2014ジャパンカップサイクルロードレース
10月19日(日)
宇都宮市森林公園周回コース
151.3km(14.1kmx10周+10.3kmx1周)
出場選手:畑中勇介・入部正太朗・吉田隼人・野中竜馬・木村圭佑
アジア最高峰のワンデイレース、2014ジャパンカップサイクルロードレースが10月19日に宇都宮市森林公園周回コースで開催された。
世界トップカテゴリーのUCIプロチームが7チーム参戦するなど、国内で最も激しい戦いが繰り広げられるこのレース。今年は天候にも恵まれ、秋晴れの空の下、過去最多の8万人の大観衆がつめかけ、選手たちに声援を送った。
シマノレーシングは、エースの畑中勇介、そして好調の入部正太朗を終盤の展開まで残し、優勝を狙う作戦で臨んだ。
1周目、アタック合戦の末に鶴カントリークラブの上りで阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、山本元喜(ヴィーニファンティーニNIPPO)、ダレン・ラプソーン(ドラパック)、ホセ・ビセンテ(チーム右京)の4人が抜け出す。
2周目には佐野淳哉(ジャパンナショナルチーム)なども追走に飛び出すが、集団に吸収され、逃げの4人は最大約6分までリードを広げる。
メイン集団はチームスカイ、ガーミン・シャープ、ティンコフ・サクソなど海外UCIプロチームがコントロールし、少しずつタイム差を削り取っていく。シマノレーシングの選手たちは、集団後方でエースの畑中らを守る走るをする。
先頭4人からは9周目に山岳賞を獲った山本、さらに10周目の同じく古賀志林道の登りで阿部が脱落。代わって、すぐ後方に迫ったメイン集団からヤン・ポラン(ランプレ・メリダ)が合流し、新たに3人となる。
しかし、逃げはこの周回で吸収され、メイン集団のペースアップにより、シマノレーシングの選手たちは第2集団、第3集団に取り残されてしまった。
最後の11周目、古賀志林道で先頭集団からモレノ・モゼール(キャノンデール)がアタックするがゴール前で捕まり、最後は約10人によるスプリント勝負に。僅差の争いをネイサン・ハース(ガーミン・シャープ)が制し、2011年以来3年ぶりのジャパンカップ2勝目を挙げた。
シマノレーシングは、畑中が5分05秒遅れの39位に入ったのが最上位。序盤の中切れで入部が脚を使ったのも響き、上位に食い込むことはできなかった。
<コメント>
畑中勇介(39位)
「レースの国際化が進んで、トップチーム同士が本気のレースをしないと勝てないようになり、レースのポイントも今までと違ってきた。逃げが決まる瞬間も違ったし、その後の追っているときのスピードも速かったし、位置取りで簡単にいいところに入れなくて、苦戦した。その中でも後半にチームメイトが位置を確保してくれたので全力で戦うことができたけど、ツアー・オブ・北京から好調な選手もいたし、天候もいいし、初めてきたチームも観客の数に後押しされてヒートアップしていて、最後の2周はプロの速度を見た」 「もう少し前で上りをクリアしていれば、集団の一番後ろについていけたし、実際日本人も数人ついていったので過去と同じようにそこに入って勝負したかった。古賀志だけでなく、その前の鶴(カントリー)に入るための順番争いで体力、集中力を使ってしまって、古賀志の3分の上りで20秒差がついてしまった。レースは何があるかわからないし、前の集団は人数が多くてけん制があるかと思ったので、最後まで追いかけた」
野中竜馬(49位)
「畑中さんと入部で動くことが決められていた。ラスト2周でペースがドンと上がったときに、畑中さんと同じところにいることができたけど、前との差は開く感じだった。いつものジャパンカップよりも速かった気がする。プロチームの人数が多くて、集団内で厚みがあってなかなか前には出れなかった。最近の練習では踏めてなかったけど、今日は最後まで畑中さんと同じ位置で上り切れたので、とりあえずやれることはできたかなと思う」
木村圭佑(初出場で65位完走)
「作戦では僕が逃げに乗る役割で、乗るまで頑張ろうと前を意識したけど、例年以上にスピードが速くて、日本人の逃げにプロチームも反応してなかなか決まらなかった。僕が前に出れないときは、吉田さんが反応してくれた。4人が逃げた後も反応しようと思ったけど、プロチームが前に並んでしまって行けなかった」 「そこからは切り替えて、畑中さんと入部さんをサポートをできるだけやった。残り2周に入るところで千切れてしまって、もう1ランク上のアシストをするのは実力が必要だなと思った。厳しいジャパンカップでした。自分の想像以上の雰囲気で、千切れた後も応援してくれたので、最後まで走ることができた。選手として、走れて幸せでした」
野寺秀徳監督
「逃げのタイミングがなかなか合わなかった。いつもと同じようにいったけど、始めの攻防で中切れが起こって、位置を下げていた入部が脚を使ったのが誤算だった。最後は畑中、野中が脚を貯めていけたと思ったが、力及ばずだった。基礎能力を上げていくしかない。」 「ジャパンカップを見に来てくれる人はこれ以上増えないんじゃないかと思ったけど、今日はさらに増えているように見えた。日本の自転車競技というものはまだまだ捨てたものじゃないし、僕らがいる世界は注目されているんだと、選手たちも認識している。毎年チャレンジの繰り返しだけど、地道に力をつけていくしかない」
2014ジャパンカップサイクルロードレース
リザルト
1位 ネイサン・ハース(ガーミン・シャープ)4時間06分48秒
2位 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(チームスカイ)st
3位 グレガ・ボーレ(ヴィーニファンティーニNIPPO)st
4位 ミカエル・ヴァルグレン(ティンコフ・サクソ)st
5位 ジュリアン・アレドンド(トレックファクトリーレーシング)st
6位 ヴァレリオ・コンティ(ランプレ・メリダ)st
7位 ダヴィデ・フォルモロ(キャノンデール)st
8位 モレノ・モゼール(キャノンデール)st
9位 ヤン・ポラン(ランプレ・メリダ)+05秒
10位 クリストファーユール・イェンセン(ティンコフ・サクソ)+18秒
39位 畑中勇介(シマノレーシング)+5分05秒
49位 野中竜馬(シマノレーシング)+5分51秒
63位 入部正太朗(シマノレーシング)+9分48秒
65位 木村圭佑(シマノレーシング)+11分52秒 DNF 吉田隼人(シマノレーシング)