捕鯨の街として有名な太地町から、那智勝浦町に入ったあたりに、「ゆかし潟」という実に美しい汽水湖が現れます。この畔の湯川温泉は、直ぐ近くの勝浦温泉の陰に隠れてあまり目立たないのだが、その実、1,500年もの歴史のある温泉地で、今でも小さい旅館が数件建ち並んでいます。
その中の一角に日帰り温泉施設の「きよもん湯」があります。ここは勝浦温泉「海のホテル一の滝」が運営する施設とのことで、入浴料は500円。建物は真新しくスーパー銭湯風なのだが、浴室に入ると塩素臭ではなくしっかり硫黄臭が漂っています。
この温泉では湯口からはドドドっとばかりに新湯が投入され、常に澄明なお湯が満ち溢れているとともに、必然的に、浴槽の縁からはもったいないと思ってしまうほど、惜しげもなくお湯が流れ去っていきます。浸かってみると、ややネットリとしていて僅かに気泡が付着する。
加温の必要はないが、やや温めなのでじっくり浸かることができます。湯の質は文句無く、施設が新しくて清潔で、しかもバリアフリーときてる。非の打ち所がない実に優等生な温泉だと思います…
が、情緒に欠けるんですよね。風格というか、歴史の重みっというか…なにか物足りない。はい、贅沢な注文、ていうか、いちゃもんに近いのはなのは重々承知んですが…そんな個人的なわがままは別にして、自信を持ってお奨めできる温泉のひとつです。
- 泉質:単純硫黄泉(アルカリ性低張性温泉)
- 場所:熊野交通・湯川温泉BS
- 訪問日:2008年10月31日
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