友岡さんが次の本を紹介していました。
『居場所を探して-累犯障害者たち』(長崎新聞社、2012.11)
出所しても居場所がなく犯罪を繰り返す累犯障害者たち。彼らを福祉の手で更生させようと活動する社会福祉事業施設の協力で、現状と解決の道筋を探った。日本新聞協会賞を受賞した長崎新聞の長期連載をまとめた一冊。
さっそく図書館で借りて読んでみました。
一部、引用します。
□第1章 居場所を探して―累犯障害者たち
■第2章 変わる
■変わる刑事司法と福祉~南高愛隣会の挑戦をめぐって
□山本譲司さんインタビュー
□おわりに
第2章 変わる
変わる刑事司法と福祉~南高愛隣会の挑戦をめぐって
(つづきです)
この章の終わりに、長期連載「居場所を探して」で登場した累犯障害者たちの「その後」を記しておきたい。
第1部の高村正吉(61)=仮名=は、古里・五島市のグループホームに移った後、何度も「失踪」騒ぎを起こした。パチンコ癖は一向に収まらず、今は雲仙市の更生保護施設「雲 仙・虹」に戻って「再訓練」を受けている。
第2部で登場した菊永守(33)=同=は、愛隣会のグループホームを出て、22年6月から実家の近くにある自立訓練施設で生活を始めた。昼間は企業で職場実習に汗を流す。時々、自転車に乗って「雲仙・虹」にやって来る。最近笑顔が増えた。
第5部で取り上げた宮沢春男(33)=同=は福祉につながった後、1年7月に再び警察に逮捕された。今回もスナックでの無銭飲食だった。不起訴処分となり、「雲仙・虹」に入所。「女の人と話がしたかった」という。
無賃乗車を繰り返した第6部の浜村昭久(27)=同=。7月に関西の刑務所を出所し、今は愛隣会のグループホームで暮らしている。面会に訪れた父、秀行(54)=同=が「頑張っているね」と声を掛けると、昭久はこくりとうなずいた。
第7部の森容子(42)=同=は女子刑務所で服役中。今も福祉の支援を拒否し続けている。愛隣会職員の大坪幸太郎は何度か手紙を書いたが、返事はない。「これからも接触を続けようと思います」と大坪は言った。
1年にわたる連載を終えた長崎新聞の累犯障害者問題取材班は解散したが、それぞれの立場で取材を続けている。
「累犯障害者にひたすら向き合う」
そんな取材方針は、今も変わらない。
【解説】
累犯障害者のその後が、一概にバラ色ではないことが分かります。
関係者のご苦労・ご努力に頭が下がります。
獅子風蓮