原田マハさんの「ロマンシェ」を読みました。最初はボーイズ・ラブの作品かなと思いました。タッチも軽くてしばらくは本当に原田マハさんの作品かなと疑問が湧きました。内容は芸大生がパリへ留学しいろいろな体験を通してリトグラフに巡り合うというお話です。読み進むうちにこの作品はやはり原田マハさんの作品だと実感できるほど深みが出てきました。途中で書き方が変わったのかなと思いましたが、内容が広く深く広がるので、書き方は変わらなくてもそう感じたのかなと思います。パリの街のあちこちの風景が出てきて、もしパリへ行くような機会があれば絶対ここを訪れようと思うところが一杯です。原田マハさんのすごいところは小説に書かれている内容が現実に実行されるところです。パリのリトグラフ工房「idem」の作品展覧会が東京ステーションギャラリーで開かれました。本の出版に合わせてです。史上初めての小説連動型展覧会/展覧会連動型小説です。その当時の東京ステーションギャラリーの冨田章館長が小説の最後に特別寄稿されています。海外の作品展は通常2~3年先まで決まっていて準備には時間がかかります。ところが原田マハさんの「度胸と直感」によって準備期間がたった1年であったにもかかわらず、展覧会が開かれることになりました。奇跡です。「君が叫んだその場所こそが、ほんとの世界の真ん中なのだ。」の展覧会のタイトルは出品したアーティストたちへ向けられた言葉であり、それを見て感動した来場者たちへ向けた言葉でもあります。ああ~観たかったなと思いました。今度東京へ行くことがあったら東京ステーションギャラリーは外せないなと思いました。行きたいところがどんどん増えていきます(笑)たとえ行けなくてもそう思えるだけで楽しいです。そしてこの小説には有名なアーティストの名前や映画監督など実名が出てきます。今からその方たちの作品を検索してどんなリトグラフか観たいですし、映画も観たいと思います。私は狭い空間で生きていますが「君が叫んだその場所こそが、ほんとの世界の真ん中なのだ。」と胸を張って生活していこうと思いました。
2020-4-13(月) 図書館資料 請求番号:B/ハラ
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