湯布院町は由布岳の西側の麓に広がる温泉リゾート地で、ここに湧く由布院温泉の源泉数は852本、毎分38,600Lもの豊富な湧出量は全国3位の量だとか。湯布院町というのは「平成の大合併」で発足した由布市のうちの旧湯布院町のこと。
少々ややこしいが、この湯布院町というのも、昭和30年の「昭和の大合併」旧「[湯]平村」と旧「[由]布院町」が合併した時に無理やりこじつけられた名前。なので町名は[湯]布院、温泉名は[由]布院というややこしいことになっているので、この地の観光協会はひらがなの「ゆふいん」という名称を定着させようと、まあなんとも日本人的なあいまいさを実践されています…
かつてはひなびた温泉だったこの由布院温泉を、今や軽井沢と並び女性に人気のリゾート地と仕立て上げたのも、別府における近代的温泉地づくりの祖で、亀の井ホテル・亀の井バスの創設者でもある油屋熊八が大正時代にこの地に自分の私的な別荘を作ったことに遡ります。
そして、バブルに踊らせられることなく歓楽色の強い大型開発計画に反対し、この地の自然を活かし、女性が訪れたくなるような癒しの空間とやるような環境整備を続けてきた、今や高級旅館となって、マスコミの露出も多い亀の井別荘の中谷健太郎と、旅館・玉の湯の溝口薫平らに依るところが大きいでしょう。
由布岳とともに由布院温泉の景観を形作っているのが金鱗湖です。
周囲約400メートル、水深は約2メートルと、池と見紛う程のあまりにも小さいが湖だが、湖底から温泉と清水が湧き出していて、これらが成す透明な湖面が細かく波打ち、まさしく金鱗のような美しさを湛えています。温泉と清水の温度差のために冬季には湖面から霧が立ち上る幻想的な光景が見られ、その霧が、由布院盆地名物の朝霧の源であるとも言われています。
この金鱗湖の周辺にも多くの土産物店やレストランがあって、国内外から数多く訪れる観光客の要望を満たしています。
やや高級イメージのあるこの由布院でも、土地の人だけが利用できる共同温泉だけでなく、旅行者が安価な値段で入浴できる共同温泉も各所にあります。豊富な湯量の誇る温泉地である矜持ですね。
由布院駅から金鱗湖の方に延びる「由布見通り」や「湯の坪街道」には、こ洒落た雑貨屋やレストラン、スウィーツ系のショップが並び、連休には多くの人が訪れ、湯の坪街道には人があふれています。これらの商店群は歓楽性を極力排した旅館群とは異なり、雰囲気を損ねているともいえます。
しかしこれらの持つ経済効果は相当なもの。街にとっては痛しかゆしですね。バランスのとれた観光開発が模索されています。
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