雁道通商店街の南側、堀田通3丁目の交差点を東に入った通り沿いに、栄湯という大正期に建てられたモダンな銭湯が現存しています。通りに面して東西に長い建物で、ファサードはスクラッチタイルが貼られ洋風の雰囲気ですが、屋根は瓦葺で正面には千鳥破風が二つ並んでいます。玄関周りは現代風に改装され、外壁のスクラッチタイルもかなり貼り直されている様子ですが、建物向かって左側半分は木製の窓枠など開業当時の面影を残しており、レトロな雰囲気が漂います。
名古屋市内では現存する戦前の古い銭湯は大変少なくなってしまいました。そんな中、建物によく手を入れて現役の銭湯として営業している栄湯の姿は嬉しい限りで、一日でも長く営業を続けてくれることを願うばかりです。
■玄関廻りはリニューアルされコインランドリーも増築されています。
訪れたときは午後2時ころでしたが、玄関にはもう暖簾がかかり元気に営業中の様子でした。
■スクラッチタイルと幾何学的な窓割りが昭和モダンな雰囲気です
◆栄湯/名古屋市瑞穂区船原町2-6
竣工:大正13年(1924)
構造:木造2階建
撮影:2012/11/03