このバスde温泉では、関西より西に向かうことが多いのだが、今回は気持ちを切り替えて、(ていうか、そろそろネタも尽きかけてきたので)東に向かってみることにしました。東を目指して行く旅の始まりは近鉄特急です。大阪と名古屋を結ぶアーバンライナーに大和八木から乗り込みます。登場以来20年近くを経過したアーバンライナーは、大幅なリニューアルを得て、アーバンライナーplusとしてまったく別のような列車になっています。
アーバンライナーのデラックスシートはグリーン車以上の居住性。なのに料金は案外安いので、たまには贅沢もいい。近鉄自慢の「ゆりかごシート」は包み込まれる感覚で実に快適です。2時間弱で近鉄名古屋に到着。
ここで新幹線の乗り換えるのだが、専用の乗換え口を通れば乗り換え時間は非常に短くて便利。名古屋駅から三島まで「こだま」に乗ります。車両は300系。東海道新幹線は1964年に開通して以来、日本の大動脈。ワタシも時折利用するが、考えてみると、そのほとんどが「のぞみ」で、そのすべてが仕事での利用。旅行で、しかも「こだま」に乗った記憶がありません。
ビジネスライクな新幹線なんてひとり旅に使えないなぁっと思っていたからね。しかし、各駅をこまめに停まり、その駅では何本もの「のぞみ」や「ひかり」に抜かれていく「こだま」は、どこかのんびりしていて旅情すら感じてしまいます。
ウトウトするうちに三島駅に到着、ここで伊豆箱根鉄道に乗り換えます。伊豆半島の中央の内陸部を縦走する地方私鉄、伊豆箱根鉄道は、三島と修善寺を結ぶこの駿豆線のほかに、東に離れたところ、小田原市と南足柄市を結ぶ大雄山線があります。この三島駅には専用の乗継口から入場できるのだが、JRの乗車券とこの鉄道の切符を引き換えて入場するところ、新幹線の出口で乗車券を取るのを忘れたようで、引き換える乗車券がない。たまにこういう失敗をやってしまいます。ちょうど昼時なのプラットホームにある売店に行くと名物「アジ寿司」と記されているとともに、売切れの表示が…伊豆箱根鉄道の電車は3両編成のセミクロスシート。のどかな田園地帯をトコトコ走ります。駅弁を食べるに丁度いい情景なのにな…(ガックリ)
終点の修善寺駅は南伊豆各地へ向かうバスの出発点で、駅前は賑わっています。ところが、修善寺の温泉街はここから少し離れているので、10分ほどバスに乗る必要があります。
まあ、バス好きには都合がいいのだが…
東海バスと伊豆箱根バスが共同で駅と温泉を結んでいます。小田急系列の東海バスと西武系列の伊豆箱根バスが仲良く走っているのは面白いところ。往きは東海バスのいすゞキュービックです。
10分ほどで温泉街に着きました。この修善寺は伊豆で最も歴史のある温泉地。高級旅館が建ち並ぶ静かな温泉街で、公園や遊歩道なんかも整備されていて、温泉情緒が溢れていますね。
温泉街の中央を流れる桂川の畔には、この修善寺温泉の発祥の温泉である「独鈷(とっこ)の湯」という露天湯があります。ところが、現在は足湯として利用するのみで、入浴は禁止されています。こんな大勢の観光客に見られながらの入浴するのは、特殊な嗜好がない限りムリでしょうね。
駅への復路は伊豆箱根バスで、車両はいすゞエルガミオ。この伊豆箱根バスの車内放送が秀逸。テープの女性のアナウンスが昔の車掌風の独特な言い回しをしているが、これが実に名調子!絶対「マニヤ」がいるに違いないっと思い、帰ってから調べてみたら、テープがヤフオクに出品されてました。恐るべし!バスオタ!!!
駅まで戻ってようやくで昼食を摂ることができました。駅前のそば屋で山菜おろしの蕎麦を注文。東日本を実感するのは、カツオ出汁の醤油味がかなり濃ゆいこと。関西の薄味に慣れたワタシにはある意味、新鮮な体験です。塩分の摂りすぎはよくないので出汁は残したが、それでも後から喉が渇いてきました。
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