JR佐世保線・武雄温泉駅より歩いて10分ぐらいのところ、武雄温泉の開湯は約1200年前、嬉野温泉と並び肥前国風土記にも既にその名が登場しています。
佐賀藩城主の鍋島氏をはじめ、伊達政宗、宮本武蔵が、また幕末にはシーボルト、吉田松陰らが入湯したといわれる歴史に名を残している温泉です。
現在、17軒の旅館が存在し、その落ち着いた静かな佇まいから、お忍びで訪れる芸能人などの著名人も多いと言われています。
この小さな温泉街のもっとも奥のところに、この温泉のランドマーク、龍宮城を思わせる楼門が鎮座しています。ここが武雄温泉の共同湯です。
この楼門は明治・大正時代を代表する建築家である辰野金吾の作で重要文化財になっています。東京駅の設計でも知られている辰野は、ここ佐賀県の出身とのこと。
楼門の奥には、これまた重要文化財の新館が建っており、ここは現在は展示室となっています。
共同湯には昔ながらの「元湯」と、最新設備の「蓬莱湯」があるが、躊躇なく「元湯」に直行。高い天井と広い浴槽にはゆったりとした時間が流れているようで、レトロな造りは温泉情緒タップリ。
澄明で臭いもなく、ややつるつるしたお湯が惜しげもなくかけ流されています。浴槽はあつ湯とぬる湯に分かれていて、ぬる湯でも熱いぐらいで、あつ湯にはとてもとても…
目立った特徴に欠ける泉質ではあるが、名湯っていうのはこういう単純泉にあるんですよね。共同湯でこれほど大規模で、なおかつ情緒のあるところは今や貴重な存在です。
現在、九州新幹線長崎ルートの工事が進められており、完成すれば武雄温泉と長崎が新幹線でつながるが、肝心のここから鳥栖までのルートをどうするかで大モメにモメているので、新幹線の開通効果は限定的だと思われます。
・場所:JR佐世保線・武雄温泉駅
・泉質:アルカリ性単純温泉 51度
・訪問日:2006年8月22日
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