それは今週水曜日の帰宅時のこと。
藤沢駅から小田急線片瀬江ノ島行きに乗り込み、発車まで暫く時間がある車内で、私は音楽を聴きながら眼を瞑っておりました。
発車のベルで眼を開けると車内は適当に混んできて、私が座る座席の反対側で若い女性がスマホを弄っているのが見えました。
女性はマスクをしていて鼻や口の形が分からないものの、顔の輪郭や眼だけ見ると私の娘に似ています。
娘かなあ? でも、あんな化粧はしないし、眉毛描きすぎだよなあ~、 髪を上で纏めてるなあ~、あんな髪型は風呂上がりにしてるしなあ、服装も微妙に違う気がするけど、ありはありだよなあ。でも、ちょいぽっちゃりかもな。でも似てるなあ。スマホのカバーもあんな感じだし。
そうこう考えていると、おじさんのいやらしい気配に気がついたのか、顔を上げチラっと私に視線を投げてきました。
いやあ~ 似てるなあ、こりゃ娘だなあ。あの化粧も服装も少しぽっちゃりな感じもなにも、私だけが気づいてないだけだよな。うん!娘に違いない!と確信して、私、思わず手を振ってしまいました。
ところが、その女性、私に気づかなかったのか、手を振るオヤジが気持ち悪かったのか、何もなかったようにまだスマホを弄り始めたのです。
あ~
やっちまった!
完全なおいらの勘違いやんけ!
あ~ 恥ずかしい。振った手をどうやって誤魔化して元に戻して良いか分からんやんけ!
よし!振っている右手をフックに変えて、相手を回すように立ち上がり、ドア付近までサイドステップで移動しよう!
あ~
なんと一駅の長いことよ!
結局、その女性は私が降りた本鵠沼では降りず、そのまま行ってしまいました。
完全に間違いやんけ!
他の乗客に見られてないことを祈りながら、とぼとぼ自宅に歩き始めると、後ろから
パパ~!
と声をかけられ振り返ると、本当の娘がおりました。
髪型も化粧も服装も体型も全く電車の女性と違う本当の娘でした。同じ電車に乗っていたみたいです。
ちなみに私はその日はアルコールを一滴も飲んでいないのでした。
あ~
恥ずかしかったっす。