広小路建築散歩~その5
広小路通と大津通が交わる栄の交差点周辺は、丸栄、三越、松坂屋(この地方では3Mと言う)が集まり、まさに名古屋を代表する繁華街を形成しています。
明治屋の隣、広小路に面して建つ丸栄百貨店は、昭和を代表する建築家、村野藤吾の手による戦後早い時期の作品で、愛知県内では現存する唯一の作品です。
村野藤吾は大阪の渡辺節の事務所で、アメリカンボザールの名建築(ダイビル本館、綿業会館など)を手がけますが、その後、森吾商店(S6)や重要文化財に指定された宇部市民館(S12)などモダンデザインに歴史様式を加味した後期表現派と呼ばれる作風に変わっていきます。
後期表現派は当時建築界のメジャーになりつつあったモダニズムの白いトーフ建築にあきたらず、細部に歴史様式を残し仕上げの味にこだわった、古い時代の良さを残したモダンデザインをめざしたのです。
戦後、モダニズム建築が席巻するなか村野藤吾が目指したもうひとつのモダンデザインは生き残り、現代建築にも大きな影響を与えています。 <参考>日本の近代建築(下)/藤森照信著
■丸栄百貨店/名古屋市中区栄3-3
竣工:昭和28年(1953)
設計:村野・森建築事務所
施工:清水建設
構造:SRC造地上8階、地下2階
撮影:2010/3/14
広小路通と大津通が交わる栄の交差点周辺は、丸栄、三越、松坂屋(この地方では3Mと言う)が集まり、まさに名古屋を代表する繁華街を形成しています。
明治屋の隣、広小路に面して建つ丸栄百貨店は、昭和を代表する建築家、村野藤吾の手による戦後早い時期の作品で、愛知県内では現存する唯一の作品です。
村野藤吾は大阪の渡辺節の事務所で、アメリカンボザールの名建築(ダイビル本館、綿業会館など)を手がけますが、その後、森吾商店(S6)や重要文化財に指定された宇部市民館(S12)などモダンデザインに歴史様式を加味した後期表現派と呼ばれる作風に変わっていきます。
後期表現派は当時建築界のメジャーになりつつあったモダニズムの白いトーフ建築にあきたらず、細部に歴史様式を残し仕上げの味にこだわった、古い時代の良さを残したモダンデザインをめざしたのです。
戦後、モダニズム建築が席巻するなか村野藤吾が目指したもうひとつのモダンデザインは生き残り、現代建築にも大きな影響を与えています。 <参考>日本の近代建築(下)/藤森照信著
■丸栄百貨店/名古屋市中区栄3-3
竣工:昭和28年(1953)
設計:村野・森建築事務所
施工:清水建設
構造:SRC造地上8階、地下2階
撮影:2010/3/14
昭和の良き時代を感じさせる優しい雰囲気を持ったデザインで街の景観に潤いを与えます