「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

誰のための激変緩和措置か

2007-08-14 23:26:03 | 日記
来年4月から、これまで被扶養家族として保険料の負担がなかった75歳以上の高齢者に保険料の負担が生じる。
その人数は全国で200万人といわれている。
そしてその平均保険料は年額で約7万5千円。
ただし、「激変緩和措置」なる名目で、2年間だけ半額以下に軽減される。
厚生労働省は13日、この軽減措置の手続きを自動的に行う仕組みを導入すると決めたが、裏を返せば、制度設計時は申請しなければ軽減さえ受けられない仕組みだったということである。
「年金?申請しなかったあなたが悪い」という抗弁をここでもやろうとしていたという事だ。
健康な若年層でも煩雑な行政手続を高齢者に強いるという考え方自体が厚生労働省の現場不知を象徴している。
年金問題がここでよい方向に影響したと考えれば幸いというものだが、そもそもがこの激変緩和措置、負担者のことを考えてのものか疑問である。
一気に高負担を強いれば受け入れられにくいが、徐々に上げれば不満も分散するし少ない、しかも申請すれば今ならこんなに安くなりますよと言えば「仕方ないか」と目先の軽減で怒りを抑えられる。そう考えてのことではないのか。
実際、所得が年々増えていく従業者ならともかく、所得の増える見込みの少ない75歳以上の高齢者に徐々に負担増を強いて、それが負担者のための措置と言えるだろうか。
まやかしである。

来年4月の負担増はこればかりではない。
70~74歳の医療費の自己負担額も原則1割から2割となる。
無駄づかいのつけはこうして広く国民が払うことになる時代になってきた。
本当に不幸な時代である。