大峰山系を源流域とする熊野川(十津川)と、日本有数の多雨地帯である大台ヶ原を源流域とする北山川とが合流する辺りから、北山川を少し遡ったところは、豪雨と急流により削られた深い渓谷が続いています。峡谷の両岸に高さ50mにおよぶ断崖、巨石、奇岩、洞窟が1km以上続く日本屈指の景勝渓谷を誇るこの辺りは、上流から、奥瀞、上瀞、下瀞と呼ばれる、いわゆる瀞峡(どろきょう)です。特に下流部の瀞八丁は国の特別名勝および天然記念物として特に著名ですね。
この古くから名勝と讃えられている瀞峡を、熊野交通が運営する観光船で巡ることができます。この船はウォータージェットという特殊な方式で推進する珍しい船。水深の浅い北山川では、普通の船では川底にスクリューが支えてしまう…なので、ポンプで水を噴出して推進するウォータージェット方式にしています。
志古乗船場から勢いよく水しぶきを上げて熊野川を少し上流へ進み、北山川へ入ってしばらく行くと、この辺りは人家もほとんどなく、まさに自然だけの景観。いよいよ瀞峡ですね。
突如カモシカが現れたりします。気候のいい時期なら川風も気持ちいい!
予約しておけば途中の田戸乗船場で乗降も可能。この近くに観光・保養施設の瀞流荘と、そこから観光用に復元された紀州鉱山のトロッコに乗って湯の口温泉に行くことができます。
- 湯元山荘@湯の口温泉
さらに上流に遡って、いわゆる瀞八丁に到着。ここで暫しの休憩の後、再び下流へ戻ります。ここには十津川温泉や十津川村役場前から奈良交通バスで陸路で来ることも可能。いちど陸路で来てみたいですね。
この観光船、確かに景色は絶景なんだが、テープレコーダーの安っぽい観光案内や無理やり撮られる集合写真など、昭和の団体旅行といった趣き。これには興ざめですね。ひとり旅にはどうなんだか…そんなツッコミどころもともかくとして、やはりこの絶景にはいつも魅せられてしまいます…
- 訪問日:2009年8月12日
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