JRきのくに線・紀伊田辺駅から龍神バスで1時間半ほどのところ、龍神温泉は日高川の渓谷にある秘湯で、日本三美人の湯のひとつに数えられる鄙びた温泉地として知られています。
開湯は約1300年前とも言われ、役小角や弘法大師による開湯伝説も残っています。また、江戸時代には紀州藩・初代藩主徳川頼宣が上御殿・下御殿を作らせ、後に建物を村民に下賜されたと伝えられています。
日本三大美人の湯と呼ばれているのは、島根県・湯の川温泉、群馬県・川中温泉。そして、この龍神温泉です。「美人の湯」と称する温泉は、アルカリ性のヌルヌル感が特徴です。
鄙びた秘湯でも、最近は渓谷にへばりつくようにRC造の建物が建つようになり、唯一の共同湯である元湯も、今や都会のスーパー銭湯並みに建て替えられています。
この元湯の内湯には、川に面した窓側に二つの大きな浴槽があり、大きい方が岩風呂、小さい方が檜風呂となっています。いずれも掛け流しとのこと。
岩風呂は自噴泉の源泉かけ流し。お湯は重曹泉特有のヌルヌル感が少しだけ感じられます。ただしヌルヌル感なら、同じ和歌山県内でもこれ以上のところはあります。加温によって特徴が薄れてしまっているのかもしれません。
小さい方の檜風呂は、こちらは新しくボーリングされた源泉からのお湯で、加温のないそのままのお湯を使っています。
このどちらも無色透明で匂いもない。印象の薄い浴感ではあるが、湯口にはコップが置かれていて、新湯を飲泉することができるます。少し苦いのが特徴です。
露天はどうやら循環しているようで、お湯の質は劣るように感じる。また、周りを囲っていて景色はよくない。その割には道路の方は丸見えなんやけど…
この元湯からバラック建てのような古い建物が見えるのだが、これが旧元湯。現在もここからお湯を引いてるようです。
この龍神温泉への道路は、最近、格段に良くなっていて、かなり行きやすくなっています。その分「秘湯」というイメージは薄れてしまったように思えます。
・場所:龍神自動車・龍神温泉BS
・泉質:ナトリウム‐炭酸水素塩泉 48℃
・訪問日:2010年11月27日
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