含硫黄・ナトリウム・塩化物泉 72℃
・訪問日:2015年3月1日
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