広小路建築散歩~その2
広小路を納屋橋から栄え方面に歩くと、左手にギリシャ・ローマ時代の建築を思わせるクラッシクな銀行が見えてきます。
正面に6本のイオニア式オーダーの列柱が並ぶ新古典主義の建築で、いかにも昭和前期の銀行建築らしい重厚な外観になっています。
これは古代ギリシャ復興式~アメリカンボザールと呼ばれるデザインで、当時の銀行はギリシャの神殿をイメージした古典主義建築を銀行建築の定番として採用し、全国の都市には一目で銀行とわかるクラッシクな建物が次々と建てられました。
昭和の初めに名古屋一の目抜き通りに建てられた三井銀行名古屋支店は、ほぼ当時のまま保存されており、同じ通りに面して建つ旧名古屋銀行とともに当時の広小路の面影を今に伝える貴重な文化財になっています。
■三井住友銀行名古屋支店(旧三井銀行名古屋支店)/名古屋市中区錦2丁目18-24
竣工:昭和10年(1935)
設計:曽禰・中條建築事務所
施工:竹中工務店
構造:RC2階地下1階
撮影:2010/3/14
建物全景(広小路通側)
三角ペディメントを載せた正面玄関と渦巻きの柱頭を持つ溝付き円柱がクラッシクな外観を醸し出します
建物西側玄関の装飾とイオニア式オーダー
西側のオーダーは壁面と一体化した付け柱になっています