「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

搭乗率保証見直し

2009-07-08 23:36:00 | 川勝知事公約寸評
今日は恐らく彼にとっても評価上命取りとなるであろう静岡空港問題の中でも緊急性のある課題、搭乗率保証である。(ちなみに、7月2日までの福岡路線の搭乗率は70%という保証基準に対し58.0%であり、JALが空気(空席)を運ぶ対価として1日当たり約143万円の税金がJALに支払われる計算となっている。)

マニュフェストでは、
「現行の片務的な搭乗率保証制度については、そのあり方を平成21年度以内に見直します。」というのみで、それ以上書かれていない。
搭乗率保証については既に県議会において、実績が目標搭乗率70%を大きく下回ると予知した際には速やかに日本航空と対応策を協議し運行規模の見直しや需要喚起策をとる、とする付帯決議があり、http://navy.ap.teacup.com/hikaritoyami/345.html彼が出馬を表明した時点で県議会の予測どおり70%を下回ることが見込まれる状況になっていたことを考えれば、何もしないというに等しい公約であった。

しかし、その後日を追うごとに搭乗率が下がった
6/4(開港日)⇒71.1%
6/7まで⇒68.5%
6/9まで⇒67.0%
6/10まで⇒66.2%
6/24まで⇒59.8%
6/30まで⇒59.6%
7/2まで⇒58.0%
ことから、今日の初となる知事記者会見では、「見直す」と明言するとともに「一刻も早く」とも述べたが、彼のいう「一刻」(本来の意味は約30分)というものがどの程度のスパンをいうのか不明である。
1円たりとも無駄にしないとの公約からも、毎日150万円近い税金が無意味に垂れ流され続けることに普通の感覚なら我慢できないはずであるが・・・

何しろ、知事選出馬に際しても、
「私の身は理事長(石川嘉延知事)に預けてある。理事長が『やれ』と言うならノーとは言わないが、99・99%ないと思う」(朝日新聞2009.5.22)、「まったく出馬する意思はありません。100%ですね。お断りの文書をしたためたい。」(毎日新聞2009.6.3)と明言しながら君子豹変した御仁である。
言葉を軽視する者を評価するには、何を言ったかではなく実際にいつ見直し、どのように見直したかを評価しなければ意味がない。

また、保証契約が片務的だから能登空港のように双務的に、などとも述べているようだが、そもそもJAL福岡路線だけに保証がなぜ必要なのかの疑問さえ晴れていない。保証の必要性から検討しなおすべきが筋であろう。
さらに、会見で能登は65%と言っていたが、能登空港は現在58%が保証金支払いラインであり不勉強ぶりを露呈。

会見前には「搭乗率保証は見直します」との知事の主張に県幹部から「マニュフェストどおりそう言っていただいて構いません。詳細は部局長に説明させるとおっしゃってください」(毎日新聞)と、役人に詳細は任せろと釘を刺される始末であり、不勉強な素人ぶりを見ると「廃止も含めて見直し」という言葉も役人の前には空しいものとなりかねない。

やはり、躓きは空港からか。まさに静岡空港問題は県政の鬼門である。