昭和初期の古いながらも威厳のある建屋が並ぶ奥津温泉。約400年前、津山藩主の森忠政が森家専用に鍵をかけたことから「鍵湯」と呼ばれるようになった、由緒ある温泉を守るのがここ奥津荘です。
古いながらも実にセンスよくまとまった玄関ロビーを入ってすぐ、地下に降りたところにこの名物の「鍵湯」があります。この「鍵湯」と、その隣の「立湯」が男女入替制。立湯とは反対側の隣の「泉の湯」と、少し離れた新館、川を望む場所にある「川の湯」が貸切湯となっています。
「鍵湯」は最も大きな温泉で、といっても客室数の少ないこの旅館のこと。16畳程度の広さでしょうか。湯気を抜く程度の窓があるだけで、外光の入らない薄暗い浴室。湯治場の風情が漂っていますね。その中央の浴槽に澄明なお湯が溢れている…そしてその底からポコポコと温泉が湧き出てきます。
無味無臭、癖のない柔らかいお湯でトロトロ感を感じるが、泉温がやや高めなので浸かっているうちにガンガン沁みてくるようにも感じる。これは強力だ。
「立湯」は「鍵湯」と同様の、薄暗い岩造りの浴室で、浴槽はその名のとおり立って入らなければならない深さ。もちろんここも澄んだトロトロのお湯。最高のコンディションのお湯が溢れています。
「泉の湯」は最も小さい浴室と浴槽。その分、湯温が高くなっていて、夏場のこの時期はすぐに茹ってしまいます。最初は熱くて足も浸けられないほど。桶でかき混ぜてようやく入れるようになったのだが、ここはかき混ぜる棒(あれ、なんていう名前なんでしょうかねぇ…)を置いてほしかったな。
「川の湯」は唯一、眺望を楽しめるお風呂です。ここだけ他と違ってレトロモダンな意匠になっています。お湯はやや温め。じっくり浸かってられるお風呂です。
「泉の湯」や湯上り処など、タイル張りが実に見事、職人さんの技が光っています。ところが残念なことに、一部剥がれているんですね。今やこんなタイルは手に入らないのでしょうが、同じ奥津温泉の河鹿園では、流れたタイルを河原まで探しにいっていると聞きます。何とかならないのでしょうかねぇ…
ここのお料理はこちら…奥津荘(料理)@奥津温泉
- 泉質:アルカリ性単純泉(ラジウム含有)42.6度
- 場所:中鉄バス・奥津温泉BS
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