「虹を待つ」遠藤彩見作を読みました。5編の連作時代小説ですが、私は1つの小説として読みました。江戸時代は女性からは簡単には離婚が出来ず、どうしても我慢ならない女性は「縁切寺」に駆け込みました。駆け込んでくる女性は本当に様々な人生模様です。昔の話としてだけではなく、今も同じように苦しんでいる人が多いのではと思います。夫婦のことはなかなか表には出てこないのでわかりません。最近は離婚率が高いので、離婚したければできると言う点は改善されました。縁切寺の上州満徳寺には尼住職慈白という徳川家のお姫様だったらしい方がおられます。上品で思慮深く、駆け込んだ女性に相応しい対応をされるのが、本当に知恵のある愛情深い女性だと思いました。日々の生活の中でその人にとって何が幸せかを考えさせられます。そうしていろいろなことに気づき、自分の道を歩む女性の姿は安心して見送ることができました。駆け込み寺を人生の雨宿りだとして、自分の行く末を考え、ゆっくり虹の出るのを待つ女性たちでした。面白かったです。
2025-1-8(水) 図書館資料 請求番号:913/B/エン
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます